大阪府吹田市在住 T.Hさん 35歳 女性 兼業主婦
主訴:アトピー性皮膚炎、肩こり
既往歴:喘息
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2010年2/17の初診ご来院時は、肩コリがきつく仕事に出るので
改善して欲しいとのご依頼であった。
望診:顔はやや紅潮。
舌診:紅舌きつく、少白苔。
脈診:右は浮緩でやや滑脈。左は虚脈。
腹診:心下から臍にかけ板状の邪。全体緊張し発汗。
切経:曲池(左右)実、三里(左)実きつく発汗、太衝(左右)虚中ノ実、
照海(右)虚、心兪から胃兪(左右)実きつく発汗、小腸兪(左)やや実。
考察:肝鬱気滞。
施術後:肩が軽くなり、頭がスッキリしたとのこと。
肩こりに関しては初診で症状改善し、その後もラクに過ごされていた。
しかし2011年の冬頃から体調を崩され、それ以降アトピーが治らないようで、
鍼で改善出来ないかとご依頼を頂く。
2011年6/8、再診。
アトピーは全身に発症し、食後や夜間に症状が増悪する。
また、ストレスがきつくなったことで入眠困難や排便異常が起きるようになり、
過敏性腸症候群と診断される。
舌診:紅舌きつく、やや暗し。少白苔。
脈診:右は浮位にやや弦で緩滑脈。左は虚脈。
腹診:全体緊張し、両肝相火に熱感あり。
切経:曲池(左右)実きつし、三里(左)実きつく発汗、
太衝(左右)虚中ノ実、照海(右)虚、心兪から胃兪(左右)実きつく発汗、腎兪(右)虚。
考察:肝鬱化火。
施術中:鍼を施し脈は少し良くなるものの、その他の反応は不変。
切経をもう一度行い、解谿(左)、命門に枯れの反応を確認する。
考察:胃陰虚に切り替える。
施術後:体の芯から温もりを感じ、体が軽く感じる。
6/15、3診目。
アトピーが体全体から四肢のみと範囲が狭くなり、夜間や食後の痒みも
⑩→⑤になる。入眠は随分と良くなるが早朝4:30に目覚め、
便に関してはスッキリ出るようになった。
舌診:紅舌やや暗し。少白苔。
脈診:右は浮でやや枯脈。左の虚はマシ。
腹診:全体緊張はあるものの、肝相火の熱感はなし。
考察:前回と同様。
6/22、4診目。
アトピーに関しては、一週間は症状悪化なく比較的良かった様子で、
睡眠も目覚める事なく眠れる。
舌診:紅舌、薄白苔。
脈診:全体やや浮緩脈。
腹診;心下から胃土の表在に板状の邪を診る。
考察:同様。
この後順調に経過を過ごされ、施術方法も胃陰が補えたので疏肝をメインに
切り替え、8/3の9診目までは週1回を目安に定期的にご来院頂く。
8/17、10診目。
8/14に動物病院に行き、そこで長時間待たされたことにストレスを
感じたことと、前日寝不足をしたことで症状が悪化してしまう。
主に両腕の陽経側にきつい。
舌診:暗紅、ほぼ無苔。
脈診:やや弦脈。
腹診:両肝相火の邪、熱感きつい。
考察:肝火上炎。
施術後:気持ちが落ち着いてきた様子。
9/3、11診目。
症状は一進一退を繰り返す。
この頃から、隣人の方に対しストレスを感じる事が多くなる。
舌診:暗紅、薄白苔。
脈診:浮細で枯脈きつい。
腹診:心下から臍下に板状の邪。
考察:前回同様だが、施術穴を変える。
9/18、12診目。
日が経つにつれて落ちついてきて、痒みは全く出ていない。
舌診:紅舌、薄白苔。
脈診:浮位にやや枯脈。
腹診:心下に緊張。
考察:肝鬱気滞とする。
10/5、13診目。
引っ越しの準備で多忙だったが、症状の悪化無く順調に過ごされる。
舌診:紅舌、薄白苔。
脈診:やや滑脈。
腹診:心下の緊張マシ。
考察:前回同様。
10/19、14診目。
アトピーの症状は全くなし。
舌診:淡紅舌、薄白苔。
脈診:やや緩脈。
腹診:胃土にうっすらと表在の邪。
考察:肝気上逆。
この後もアトピーの症状無く、順調に経過すごされておりましたので、
11/17に当院の施術をご卒業頂きました。
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担当鍼灸師(下野)より
素体として胃の弱りがあり、先ずはそちらを補うように施術致し、
胃気が十分補えたところで施術方法を疏肝に切り替え、進めて参りました。
途中色々と精神的負担になる事がありましたが、今ではそういった問題も
解決し、心身共にとても良い状態とのことです。
T.Hさん、新しい生活には慣れましたでしょうか?
これから寒くなり、体調を崩しやすい時期になってまいりますので、
体調管理には十分気を付けて下さい。
またいつでも遊びに来て下さい。お待ち致しております。 |