歴代の鍼灸の名医を紹介するのみではなく、
その過程で彼らの主張や言葉が、
ところどころに紹介してあるので、
実は非常に臨床に即した内容に触れることが出来ることに驚かされる。
長年、自分の心の内に秘めていた悩みに対する考察がそこにはあった!
例えば、灸を熱証に対して絶対禁忌とすべきだという主張と、
熱証にも対応しうるという主張の対立などである。
私も、日本の諸流派がみだらに灸を使い過ぎて、、
臨床で絶対に戒めるべきであるという確信を持っていた。
歴代の名医もこのことについて
同様に悩み論争していたことを、
その歴史を俯瞰することで、共有することが出来たことは宝に等しい思いがした。
ただ、歴史的年表を解説するのみでなく、
そこに生きた名医の意志を垣間見ることが出来ることがなによりもすばらしいと感じ、
ここに推薦する。
|