大阪府吹田市在住 匿名希望様 30歳 女性 主訴:慢性糸球体腎炎
病歴: 7年前から尿検査にひっかるようになる 潜血3+蛋白3+になった年に腎生検でiga腎症とわかり、 2010年8月から扁摘パルス(扁桃腺摘出とステロイドパルス)を開始。 一年後には潜血1+蛋白-まで落ちつきました。 治療として耳鼻科でBスポット療法をしていましたが 2年位前に寛解といわれてからは何もしてません。薬も飲んでいません。 半年前位から疲れやすくなり左腰の痛みがずっとあります。 自宅で検査したところ潜血2+蛋白1+でていました。 私の腎臓の炎症は鼻の副鼻炎が原因らしいので そこを治せたらいいなぁと思っています。
(本文ママ。)
【2015年7月12日(日) 一鍼堂来院。】 問診: 尿検査のまとめ。 (尿 潜血の値と蛋白の値 +…検出されたため不良 −…検出されていないため良) 2010.8.17 両口蓋扁桃摘出手術 & ステロイドパルス開始
母が腎炎を患っており、遺伝的な腎の弱りも考慮。 幼少期は尿検査で何もなかったが、 大学在学時から尿検査で引っかかるようになる。 出身は福岡県で、大学は山口県の学校に入学。 卒業後は広島県で就職(家具屋)し、 転勤で広島→東京→大阪と転居。 その間、2010年に結婚。 同年、上記の表にもあるように 尿検査にて潜血と蛋白が顕著に検出されるようになる。
8月・両口蓋扁桃腺摘出手術・ステロイドパルスを受ける。 ステロイドの大量投与により、 全身に吹き出物と顔面の浮腫(ムーンフェイス)の副作用が出る。
2012年 数値上で寛解した為 投薬での治療を終える。 その後、フルタイムの仕事に就き、 耳鼻科のBスポット療法を受けに通院するが、 潜血・蛋白共に改善することないので通院を止め、 2年ほど何の治療もせずに過ごす。
2015年 腰の痛みや疲れ易さから尿検査をしたところ 潜血と蛋白が検出。
自宅近くの鍼灸院を1度受診し、身体的な効果を感じるも、 治療とは別で、講習会へ参加するよう促され 怖くなって1回だけの受診で止める。 他の鍼灸院で探しているところ、当院に依頼を託される。
望診: 頭・手足の多汗があり、ハンドタオルを常備していないと 汗だくになってしまう とのこと。
身体的な症状として、 頭部・手足の多汗。足の厥冷。腰痛。易疲労。 多汗は平素からの症状で、昔から有り。
舌診:舌尖 紅 脈診:滑やや数 腹診:両脾募の邪、両肝相火の邪、両少腹部の虚 切経:手少陰経にやや虚中ノ実、手少陽経と手太陽経の自汗 足陽明経・足太陰経・足厥陰経の実、足少陰経の虚が深し 考察:腎気虚証 取穴:足少陰経の経穴 治療後:全身がスッキリする 養生指導: 体力をつける為、毎日運動(まずは散歩)して頂くよう伝える。
7/16(木) 2診目 前回治療後 尿検査 潜血± 蛋白2+ 尿色 濃黄→淡黄
7/20(月) 3診目 引き続き尿色が淡黄keep
7/23(木) 4診目 21(火)に尿検査をしたところ、 潜血− 蛋白− になったと報告を頂く。 体調面でも易疲労がマシになってきたとのこと。 腹診:両季肋部の実よく緩む。 治療方針は補腎を軸に施術。
以後、週1〜2回ペースで施術。
8月(5診〜10診) もともと飲酒が好きで、外食で飲酒する機会が多く 尿 潜血と蛋白にも影響することが多々あり。 飲酒による体調不良を懸念し、 飲み会があっても飲酒を控えめにして頂く。 (飲酒が好きな為、禁酒を指示するとストレスかけるだけなので、 せめて少なめの摂取にして頂くよう約束をする。) 脈診:やや数が落ち着く
9月(11診〜16診) 尿色が淡黄で綺麗に出るのはkeep。 9月末頃より体質の変化が出てきて 外食で飲酒しなくても平気なようになり、 飲酒しても少しの量で満足できて、 尿に影響出ないようになる。 また、9月末で事務職を退職することになる。 養生指導で伝えた運動継続している為、 腰痛易疲労もマシになっている。 脈診:滑脈よく緩んでくる
10月(17診〜24診) この頃より、頭部の多汗がマシになる。 尿色は綺麗でなままkeep、 調子が良いので尿検査はしていないとのこと。 舌診:舌尖の紅がマシになってくる。
11月(25診〜31診) 尿色は淡黄で良い状態keep。 手足の多汗は多い時とマシな時で波があるが、 今まで出なかった手足頭部以外の全身に 汗が満遍なく出るようになってきたとのこと。
12月(32診〜36診) 久しぶりに尿検査するも 潜血- 蛋白- で+の値が出ずに済む。 もし、+が検出されればステロイドパルス治療を受ける予定だった。 ステロイドパルス治療は全身に吹き出物と 顔面の浮腫(ムーンフェイス)の副作用が出た経験があったので 受けずに済み安心した様子。
〜現在(3月) 尿 潜血と蛋白については大分安定感が出てきている。 現在は手足の多汗症に主訴を切り換え治療中。 --------------------------------------------------------------------------------- 「現在も継続して施術しております。 尿検査で異常値が出ないようにすることも大事ですが、 鍼せずとも自力で代謝できるように 体を補強するよう心掛けております。」
担当鍼灸師:為沢
関連リンク ・慢性糸球体腎炎…大阪府吹田市の匿名希望様の鍼灸治療体験談
(2016年 3月 25日 更新)
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