美容鍼灸について。〜最近美容鍼灸なるものが増えて来ました。美容鍼灸に阪の漢方鍼灸専門 一鍼堂がもの申します。〜

大阪 鍼灸院(豊中市) 一鍼堂 >美容鍼灸 ~昨今流行の美容鍼灸について。~
神戸三宮院

美容鍼灸について。


美容鍼灸
という言葉が大分浸透してきました。
美容鍼灸専門で鍼治療を行う鍼灸院も存在するみたいです。
しかし、どうでしょう。
もともと東洋医学というのは
五臓六腑の変調を専門的な診断術で把握する事で
あらゆる病にアプローチするものです。
つまり、病気の根本は皮膚や表にあるのではなく、
内臓にあり、
その弱りやうまく機能していないものに対して鍼をおろすのです。
美容で重要視される顔を例にとっても
胃が弱ると皮膚の弱る場所 
腎が弱ると出る場所など
各々にの臓腑に主(つかさど)る場所があり、
顔色にしても
気色の青いものは肝に病があるぞ
気色の赤いものは心に病があるぞ…
と先人から伝えられたものがあるのです。
それを学ばずに顔や局所に鍼をしてこれぞ美容だとかかげているのに
対して少し疑問があります。

専門家の視点から発言させて頂くと、
そもそも、
病気をきちんと治せる鍼医者は敢えて
美容鍼灸と特化して宣伝しなくても
しかるべき治療をする上で美容に対しても効かす技術を持っています。
例えば、足がむくむとする。
これ1つ診ても、
五藏のどこに病があるか。
胃を冷やしすぎただとか
夜更かしで腎を崩しただとか。
ストレスで肝気がめぐっていないのだとか。
専門的に診ていかないことには本当には治せないんですね。
一緒なんです。
どんな病気でも。
たとえ美容でも。
それを 美容鍼灸とかかげることで
うまく宣伝をし、技術も磨かないで
学生レベルの鍼でサービス業的に鍼を行うものが多い。
そこに対して安易だと感じる事が多い。
鍼灸の学生も
卒業後はどうするのだと訊ねると
美容系で開業しようかなといった
ある種1つのコースのような感覚を持っている者達もいる。
学校で美容鍼灸コースを作って卒業後の就職のアシストを
しているところもあるそうです。
鍼灸だって医学ですよ。
習い事じゃないんですよ。
私の憧れた鍼灸はもっとストイックで
厳しいものだった。

そもそもの鍼灸術は病名にとらわれる事がなく、
あくまで気一元をうかがい、それを正す医術。
その圧倒的な生体観が最大の魅力であろうに、
不妊専門だとか美容鍼灸だとか
病名を特化することに矛盾はないだろうか。 
うまく言えないが、時代にうまく乗っているという感覚だろうか。
安易な考え方を持つ者が群がっている気がしてしょうがない。
あくまで私たちは。

鍼灸が世に認められる入り口としては
それもいいのかといった感情もなくはないが
非常に複雑な気持ちです。
ストイックに鍼一本でやっていくと言った者が
やはり少ないのには危惧する気持ちが
消えないでいます。

もちろん美容鍼灸専門でやっている鍼の名人が
いらっしゃるのかもしれない。
しかし、
しかしだ。
本当に苦しく 難病などで苦しんでいるものも
診なくてはならない 
間違った治療で苦しんでいるものがいるのにも関わらず
美容に特化して 何故そういう者達を診ないのか。
本当に救うべきを置いておいて
どの理由で”美容”を鍼灸師として選択するのか。
そこがひっかかる。

やっぱり難治のものを治す為の日々があり。
喜びがあり、
また、腕が及ばないことの苦しみがあり。
それが やはり医術としての重さ
鍼灸師を生業とした者の責任なんじゃないか。

仮に、
特化することが必要な手段であるのならば
なぜ難病の専門とかかげたり
難しい病気の専門の鍼灸院はほぼ存在しないのか。
癌の専門の鍼灸院があってもいいじゃないか。
目にするのは
美容と不妊ばかり。

そこになぜか 大義を感じないのだが。
故に、
私は美容鍼灸と言った言葉自体が好きではない。

美容鍼に命をかけているプロフェッショナルならいい。
もし、安易に鍼を振りかざすものがいるのならば
私はそういった者に やすやすと鍼を語ってほしくはない。
傲慢かもしれない。
でもこれだけは言いたい。
鍼で人を殺すことも出来る。
治す事が出来れば 必ず悪化さすこともある。
我々はそのようなことがないように 毎日感覚を研ぎすまします。
その恐さを少しでも知っている者としては
傲慢だと言われても
美容鍼を特化して鍼を業界として売り込むことは反対です。
また、しっかりと伝統的な診断術をふまえて観察、弁証、施術を
行う鍼灸治療があることをもっと知って欲しいと思います。



美容鍼灸について調べていると、
wikipediaに、
『近年、鍼灸院、エステサロンだけでなく、接骨院などでも美容鍼治療を取り入れるところが増え始め、 いたる所で美容鍼治療を受 けられるようになってきており、場所により治療効果はまちまちである。美容鍼治療を取り入れる治療院が増えてきた理由として、一部の鍼灸院(鍼灸師)が、 美容鍼治療の講習会を全国で数多く開いたり、美容治療関連のDVDや雑誌などを積極的に販売するようになってきたことが一因と考えられる。
…患者のパイの奪い合いになっている鍼灸業界において、多くの鍼灸院や接骨院の経営は非常に苦しい。そう いったこともあり、そこで美容鍼灸という目新しさや簡便さ、またわかりやすさを切り口として利用し、経験の浅い同業者を相手に積極的にセミナーの開催や DVDや書籍の出版をして利益を確保している点に注意が必要である。そのた め美容鍼灸治療を行う治療院の数が需要を大幅に上回り、すでに飽和状態になりつつあるので、患者側としては治療院の選択の幅が増える一方、治療が良質であ るかの判断が困難となってきている。』
とありました。(本文ママ、途中省略。)
まさしくその通りだと思います。