大阪府池田市在住 K.Aさま 11歳女性 小学生
主訴:突発性難聴
既往歴:なし
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【来院時の依頼文】
2011年 2月20日 午前に突然左耳が聞こえなくなり、
近所の耳鼻咽喉科を受診したところ、重度の突発性難聴の診断、
池田市立病院を紹介され、翌日21日入院。
点滴で18日間(~3月9日)の治療を行った。
若干の改善はみられたものの、完治には至らず。
他の病歴は、特になし。(11歳女児、小学5年生)
【2012年3月11日、一鍼堂来院。】
症状の詳細は左耳に膜が張った感覚がアリ。
左から話しかけられると全く聞こえていない。
突発性難聴を発症する前の状況を付き添われたお母さんに伺うと、
本人にとって大きなストレスを抱える出来事があったとのこと。
それ以来、入眠時間に60分かかるようになるとのこと。
舌診:淡紅、白苔、全体的に潤い。
脈診:緩滑脈。
腹診:両肝相火の邪実がきつし。
切経:腕骨(実)・後谿(実)・内関(実)・
足三里(実)・陰陵泉(虚中ノ実)・地機(実)
身柱(虚)・心兪(虚中ノ実)・胃倉(実)
考察:肝鬱気滞証
治療後:施術後、耳に張った膜が薄れていく感覚があり。
3月17日(2診目)
前回施術後、よく眠れるようになる。
耳は、音が遠くで聞こえるようになったとのこと。
自宅のTVの音声の音量をイヤホンで聴いてもらい、
聞こえる音の大きさの数値を報告して頂くようにお伝えする。
また、3月27日に聴力検査を控えているので
そこで良い結果を出すよう目標を立てる。
3月20日(3診目)
前回施術後、自宅TVの音声にて声として認識できる音量がvol 33。
右耳はvol 1で認識可能なことから、大音量でないと聞こえていない事がわかる。
3月24日(4診目)
前回施術後、自宅TVにて声として認識できる音量が
20日 vol 28
21日 vol 28
22日 vol 25
23日 vol 25
やや音量下がったが、まだ音量は大きい。
3月26日(5診目)
前回施術後、自宅TVにて声として認識できる音量が
25日 vol 18
よく改善される。翌日に控えている聴力検査に臨んで頂く。
4月1日(6診目)
前回施術後、自宅TVにて声として認識できる音量が
26日 vol 15
27日 計測し忘れたため記録なし
28日 vol 12
29日 記録なし
30日 記録なし
31日 vol 10
3月27日に受診した耳鼻科にて聴力検査の報告を頂く。
このままでは補聴器が必要と診断されるが
日を追う毎に、聞こえが改善されているので
聴力がどこまで改善されるか、もう1ヶ月様子を診てみてると診断。
鍼治療では、引き続き肝鬱気滞を散らす。
4月6日(7診目)
調子良いため、次回施術の間隔を空けてみる。
4月16日(8診目)
10日ぶりに御来院。
自宅TVにて声を認識できる音量
vol 8から調子の良い時でvol 5で認識できると御報告を頂く。
大分小さい音量でも耳が聞こえてきた。
ただ、日常生活において
小学校の席替えで後ろの席になり
教壇にいる先生の声が聞こえ辛いと伺う。
4月21日(9診目)
小さい音量でもよく聞こえるとのこと。
4月28日(10診目)
前日の27日に耳鼻科にて聴力検査では聴力が全快していると診断され、
教室での聞こえも問題なくなってきたとのこと。
ここで聴力は全快したが、来年中学受験を控えており
今後も精神的なストレスが多少かかることを懸念し
聴力に影響が出ないように、今後の施術方針は体を強く補強していく。
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【施術担当(為沢)より】
この症例では、肝鬱気滞が耳栓のように塞ぐような形になり
音が聞こえなくなっておりました。
ただ、気機が耳を塞いでいる状態であって聴力自体が衰えた訳ではないので
早い段階でよく改善できました。
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