大阪府吹田市在住 M.Nさん 43歳 男性 会社員
主訴:指の痺れ(しびれ)、肩のこり、花粉症
【2010年2月27日 一鍼堂来院】
症状:左を中心に肩甲骨のこり、
左腕の重さと痺れ(手の少陽経上)がある。
腹診:肝の相火の実、拒按あり。
望診:脊柱起立筋の緊張がきつい。
切経:太衝虚中の実、心兪虚中の実。
考察:肝鬱気滞
処方:足の厥陰肝経、足の太陽膀胱経に取穴
治療後、肩甲骨のこりが緩解、左手の痺れ感が薄らぐ。
2診目(3月7日)
肩甲骨のこりは消失、左手の痺れ感は⑩→①へ
腹診:全体に拒按あり
前回と同じように肝鬱を捌く。
3診目の時点で症状が
大分ましとのことで、様子を診て頂く。
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【ご本人からのメール】
2011年2月13日
ご無沙汰しております。
1年ほど前に新川先生に、首痛、肩こりでお世話になり、
調子いい日々をおくらせていただいております。
久しぶりにまたお願いしたいと思っているのですが、
毎年花粉にも悩まされているのですが、針治療で効果を期待できるでしょうか。
また、中1の娘がいるのですが、
花粉症はいうまでもなく、
もともと乳幼児の時から食物アレルギー(小麦、卵、牛乳)がひどく、
微量でもアナフィラキシーが出る状況です。
これに対しても針治療は期待できるでしょうか?
2011年2月20日
約1年ぶりの施術
主訴:指の痺れ、花粉症
指の痺れは昨年末から徐々に感じ始めた。
花粉症はヒノキに反応しやすく、
例年3月~5月にピークを迎えるとのこと。
切経:太谿、腎兪ともに虚が深い
気滞を捌くとともに、補腎を行う。
【考察】
花粉症の症状といっても患者さまによって
原因はそれぞれ異なってくる。
M.Nさまの場合
腎の弱りがあることで、
気の呼吸に関わる「納気」の作用が損なわれたと考えられる。
そもそも呼吸は、
肺の「吐き出す(呼気)力」と、腎の「吸い込む(納気)力」で
なりたっている。
また春は昇発、条達する季節であり、
草木も上へ上へ伸びていこうとする季節であるため、
肝鬱気滞の素因を持っている場合、
肝気が上につき上がりやすくなってしまう。
その結果、臍下丹田におさめられているべき力が上にいき、
肺を傷り花粉症の症状を起こしていたと考えられる。
2月27日
前回治療後から
指の痺れは緩解。起床時に若干残る。
花粉症はまだ発症していないとのこと。
3月6日
4日前から花粉症が出てくるが、
薬を飲まない状態で、例年よりラクとのこと。
指の痺れは消失。
その後、2月20日から5月1日までに9診施術させて頂き、
ヒノキのピーク時にも鼻の痒みのみだったとのことで、
5月1日をもって卒業とさせて頂きました。
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【担当鍼灸師(新川)より】
M.Nさまの場合、ストレスなどによる気の滞りが、
環境等の条件により 様々な症状を生み出していることが考えられます。
日頃から体を動かして頂き、内側の流れを良くしておくことが重要です。
また睡眠が不足すると、腎気が弱ることが考えられますので、
特に花粉症の時期はお気を付け下さい。
治療方針などの説明が不足していたと御指摘頂きまして、
遅ればせながらですが、今この場を使い説明させて頂きました。
娘さまの施術も全力であたらせて頂いておりますので、
ご安心下さい! |