病院で治らなかった病気,難病を鍼灸、漢方鍼治療で克服しよう!/大阪(豊中市 吹田市)鍼灸院 一鍼堂

神戸三宮院豊中院



その他の鍼灸治療症例集

※ここではその他の諸症状に対する
一鍼堂での鍼灸治療の症例を紹介いたします。
巷では症例集と称し、
宣伝まがいの自作自演の内容を多く見かけますが、
当院では、紹介するすべての内容が
事実に基づいた内容であることをここに明記し、
紹介させて頂きます。



長期間 声が出にくい!! 声帯浮腫の鍼灸施療改善例

大阪市天王寺区在住 A.Kさん 50歳 男性 営業職

主訴:声帯浮腫
既往歴:なし
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2019年9月
咳嗽が出始める。
カゼを疑い、体温を計ってみるが発熱なし。
悪寒もないので通常通り仕事を行う。

10月
1ヶ月間も咳嗽が止まず、
次第に声が出にくくなってくる。
営業という仕事柄 人と話す機会が多いため、
声が出ないのは致命傷なので
耳鼻咽喉科で診てもらうことに。
声帯が腫れていると診断を受け
“声帯浮腫”と診断を受ける。
病院から喉の炎症を抑える
内服薬や吸入薬を処方され経過を診る。


2020年1月
4ヶ月ほど内服薬と吸入薬を使用するが効き目がなく
だんだん、普段から嗄声になってしまい、
症状が治らないことを不安に思い
一鍼堂に施療を依頼される。


1月30日(木) 一鍼堂来院。

営業の仕事のため
日本全国へ出張で移動することが多い。
咳嗽が出るのは人と接している場合に多く
声は普段から嗄声になっている。
昔からタバコを1日20本吸っている。

食生活:食欲あり。大食で1日3食、規則的。
    間食はたまにお菓子を食べる。
    辛い食べ物や揚げ物など脂濃い食べ物が好き。    

飲み物:喉が乾きやすく、
    冷たい飲み物を一気にゴクゴク飲むことが多い。
    飲酒は月1回程度しかしない。

二便:大便は1日2行。
   形は硬い時もあれば下痢気味の時もあり。
   硬い時はスッキリ出ない。血が混じることもあり。
   出張で出先泊まる時は下痢することが多い。

   小便は1日4〜5回。
   色は淡黄。残尿感あり。尿勢ややなし。尿切れ悪い。
   夜間尿なし。

汗:少汗。頭や胸にやや汗かく程度。

排出物:痰あり。切れにくく、からみやすい。
    白濁した色でネバネバと粘着質。
    目ヤニなし。

目:仕事中パソコンを使用していると目が疲れ易い。

耳:問題なし。

手足:足先の冷えが常々あり。

爪、毛髪:異常なし。
     髪がパサつく。

睡眠:午後23時 就寝~ 午前5時 起床。
   熟睡感なし。
   寝つきに50〜60分時間がかかる。
   目覚めはすぐ行動できる。
   夢は時々見る。非現実的な夢が多い。
  
運動:習慣なし。


舌診:紅舌。白膩苔。
脉診:滑弦脈
腹診:両肝相火の邪実がきつい。水分、関元の虚深し。
弁証:腎陰虚
取穴:足少陰腎経の経穴
施療後: 体スッキリする。

※注意点
現象として気滞や湿痰の情報も多く見受けるが、
下焦の虚が深いのでこれをよく補う。


2月9日(月) 2診目
前回施療から咳が治まり、
喉のつかえが取れて、声が出やすくなり
嗄声が無くなった。

舌診:紅舌マシ。白膩苔もマシに。
脉診:滑弦よく緩んでいる。
腹診:両肝相火の邪まだあるが、水分、関元の虚よく埋まる。
取穴:前回と同様。

様子をみて症状が再発するようであれば
また連絡くださいとお伝えし2診目終了。









2021年6月10日(木)
また喉のつまりが出てきたので
診て欲しいと電話あり。

6月11日(金) 3診目
約1年半前の施療後は
症状出ずに快適に過ごせていたようだが、
2021年5月に転職をする。
前職と同じ営業職だが、全国に出張することはなく、
大阪府下を移動することが多くなったとのこと。

転職し新しい環境になって1ヶ月。
仕事に少し慣れてきた頃に再び喉の違和感を感じるようになる。
新型コロナウィルスが流行っているため、
喉の調子を崩すと仕事に支障が出てしまうので、
今回は耳鼻咽喉科には行かず、
前回2診のみで改善した一鍼堂に連絡を頂く。

喉の症状は詰まりを感じる程度で咳は出ていない。
嗄声もないが、症状が長期化する前に早めに診て欲しいとのこと。

舌診:紅舌。白膩苔。
脉診:弦脈。
腹診:左肝相火の邪実きつし。
弁証:肝鬱気滞
取穴:足厥陰肝経の経穴。
施療後:体軽くなる。


6月17日(木) 4診目
前回施療後、喉のつかえが取れてスッキリする。

調子良くなったので、
また何かあれば早めに連絡頂くようにお伝えし
施療を卒業して頂きました。
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【担当鍼灸師(為沢)より】
同じ症状でしたが、去年診た時と御体の状態が違っていたため
弁証も変えて施療しました。
今回もすぐに効いてくれて良かったです。
A.Kさん、新しいお仕事頑張って下さいね☆

(2021年6月30日 更新)




1年間改善しなかったテニス肘の鍼灸施療改善例

兵庫県宝塚市在住 S.Nさん 72歳 男性

主訴:テニス肘

既往歴:前十字靭帯断裂
    肩腱板断裂
    大腿四頭筋損傷
    扁桃腺切除
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2019年の夏に趣味のボウリングをしている時に肘を痛め、
しばらく様子を見ていたが治らず、
整形外科にて”テニス肘”と診断を受ける。
整形外科にて湿布や痛み止めの薬を処方され
手関節や指のストレッチをしたり、
肘に負担が出ないよう肘関節をバンドで巻いてみても
痛み改善しなかったため、自宅近くの整骨院で診てもらうことに。
その後、整骨院に1年間通院するも大きな改善みられず、
1年も痛みが抜けないことに不安を感じ当院に問い合わせ頂く。


2020年7月24日(金) 一鍼堂来院


痛みの場所は右天井穴、右小海穴付近。
ボウリング以外にもクロスバイク、登山、スキーなど
運動することが趣味だが、
肘の痛みのため1年間通してクロスバイクやスキーできずに過ごす。
肘関節を屈曲した時に痛みが出る。
仕事は60歳で定年退職をしているため、
現在は家で過ごすことが多い。


食生活:食欲あり。1日3食、規則的。
    間食は煎餅や豆類を食べることが多い。 

飲み物:氷入りの飲み物を一気にゴクゴクと飲むことが多い。
    お酒は毎日飲んでおり、ビール、日本酒、ワイン、ウイスキーを好む。

二便:大便は1日1行。
   形は普通。排便後スッキリする。 
  
   小便は1日7~8回。1回量はしっかり出る模様。
   色は淡黄。尿勢あり、尿切れなし。
   たまに夜間尿1回あり。

汗:多汗。顔、頭、額、首、胸、背中の多汗。

排出物:痰なし。湿った耳垢がよく出る。

目:疲れやすい。PCや新聞を見ている時。

手足:暑がり。手足が熱い。

睡眠:午後23時 就寝~ 午前6時 起床。
   熟睡感あり。いびきや歯ぎしりアリ。
   食後によく眠くなる。
  
運動:運動は好きだが医師により
   上肢の運動を制限されているため週末に登山をしている。

舌診:紅舌。舌中~舌根にかけて白膩苔。
脉診:滑やや数脈
腹診:胃土に邪熱あり。腹全体的に膨満している。
弁証:肝鬱化火、陽明湿熱
取穴:足太陰経の経穴、手太陽経の経穴
施療後: 肩の力が抜ける得気あり。
養生指導:毎日の飲酒が気になるので、1日おきの飲酒にしてもらう。



7月28日(火) 2診目
前回施療から4日後の来院。
施療後、症状に大きな変化はみられず。
肘の痛みは変わらない。

舌診:紅変わらず。白膩苔変わらず。
脉診:滑やや数脈変わらず
腹診:胃土の邪熱、少しマシだが腹満も大きく変わらず。
弁証:陽明腑実
取穴:手陽明経の経穴、足陽明経の経穴



7月31日(金) 3診目
前回施療から3日後。
引き続き肘の痛み大きく変わらず。
肘関節屈曲時の痛みあり。

舌診:紅舌。白膩苔少しマシに。
脉診:滑少しマシ、数脈変わらず。
腹診:腹満変わらず。
弁証:肝胆湿熱
取穴:手少陽経の経穴、足少陽経の経穴、足陽明経の経穴



8月7日(金) 4診目
前回施療から1週間。
肘の痛みが若干マシになり⑩→⑧に減少。
歯磨きをする時に肘を深く屈曲することができた。

舌診:紅舌少しマシに。白膩苔まだあるが潤いが出てきた。
脉診:滑マシ。数少しマシ。
腹診:腹満あるが表在の邪が緩んできている。
取穴:前回同様。



8月14日(金) 5診目
前回より1週間。
肘の痛み⑧のまま現状維持だが、
日常生活において痛みを感じる時が減ってきた。
前日の13日(木)飲酒量が多かった模様。

舌診:前回と同じ。
脉診:滑数脈。
腹診:腹満、やや熱感あり。
取穴:前回同様。
養生指導:良い効果が出そうなので飲酒を2日おきにしてもらう。



8月21日(金) 6診目
前回より1週間。
肘の痛み⑧→③まで減少。
19日(水)に久しぶりにボウリングをしてみたところ
肘の痛みなく14ポンドのボールを投げられた。
楽しかったため、つい3ゲームほどプレイしたが
ボウリング後も痛み無く過ごせている。

舌診:紅舌マシ。白膩苔もマシに。
脉診:滑数脈マシ。
腹診:腹満もよく緩んできた。
取穴:前回同様。



8月28日(金) 7診目
前回より1週間。
肘の痛み③→①まで減少。
26日(水)にボウリングを3ゲームしてみたが肘の痛み出ず。

舌診:淡紅。白苔。
脉診:やや滑脈。
腹診:腹満マシに。
取穴:前回同様。



9月4日(金) 8診目
前回より1週間。
2日(水)にボウリングを4ゲーム プレイしたが
肘の痛みなくボールを投げられた。
その後も肘の痛み無く、日常生活も問題なかったため、
久しぶりに自転車に乗ってみた。
ハンドルを握っても痛み無し。

舌診:淡紅。舌根部やや白膩苔。
脉診:滑脈マシ。
腹診:腹満マシ。
取穴:前回同様。



9月18日(金) 9診目
前回より2週間。
掃除のため、雑巾掛けをする時に雑巾を絞ってみたが
肘の痛み出ずに掃除ができる。

舌診:淡紅。舌根部のやや白膩苔もマシ。
脉診:滑脈ややアリ。
腹診:腹満よく緩む。
取穴:前回同様。



10月20日(火) 10診目
前回より約1ヶ月。
施療間隔を空けてみるが、
1ヶ月間、間隔が空いても肘の痛み無く過ごせるようになったので
今回を以って卒業されました。
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【担当鍼灸師(為沢)より】
初診から3診まではあまり症状が変わりませんでしたが
施療を重ねることで、何がダメだったのか情報を精査し
次の施療に活かすことができます。
なので、3~4診目あたりで、
より精度の高い施療方針が出来上がってくることは多々みられます。
といっても、初診からしっかり効果を出すのがベストですが(笑)
良い結果を出せて安心しました⭐︎

(2021年6月1日 更新)




原因不明の舌の痛みの鍼灸施療改善例

大阪府枚方市在住 T.Iさん 61歳 女性 技術職

主訴:舌の痛み
既往歴:高血圧
            高LDLコレステロール血症
    IgA血管炎
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施療前の依頼文:
舌がバリバリとした感じがあります。
そこが上顎にあたり痛みます。
4年ほど前舌がヒリヒリして、酸っぱいような苦いような感じでした。
一昨年くらいにひどくなり口内炎やこすれるような痛みで
病院で漢方薬を処方され楽になりましたが、やはり不快です。
高血圧とコレステロールを下げる薬を飲んでいます。

上記の依頼文を頂き
2021年3月15日(月) 一鍼堂来院


舌の奥(舌根部)にバリバリとした違和感と痛みあり。
4年前に歯科での治療でマウスピースの作成時に
歯茎用の歯磨き粉で磨くよう指示を受け、
歯茎を磨いていたところ舌がヒリヒリする感覚を覚える。
それから味覚に異変が出てきて、
常に酸っぱいような苦いような感覚が続くようになる。
口腔外科で診てもらうも異常は診られず原因不明と診断を受け、
漢方薬(詳細不明)を処方してもらう。
漢方薬で若干味覚はマシになるものの、
特に夜になると痛みが増悪し、
入浴で体が温まると更に痛みが増悪するようになる。

仕事は医療関係の技術職。
立ち仕事とデスクワークが多いため、
足腰を痛めることが多い。
子供は33歳、31歳、29歳と3人。
出産する度に代謝が落ちて体重が増えてきた。
病歴は50歳頃に高血圧と診断を受け、以来 降圧剤を服用。
50代半にIgA血管炎を患い、ステロイドで寛解する。
60歳頃には高LDLコレステロール血症と診断を受け薬を服用中。


食生活:食欲あり。1日3食、規則的。
    間食は甘いお菓子を食べることが多い。 

飲み物:口は渇きやすい。口の苦みが常にあるので
    飲酒は週2日。ビールを飲むことが多い。

二便:大便は2日1行。普通便。色はやや黒い。
   
   小便は1日4~6回。濃黄色。
   1回量はしっかり出て、尿勢は普通。

汗:多汗。主に上半身、頭部の汗が多し。

排出物:痰なし。

目:春先になると痒くなる。

手足:足が冷えやすい。

睡眠:午前0時 就寝~ 午前6時 起床。
   普段は熟睡感あるが、舌の症状が酷い時だけ寝付けない時がある。
  
運動:習慣なし。

舌診:舌体暗。胖嫩で両舌辺に歯痕あり。
   白膩苔で舌根部にかけて黄苔。全体的に乾燥している。
脉診:緩滑やや数脈
腹診:心下で表在の邪熱。臍下の裏邪がきつし。。
弁証:湿熱鬱結下焦証
取穴:足太陰脾経の経穴、手陽明経の経穴
施療後: 全身スッキリしてくる。
養生指導:熱が篭らないよう飲酒を控えるように伝える。

※注意点
湿熱と気滞が長期に渡って下焦を阻滞しているが、
割合としては7:3くらいで湿邪の停滞が酷いため
初手はこれを主に捌いてみる。
効果が甘ければ弁証を組み立て直す必要あり。


3月18日(木) 2診目
前回施療から3日。
施療した15日(月)と翌日16日(火)は舌のバリバリが落ち着いていたが、
17日(水)にまた舌根部がバリバリしてきた。

舌診:舌体暗。胖嫩で両舌辺の歯痕、白膩苔変わらず。乾燥も変わらず。
脉診:浮滑数。
腹診:心下部の熱感。臍下の裏邪も変わらず。
取穴:下焦の去湿と同時に活血化瘀を試みる。



3月25日(木) 3診目
前回施療から1週間。
施療後から1週間通して舌根部のバリバリよく和らいでいた。
入浴で体温まっても痛みがマシになっていた。
夜も痛みなく眠れるようになる。

舌診:舌体暗マシ。胖嫩マシ、両舌辺の歯痕ややマシ。
   白膩苔マシ、舌根部の膩苔も若干薄まっている。
   何より舌の潤いがよく出てきた。
脉診:緩脈マシ。滑数脈も少しマシ。
腹診:心下部の邪熱もマシ。臍下の邪あるが少し緩んでいる。
取穴:前回と同様。


4月1日(木) 4診目
前回施療から1週間。
舌のバリバリはかなり落ち着いてきた。
大便の色が黒い便が薄くなってきたとのこと。

舌診:舌体やや暗。胖嫩マシ。両舌辺の歯痕。
   白苔になってきた。舌根部はまだ少し膩苔あるものの潤いも出ている。
脉診:緩滑脈。数消失。
腹診:心下部の熱感マシ。
   表在の邪が散って中脘の虚が出てきた。
   臍下の裏邪もやや表に浮いてきている。
取穴:前回同様。


4月8日(木) 5診目
前回施療より1週間。
舌の調子は良く、違和感を感じることが少なくなってきたが、
雨の日にやや違和感が強く感じる日があったとのこと。
舌がよく潤うように感じ、口の乾燥や苦味が無くなってきた。

舌診:舌体やや暗マシ。胖嫩マシ。両舌辺の歯痕少しあり。
   舌苔も舌根部以外は薄白苔になってきた。
脉診:緩滑脈マシに。
腹診:心下部の熱感なし。
   中脘の虚はまだある。
取穴:補脾して中焦を扶けていく。


4月17日(土) 6診目
前回施療より9日間空く。
舌の調子は良く、違和感も感じること無く過ごせて
雨の日の違和感も感じなくなってきた。


その後、調子良いので
施療間隔を2週間に1回で継続して施療中。
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【担当鍼灸師(為沢)より】
下焦の実熱が顕著だったのでこれを主に駆逐していき、
舌の痛みを消失することができましたが、違和感が残っていました。
現在は脾気を扶けることで舌の違和感も無くなってきております。
今回の臨床を通して、霊枢・経脈篇に載っていた
『是主脾所生病者、舌本痛〜〜』という一節を思い出しました。
自分の考察と古典がリンクすると気持ち良いです(笑)

(2021年5月25日 更新)






肘部管症候群による薬指と小指の痺れの鍼灸施療改善例

大阪府茨木市在住 Y.Kさん 70歳 男性 事務職

主訴:肘部管症候群
既往歴:肥厚性硬膜炎
    関節リウマチ
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2020年1月、右手の小指~薬指にかけての痺れを発症。
しばらくすると痺れが緩んでマシになっていたので
病院へは行かず放置していたが、2月~3月にかけて
痺れが再発し、だんだん症状がきつくなり
手を握ると痛みを伴うようになってきたので整形外科を受診する。
肘部管症候群の疑いありと診断を受け
ひとまず保存療法で痛み止めを処方され、
手を極力使わないよう指示を受けるが、
それでも改善できない場合は手術の可能性を示唆される。
しばらく痛み止めを服用し様子を見るが改善する様子はなかった。
なんとか手術は回避したい為、一鍼堂に施療を依頼される。


2020年4月24日(金) 一鍼堂来院


現在70歳。仕事は役所勤めで事務職を受け持っている。
10年前の60歳まで金融業界に勤めていたが、
定年退職後に嘱託職員として
役所に勤めるようになったとのこと。
60歳の定年退職の歳に関節リウマチを患い、
10年来 関節リウマチの薬を服用中。
関節リウマチの症状は治まっており、
炎症反応も落ち着いているとのこと。
整形外科では手は使わないよう指示を受けるが
仕事上 使わない訳にいかず、
デスクワークでキーボードを打ち込む際に
右薬指・小指の痺れが辛い。
また、握りこぶしを作る動作で痛みがあり、
当初は手指を屈曲しきった状態(グーにした状態)で痛みが出ていたが
最近は手指の屈曲し始めに痛みが顕著に出るようになってきた。

肘部管症候群ということで肘の状態を診たところ、
小海穴付近に大きな瘤があり、
痛みの改善が診られなければこれを手術で切除する予定。

幼少期から風邪によくかかり、
現在でも年に数回は風邪にかかることがあり。


食生活:食欲あり。1日3食、規則的。
    濃い味付けを好み、間食は職場でお菓子を食べることが多い。 

飲み物:氷入りの冷たい飲み物を欲する傾向あり。
    少しずつチビチビと飲む。
    毎晩ビールを飲む習慣あり。

二便:大便は1日1行。1回量は普通。
   形はやや下痢気味。

   小便は1日7~10回。1回量は普通。
   色は淡黄。
   夜間尿が毎晩2回あり。

汗:少汗。脇下や背中、足底に汗をじんわりかく。

排出物:両目ともに目ヤニがよく出る。
    水様の鼻水がよく出る。涙が出やすい。

手足:冷えやすい。

睡眠:午後22時 就寝~ 午前5時 起床
  
運動:習慣なし。通勤時に歩く程度。

舌診:舌やや尖紅。白膩苔。
脉診:濡やや枯
腹診:胃土から下焦にかけて自汗と表在に邪を診る。肝相火の邪もきつし。
弁証:下焦蓄血
取穴:足少陰経の経穴、手陽明経の経穴
施療後:少し手が握りやすくなる。
養生指導:休肝日を作ってもらい、飲酒量を減らしてもらう。




4月27日(月) 2診目
前回から3日後の来院。
施療直後に⑩あった痛みが⑤まで減少したが、
その後⑦まで痛みが戻る。
ただ、以前は手指の屈曲角度が浅いところで痛みが出ていたが、
やや深く屈曲するところで痛みが出るようになってきた。

舌診:白膩苔マシに。
脉診:濡脈マシ、やや枯脈残る
腹診:肝相火の邪マシ。下焦の邪もややマシ。
取穴:前回同様。



5月4日(月) 3診目
前回施療から1週間。
前日飲酒量が多かったが、
キーボードのタイピングの痛みは
出ても⑤になり落ち着いてきている。
右小海穴付近の瘤の大きさは変わらないが
柔らかくなってきていると報告を受ける。
手を握る動作もマシになってきているので、
趣味のサイクリングをしようと考えていると伺う。

舌診:やや黄苔。
脉診:滑脈
腹診:胃土の邪を診るのみ
取穴:前回同様。



5月14日(木) 4診目
前回施療から10日間。
施療後は痛みなく⓪で過ごせていたので、
サイクリングに出かけてみたところ、
ハンドルを握っても平気だったため、
予定より長い距離を走行してみた。
長時間のハンドルを握っていたため、
サイクリング直後は⑦まで痛みが出てしまったが、
翌日には③まで治まっている。

舌診:やや黄苔マシ。
脉診:滑脈マシ。
腹診:胃土の邪もよく緩んでいる。
取穴:前回同様。


5月25日(月) 5診目
この頃より手を握っても痛み⓪で調子良い時が続き、
痛みが出ても①で治まって右小海付近の瘤も小さくなってきた。


その後、約1ヶ月半後の7月11日(土)に診させて頂くが
痛みなく調子よく過ごしていると報告を受け
定期的な施療は卒業して頂き、
2~3ヶ月に1回ペースでメンテナンスのため施療継続中。
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【担当鍼灸師(為沢)より】
ここで紹介したのは施療から約1ヶ月の経過だけですが、
その後も痛みなく過ごされ、瘤も小さくなり
手術は回避できそうだと報告を受けました。

(2021年5月14日 更新)




オーストラリア人男性の前立腺炎の鍼灸施療改善例

大阪市西区在住 M.Cさん 36歳 男性 サービス業

主訴:前立腺炎

既往歴:なし
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2020年2月末、
夜中に下腹部が気持ち悪くなりギューっと痛みが出始め
それから尿意が異常に近くなり、20回/日もトイレに行くようになる。
身体に不安を感じ泌尿器科にかかり、
“前立腺炎”と診断を受け抗生物質を処方されるが、
痛みと頻尿が治らず、一鍼堂に施療を依頼される。


2020年3月15日(日) 一鍼堂来院


出身はオーストラリアで、
2009年から日本でパフォーマーの仕事をしており、
11年間日本に滞在している。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
職場が2月末より営業休止することになり、
現在に至るまで2週間ずっと活動休止中。
普段からトレーニングをしていたが、
下腹部の痛みや頻尿もあって
最近はトレーニングが全くできていない。

痛みの場所は会陰部から下腹部辺り。
歩いているだけで股間が擦れて痛い。
排尿時も痛みがあり辛いとのこと。

食生活:食欲あり。1日3食。
    食事量は普通。
    菜食主義者(ベジタリアン)で肉を食べる習慣はない。

二便:大便は1日1行。1回量は普通。

   小便は1日15〜20回。1回量は少量。
   色は淡黄。尿勢がなく、尿切れも悪い。
   排尿時の痛みがきつく、熱感もある。

汗:少汗だが、夜間に盗汗(寝汗)をよくかく。

手足:寒がりで四肢闕冷している。

睡眠:睡眠時間は7~8時間、
   午前0時に就寝し、午前8時に起床。
   睡眠時小さな物音で起きてしまうことがある。
  
運動:仕事のため、体は普段からよく鍛えていたが、
   下腹部の痛みのため今はできていない。

舌診:紅きつし。白苔。
脉診:浮位で弦滑脈。沈位で無力。
腹診:臍下の虚が右少腹から左少腹にかけて横長にあり、
   相対的に心下から両季肋部にかけて浮いてガチガチに邪がある。
弁証:肝経湿熱、腎陰虚
取穴:足厥陰経の経穴、足少陰経の経穴
施療後:直後は変化なし



3月19日(木) 2診目
前回施療から4日間。
歩行時の股間の痛み⑩→④に減少、
排尿時の痛みも⑩→④に減少する。
しかし、尿の回数は20回で変わらず頻尿だが
痛みが楽になった為、表情は大分晴れやかであった。

舌診:紅舌ややマシ。白苔。
脉診:弦脈マシ。滑アリ。沈位の脈力マシ。
腹診:心下から両季肋部の浮きマシになる。下焦の虚はまだあり。
取穴:前回と同様。


3月26日(木) 3診目
前回施療から1週間。
歩行時の股間の痛み④→②へ。
頻尿もマシになり、20回→7回に減る。
排尿時の痛みと熱感もマシに。

舌診:紅舌マシ。白苔もマシに。
脉診:滑マシ。沈位の脈力ついてきた。
腹診:下焦の虚の範囲が狭くなってきた。
取穴:前回と同様。


4月4日(土) 4診目
前回施療から9日間空くが、痛み②→⓪になり消失。
尿は7回〜6回の間で治まっている。
痛みが無くなってきたので、
軽くトレーニングをしてみるが
運動をしても痛みが出なくなっていた。

舌診:淡紅舌。薄白苔になりよく潤う。
脉診:やや滑脈あるが、沈位の脈力は大分マシ。
腹診:全体的にマシ。
取穴:前回と同様。


4月18日(土) 5診目
前回施療から2週間。
この間、3回ほど②くらいの痛み出るがすぐに治る。
尿の回数は6回で落ち着いている。


その後、4/28(火)と5/15(金)と診ましたが、
トレーニングで激しい運動をしても痛みなく動けて、
尿の回数も落ち着いてきたので
7診を以て定期的な施療は卒業なさいました。

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【担当鍼灸師(為沢)より】
日本に来て以来、未曾有の事態で
極度のストレスが体にあった状態でしたが、
職業柄、よく体を動かして鍛えていた為か
改善も早かったように思えます。
このように外国人の方を診ることがありますが、
施療する上で国籍や人種は関係ありません。
鍼を珍しく感じられたのでしょうか、
いつも興味津々に話を聞いてくれましたね。
しっかり効果を出せて安心しました♪

(2021年3月25日 更新)


社会人になって発症した胸郭出口症候群の鍼灸施療改善例

神戸市中央区在住 R.Sさん 22歳 女性 技術職

主訴:胸郭出口症候群
既往歴:アトピー性皮膚炎
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2020年7月中旬、
左鎖骨中央(缺盆穴付近)から肩にかけて痛みを突然発症。
しばらく様子を診ていたが、ジワジワと痛みの範囲が広がり
7月下旬には左上腕〜左手にかけて痺れが出てきた。
整形外科で診てもらい、胸郭出口症候群と診断を受け
痛み止めと湿布を処方され使用するが痛みや痺れが一向に引かず。
一鍼堂に施療を依頼される。


2020年8月28日(金) 一鍼堂来院


仕事はデザイン関係の仕事で
2020年4月から入社して働き始めたばかりだが、
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、
入社してすぐ自宅からリモートでの勤務が続く。
仕事に慣れない上に、自宅での仕事を余儀なくされ、
落ち着ける空間が職場になってしまい
気が抜けられない状態が続き今の状態に至ると伺う。

痛みは左肩から左上腕、左手指先端にかけてあり。
左手に関しては強張りと痺れもある。
左腕の挙上時の痛みと、外転時の痛みあり、
夜になると痛みが増悪するとのこと。


食生活:食欲あり。1日2食。朝は食べない。
    食事量は普通。
    間食はヨーグルトやプリンを毎日食べる。

二便:大便は1日1行。形は軟らかい。

   小便は1日4〜8回。1回量は少量。
   色は淡黄。布団に入ると尿意が近くなる。

汗:多汗。頭、額、鼻、首、腋下、背中によく汗をかく。

手足:四肢闕冷する。寒がりでもあるが、上半身は暑がり。

睡眠:睡眠時間は8〜12時間、
   リモート出勤になってから睡眠時間が大きく崩れ
   午前5時〜7時に就寝し、午後14時〜16時に起床、
   昼夜逆転の生活が続く。
   熟睡感あるが、寝つきは60分〜90分かかる。
   勤務時間は割と自由で、
   朝から出勤しないといけないわけではないとのこと。
  
運動:していない

月経:周期は28日に1回。
   月経時痛なし。
   経血量普通。鮮血で血塊なし。

舌診:紅きつし。白苔。
脉診:やや滑脈、尺位 無力
腹診:胃土に表在の邪、水分穴、石門穴、右少腹部が虚している。
切経:全体的に表在の邪実がガチガチでやや熱感を診るが
   どこも裏の虚が深い。
   陰経の熱感もあり腎経を中心に肌表の枯れ。
弁証:心腎不交
取穴:手太陽経の経穴、足少陰経の経穴
施療後:足がよく温もってくる。
養生指導:運動不足のようなので、散歩してもらう。

※注意点
特に下焦の虚が深いので、
生気が漏れないよう気をつける。


9月1日(火) 2診目
前回施療から4日間。
施療後から自宅に帰ると体のだるさが出て、
いつもより早い午前1時に就寝し、午前9時に起床。
昼間に少し散歩でき、体の軽さを実感するも
左肩から手先にかけての痛み、強張り、痺れは変わらず。

舌診:紅舌ややマシ。白苔。
脉診:やや滑。尺位の脈
腹診:胃土の邪は変わらず。水分、石門、右少腹部の虚はややマシ。
取穴:前回と同様。


9月8日(火) 3診目
前回施療から1週間。
睡眠は午前2時に就寝し午前9時に起床するようになり
昼夜逆転の生活がマシになってきた。
9月3日(木)頃より、左肩〜上腕の痛みが⑩→④と大分マシになり
手の強張り、痺れもマシになって手が動かしやすくなってきた。



舌診:紅舌マシ。白苔もマシに。
脉診:やや滑もマシ。尺位の脈力ついてきた。
腹診:胃土の邪が分散してきた。水分、石門、右少腹部の虚もマシ。
取穴:前回と同様。


9月18日(金) 4診目
前回施療から10日間空くが、
左肩~上腕の痛みが④→⓪と消失。
手も強張りや痺れなく過ごせるようになる。
また睡眠も午前0時に就寝し、午前8時に起床と改善してきた。
リモートワークは続いているが、
体が楽になってきたので気持ちにも余裕が出てきたとのこと。

舌診:淡紅舌。白苔もマシになりよく潤う。
脉診:やや滑脈あるが、尺位の脈力は大分マシ。
腹診:全体的にマシ。
取穴:前回と同様。


9月29日(火) 5診目
前回施療から11日間。
仕事が多忙になってきているが、
痛みや強張り、痺れが出ずに過ごせている。
また、睡眠も午後23時に就寝し午前7時には起きられるようになってきた。

その後、間隔を空けながら施療を施すも、
痛みや強張り、痺れの症状出ず
2020年12月 9診を以て施療を卒業されました。
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【担当鍼灸師(為沢)より】
表面的には肝鬱気滞の所見が多かったのですが、
それはあえて放置し、心腎の陰分を扶けることで
陽気の昂りが収まり昼夜逆転が改善し、
症状が寛解するのも早かったように思えます。

(2021年3月18日 更新)





特定の匂いに過敏に反応してしまう嗅覚障害の改善例

大阪府四条畷市在住 K.T様 42歳 男性 自営業

主訴:嗅覚障害
既往歴:なし

2019年11月18日(月)
施療依頼のメール

主人の事です。
周囲の人間は感じないのですが、
本人だけ何らかの臭いを感じ頭痛や吐き気をもよおします。
特に3年ほど前から同居する私の母の臭いが嫌だ。
家中この臭いで私や子供にも
臭いがうつっていると言っていて辛そうにしています。

母と同居を始めて10年ほど経ちますが、
突然私にそういう事を言い出しました。
振り返ってみると、私が知る限りですが、
12年ほど前から人混みなどで、
自分の苦手な臭いがあると頭痛や吐き気をもよおしていました。
それがここ3年ほどは家族の臭いがダメなようです。
耳鼻咽喉科の受診も考えておりますが、
自営業で月~土まで仕事をしており、
なかなか病院に行けない状況です。
それから市販の衣類用洗剤やファブ○ーズの臭いは平気です。
主人が帰宅すると不機嫌になり、
私と臭いの事でケンカになってしまうので本当に困っています。
私や子供達はそんなひどい臭いを感じませんし、
家に遊びに来る友人も普通です。
日曜日の午前中でしたら伺えますので、
一度診て頂けないでしょうか。
よろしくお願い致します。


上記の依頼を受け、
2019年11月24日(日) 一鍼堂来院。


現在、Tさんと奥さん、子ども2人とTさんの72歳になる母親
合計5人で生活している。
同居して大分経つようだが、
3年前から母親の体臭を敏感に感じるようになり、
腐ったような匂いが家中に充満して辛いようだが、
奥さんと子ども2人は何も感じず、
来客する人も何も感じないとのこと。
他の匂いも敏感なところがあるか?と問診したところ、
甘い匂いにも敏感と伺う。

食生活:食欲あり。1日3食。間食はなし。
    食事はバランスよく摂っている。
    毎日飲酒する習慣アリ。
二便:大便は1日1行、形は普通か軟便。
   小便は1日4~5回。
汗:多汗。全身によく汗をかく。  
睡眠:睡眠時間は6~7時間、午後23時(就寝)~午前6時(起床)
   熟睡感あり。寝つきも宜し。  
運動:風呂と流し台のリフォームの仕事をしているため、
   力仕事が多いのでよく体は動かす方。


舌診:紅、白膩苔
脉診:浮滑弦脈、沈位の脈が弱い
腹診:両肝相火の邪がきつい。
   臍周に表在の邪を診ると同時に臍の上(水分穴)の虚が深い。
切経:全体的に気滞がきついが、
   足陰経に自汗と虚の反応を診る。

弁証:肝鬱気滞
取穴:手太陽経の経穴、足闕陰の経穴
施療後:特に変化は感じず。
養生指導:毎日の飲酒をペースダウンしてもらう。

※注意点
肝鬱気滞と別に脾気の弱りがあるが、
気滞を散らすことで、脾気が建つかを様子を診る。



12月1日(日) 2診目
前回施療後は体の変化は無かったが、
施療翌日の朝から体がスッキリした感覚があり、
仕事中も軽快に動けるようになる。
仕事から帰宅した際に母親の匂いを感じることが無かった。

舌診:紅マシ、白膩苔ややあるが初診時より潤っている
脉診:浮弦消失、滑脈はあり。沈位の脈が少し力出てきた。
腹診:両肝相火の邪よく緩む。
   臍周に表在の邪がよく散っている。水分穴の虚もマシ。
取穴:前回と一緒


12月8日(日) 3診目
前回施療から家の中の匂いを感じることなく1週間過ごせた。
同伴の奥さんから見ても雰囲気が変わったと話を聞く。

舌診:淡紅、舌根部やや白膩苔
脉診:滑脈マシ。
腹診:右脾募に表在の邪あるが、他はマシになってきた。
取穴:前回と一緒
経過良いため、次回2週間後に来てもらう。


12月22日(日) 4診目
前回施療から2週間空くが経過良く、
家の中の匂いを感じることなかった。
年末年始が立て込むようなので1ヶ月後に予約取られる。


2020年1月19日(日) 5診目
前回施療から約1ヶ月。
家の匂い感じずに過ごせたとのことで、
今回を以て定期的な施療を終了。
(その後、4月にもメンテナンスで来られましたが経過良く過ごされてました。)


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【担当鍼灸師(為沢)より】
初診時から施療効果良くいきました。
気滞の背景に、十数年前から自営業になって
四六時中考え事することが多くなり、
気滞が募ってしまった状態がありました。
お酒を毎日飲むようになり
湿邪による内熱がこもり、脾もひどく弱ってしまいましたが、
気滞を散らすことで気機がよく巡り
飲酒もペースダウンしてもらったこともあって
脾気が建つのも早かったように思います。

(2021年2月19日 更新)


過度のストレスからくる本態性振戦の改善例

神戸市中央区在住 M.Fさま 36歳女性 会社員

主訴:本態性振戦
既往歴:子宮内膜症、チョコレート嚢腫


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2018年3/24、初診。
【本態性振戦】
2016年2月から、
頭部、指先の振戦を発症する。
同時期に過度のストレスを感じることがあった。
その後、徐々に症状が悪化し、
仕事や日常生活の動作にも支障が出始めたため、
2016年夏頃から服薬を開始。
服薬するとある程度症状は抑えられるものの、
服薬しなければ症状が出るため、
根本的な改善を望まれ、一鍼堂へご来院される。




増悪因子
・緊張時
・業務中

服薬はお仕事がある平日に、
2種類を一錠ずつ服用。

舌診:舌色は舌辺に青、やや老
脈診:脈幅の狭し
腹診:腹部全体に邪実をまとい、中脘の虚が深い
弁証:気滞血瘀
施術後:脈幅に広がりが出てくる。

3/31(2診目)
前回施術後より、
1週間の間で振戦の予兆が一度のみだった。


4/7(3診目)
自覚的に大きな変化はなかったが、
ご本人も気にされていた
舌色:青舌
が大分マシになってきたとのこと。

4/21(4診目)
薬を飲まなくても振戦の症状が出なくなってきたので、
意識的に薬の量を減らしているとのこと。

4/28(5診目)~5/12(7診目)
この期間、
振戦の症状が出ても、週に一回程度になる。

5/19(8診目)
振戦の症状なし
(服薬もなし)

その後も施術の間隔を空けながら加療中・・・

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【担当鍼灸師(新川)より】
過度のストレスにより、
情緒の乱れが起こり、肝気の鬱滞へ。
肝鬱から、気滞、血瘀、化火などが生じ、
その結果肝風となり、頭や指先の揺れにつながったと診立てました。

また、日常的に飲酒されることで、
脾を傷つけ、さらに痰飲が形成されやすい状況となり、
そのことが肝風の状態を助長していたようです。

以前、通われていた治療院では、
約一年ほどの通院でも効果を感じられなかったため、
「まずは数診やってみて変化があれば続けてみましょう」とお伝えしました。
ご本人も気にされていた舌の青みが取れていき、
暫くすると症状の変化も出てましたので、
「舌」と「五臓六腑」の関係を説明させていただくと、
その後も納得して施術を受けて頂けました。


(2018年 6月 23日 更新)




10年以上続く肌のトラブルを鍼灸で改善

大阪市北区在住  Y.N様 26歳 男性

主訴:ニキビ(尋常性痤瘡)
既往歴:粉瘤
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2018年3月6日 初診

主訴:ニキビ(尋常性痤瘡)



中学生から顔を中心に症状が出始める。
20代から背中にも広がるようになり、
特にストレスがかかると、過食し、その後症状が悪化する傾向あり。
2017年12月に粉瘤の状態が悪化したため、外科手術を行う。
2018年1月に皮膚の状態が悪化したため皮膚科を受診。
ステロイドを処方され一時的に寛解するが、
根本的な改善を希望されご来院される。

主な患部:胸部、背部
状態:丘疹や膿疱が形成され、患部全体に肌のべたつきがみられる。

舌診:胖嫰
脈診:滑
腹診:胃土の虚、臍周に湿が絡む

四診合算の結果、 「脾気虚」と考察し、施術を行う。
施術後: 背部の肌のべたつきが引いてくる

2診目(3月10日)
前回治療後:背部のべたつきが抑えられていた。

3診目(3月16日)
前回治療後:背部の丘疹や膿疱が一部分枯れてくる。
背部のべたつきが大分取れたが、胸部にまだ残る。

4診目(3月23日)
前回治療後:胸部のべたつきもましになる。

5診目(3月30日)
前回治療後:胸部の丘疹や膿疱が少なくなる。
この頃から慢性的な下痢が治まってくる。



・・・・現在も引き続き加療中。

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【担当鍼灸師(新川)より】
飲食の不摂による脾の弱りがあり、
同時に心も養われなくなっておりました。
健脾 を行い、心に気血を充実させることで、
主に背中の「にきび」の状態から、紅味が引き、
にきびの大きさや個数も少なくなっていきました。

症状の特徴であった「肌のべたつき」「下痢」も徐々に薄らいでいきました。
一時的に、脂ものやお酒が多い際は、症状が悪化することがありましたが、
処置をした次の週には状態が落ち着き、安定しやすくなっておりました。
背中と比較すると胸の状態が不安定な部分もありましたが、
5月25日現在、
胸部のにきびの範囲の減少がみられ、そちらも改善へ向かっています。

(2018年 5月 26日 更新)





腓骨神経麻痺による下肢の痛み・痺れの早期改善例

大阪市東淀川区在住 T.K様 45歳
主訴:腓骨神経麻痺

【2018年 1月21日(日)一鍼堂来院】
2017年の秋頃に全身疲労を主訴に診ていた患者さんで、
5診で改善されたのでしばらく様子をみていた。
その時は無職で求職中だったが、今回はアルバイトを2つ始めたそう。
朝はファミリーレストラン、
日中は家々にチラシ配りなどのアルバイトを掛け持ちしている。

症状の経緯:
1月半ばに脚の痺れを発症。
しばらく様子をみていたが、症状が改善しないので整形外科へ。
腓骨神経麻痺と診断を受け痛み止めなどを服用するが一向に改善せず
アルバイトがどちらもよく動く仕事のため、
働けなくなって辞めてしまわないといけないことが怖くなり
以前お世話になった当院での治療を依頼された。

症状は朝 寝起きから患部が転筋していることが多く、
しばらく動くとマシになる。
ファミリーレストランの勤務時間がAM6:30〜AM10:00。
チラシ配りの勤務時間がPM14:30〜PM16:30。
チラシ配りのアルバイトはまだ自分のペースでできるので良いが
ファミリーレストランの勤務がバタバタして足腰が辛く、
動きが鈍いとよく上司に怒られてしまうとのこと。

生活状況を問診すると、
朝のアルバイトが早いため、AM5:00過ぎには起きるが
いつも夜遅くまで起きてしまうため、睡眠不足が続いている。

舌診:紅舌、舌辺ハゲ
脈診:やや弦脈
腹診:臍周の邪がキツシ、気海の虚
考察:肝腎陰虚
取穴:足厥陰肝経と足少陰腎経の経穴
治療後:歩くのがマシになったとのこと。
養生指導:夜更かしせず、早く寝るように指導


1月22日(月) 2診目
前回治療後から脚の痺れが⑩→②に軽減。


脚の力も入り易くなってきた。
舌診:紅舌マシ、舌辺ハゲもマシに
脈診:やや弦消失
腹診:臍周の邪もマシに。気海の虚やや埋まる
取穴:前回と同様


1月25日(木) 3診目
脚の痺れ②→①に。
アルバイトも軽快に動けるようになり
上司に怒られることも減ってきた。
アルバイトも辞めずに済みそうで安心した様子。
治療効果に満足されたので、
3診を以て卒業される。
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「去年の秋に全身疲労で御体を診させて頂き、
体が元気になったのを機に、急に2つ掛け持ちで
アルバイトを始めたことで御体に無理がたたり、
今回の症状に至ってしまったようです。
秋の時点でもっと御体強く仕上げておけば、
もうちょっと無理はできたでしょうが、
急に2つ掛け持ちで頑張り過ぎちゃいましたね(笑)
他にもこのような患者さん よくいらっしゃますが、
元気になったからといって急に無理をしないことが
養生の大事になります。」

担当鍼灸師:為沢

(2018年 5月 7日 更新)





胃癌による胃の全摘出後の体調管理の症例

大阪府在住 匿名希望様 40代
主訴:胃癌

病歴:
平成27年10月 胃癌切除術(半分)
以後、定期的な検査にて経過観察

平成29年7月 スキルス胃癌ステージ4、
腹膜は腫診断

同年9月 抗がん剤治療開始

現在、3クール目で、治療効果期待あり、
早ければ今月の胃カメラの結果次第で末頃に入院、
腹腔鏡で腹膜再度調べ、効果認めればそのまま胃全摘出予定

【困っている症状】
副作用で食欲不振と倦怠感あるが、
現在は回復傾向。免疫力を高めたい。
冷え性と貧血傾向を改善したい。
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上記の相談を頂き、2017年11月12日(日)来院

携わっていた仕事は2017年8月に退職。
9月より抗癌剤治療開始。
抗癌剤の副作用の影響により、
食欲不振と倦怠感がきつくなり、
もともとあった冷え症がひどくなって
施術室にいる時もかなり寒がっている様子。
身長は162cm 体重は44kg。
本人の自覚では47〜48kgくらいがベスト体重とのこと。
11月17日の胃カメラでの検査結果次第で
11月末に入院し、胃の全摘出の予定と伺う。

舌診:淡紅、色あせ
脈診:緩脈とやや滑脈
腹診:胃土に円形で大きな虚あり
切経でも脾胃の情報が顕著に虚している。
取穴:足太陰脾経、足厥陰肝経の経穴
治療後:置鍼中からポカポカ気持ち良くなる。


11月14日(火) 2診目
前回治療後、その日の夕方以降に一身だるくなる。
よく力が抜けた様子。
冷え症あるが、マシな時間も出てきたとのこと。
舌診:淡紅、色あせマシ
脈診:緩脈少し形出てきて、滑もマシになる。
腹診:胃土の円形の虚の範囲がマシに。
切経でも脾胃が建ってくる。
取穴:前回と同様の施術。


11月16日(木) 3診目
15日にCT検査をするが経過は良いとの診断を受け、
12月頭に入院し、胃の全摘出を行う予定となる。
経過は、食欲が出てご飯が美味しくなってきたとのこと。
腹診:胃土の虚が任脈上に縦に出てきた。


11月23日(木) 5診目
調子は上向き。
食欲も出てご飯の量増やしてみるが問題なかったとのこと。
脈診:やや滑脈
腹診:胃土の虚が埋まってくるが心下〜脾募にかけての邪あり


11月30日(木) 6診目
胃の調子が良いので
脂っこいもの(ハンバーグ・ポテトフライ)を食すると
案の定、消化不良を起こす。
胃の全摘出前に食べたかったとのこと(笑)
脈診:滑脈
腹診:心下〜脾募〜胃土にかけて表在の邪をみるようになる
過食を控えるよう戒める。


12月1日入院

mailにて経過報告:
昨日(12月4日)、予定通り胃全摘術が終わりました。
胃表層部と腹腔内のガン細胞ほ消え、
取り出した胃の深い部分の細胞は、結果待ちです。
水分は明日から、食事は明後日から摂取予定です。


mailにて経過報告:
今朝(12月7日)から三分粥がスタートし、
五分粥→七分粥とアップしていきます。
今朝は7割程摂取。喉がグゥグゥと活発に動いてますが、
吐き気やゲップはありません。
腸も良く動いてます。
順調に行けば、11日退院との事です。


12月11日退院


12月12日(火) 7診目
退院後は分割食で食事を摂取しているとのこと。
体重は42kgまで減少。
次回12月20日に検診し、また抗癌剤を再開する予定。
舌診:淡白気味
脈診:濡緩 脈力が弱い
腹診:開腹した為、胃土の虚があるが、
   下焦の虚が目立っている。
切経においても下焦の虚が著しいので補腎を加える。
治療後:ポカポカよく温もり気持ちよいとのこと。


12月14日(木) 8診目
開腹した痕が痛み少しあるが、
食欲旺盛になり分割食では物足りないくらいお腹が空くようになる。
舌診:淡白マシ
脈診:濡緩・脈力マシに。
腹診:下焦の虚もマシに。
取穴:前回同様。


12月18日(月) 9診目
引き続き食欲旺盛。
体重45kgまで増えてきた。
20日から抗癌剤の服用を再開予定。
舌診:淡白マシ
脈診:濡緩・脈力マシに。
腹診:下焦の虚もマシに。


12月22日(金) 10診目
抗癌剤再開により少し吐き気が出るようになり、
だるさと眠気が出てきた。
体重は46kg。
舌診:やや淡白気味
脈診:緩脈
腹診:下焦の虚はマシだが、胃土の虚が出てきた。


12月26日(火) 11診目
体の倦怠感あり重たい。
足が特に動き辛いとのこと。
ただ、抗癌剤の副作用だけでなく、
食欲旺盛のため、クリスマスにピザを大量に食したとのこと。
舌診:やや淡白気味
脈診:浮滑脈
腹診:胃土において表在は邪あるが裏の虚あり。


2018年
1月9日(火) 12診目
正月中過食してしまい、下痢が続いたとのこと。
下半身が浮腫。
体重は45.6kg。
舌診:やや淡白マシ
脈診:浮滑脈
腹診:胃土において表在は邪あり、裏の虚はマシ。

1月16日(火) 13診目
10日(水)病院にて点滴の抗癌剤を受け、
抗癌剤の内服薬を2週間続ける。
気分が落ち込み、食欲不振に。
両手がピリピリして冷える。
体重43kgに減退。
舌診:淡白気味に
脈診:緩滑脈
腹診:胃土の虚が任脈上に縦にあり。下焦の虚はマシ。


1月19日(金) 14診目
足重いのが続いているが気分はマシ。抗癌剤服用中。
舌診:やや淡白マシ。
脈診:緩滑脈もマシ。
腹診:胃土の虚もやや埋まってくる。


1月23日(火) 15診目
足の重さマシに。




その後、2週間の抗癌剤を服用期間と
抗癌剤を服用しない期間を交互に繰り返し、
抗癌剤の服用期間中に体調崩す傾向にあるが、
体重の減少が少なくなってきた。

2月〜4月は週1回ペースで診ても体調崩すことなく過ごせるようになり、
3月からは週2日で事務の仕事ができるようになる。



4月10日現在、
体重は47.7kgで体脂肪もよく付いてきた。
病院の医師からは、
「胃の全摘したら体重が減少するのが普通なのに増量するなんて珍しい」
と言われ不思議がっていたとのこと。
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「東洋医学は形に拘りません。
形が歪でも機能が充実していれば問題なしとみるため、
胃を全摘し形は無くなったとしても、
胃の気の作用は体内に残ると東洋医学では考えております。
何のこっちゃ?と思われるでしょうが、
例えば、事故で手を失っても 手が残っている感覚があったり
有るはずのない手に痛みを感じる"幻肢痛"という現象があるのですが、
これも"形が無くなっても、気による機能や感覚が残る"から
出てくる現象になります。

抗癌剤を服用する度に胃の気を弱らせることがありましたが、
胃の気を扶けることで胃が働きが出てくれば、
お腹が空いて食欲旺盛になり
健康的に食せるようになれば体脂肪も体重も自ずと付いてきます。

形は無くとも機能を活かすことで体も健全になる
東洋医学の醍醐味が出た症例かと思われます。」

担当鍼灸師:為沢

(2018年 4月 10日 更新)



耳下腺癌手術後の体調不良を鍼灸で改善させる。

大阪府枚方市在住 M.N様 64歳 女性 サービス業

主訴:耳下腺癌手術後の体調不良
既往歴:嗅神経芽細胞腫、糖尿病

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2017/7/10 、
以前から来院なさっている娘さんの紹介で来院。
2ヶ月後に癌摘出手術を控えているため、
そちらに向けての体調管理や食欲、睡眠の改善を
目的に診させて頂く。

四診より、
脾胃の弱り、気滞血瘀と考え施術。
施術翌日から調子がよく、
食欲が戻ってきたりするも、
検診の結果、
急遽7/31に手術を行うこととなる。
その為、入院等が必要となり、
一旦 鍼灸施術は中断し、術後に再開する方針となる。

10/19、2診目。
手術は無事終わり、
医師からは術後の経過も良いと言われる。
ただ右顎(耳下腺付近)に痛みを感じ、
食事が摂れない日が続き
体重も44㎏→35㎏まで落ちてしまう。
四診より、
脾腎を建てなおすように施術。

11/2、3診目。
前回後から痛みが緩解し、
同時に固形物も食べられるようになる。
施術は前回同様。

この後、
体調は安定し、2週に1度のペースで来院。
12月の検査では、
癌の経過もよく、また糖尿の数値も下がってきたとのこと。

今年に入ってからは
お仕事にも復帰され、
体調良く過ごされております。
また現在も、月1度のペースで
御体を診させて頂いております。
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【担当鍼灸師(下野)より】
娘さんからは
随分前からお話を伺っており、
もし癌治療に良い影響を与えるのであれば、
とのことで診させて頂きました。
実際、術後の症状もすぐに治まり、
体調も徐々に以前の様に戻りつつあるようです。

今後は、
癌の再発がないよう、
引き続き施術を重ねて参ります。


下野

(2018年3月17日 更新)

4〜5年前から改善しない眼筋麻痺による瞼の開閉困難の鍼灸治療改善例

大阪府吹田市在住 H.M様 48歳 女性
主訴:眼筋麻痺
既往歴:四十肩
    左足血栓
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【2017年11月27日(月)、一鍼堂来院。】


4〜5年前に眼筋麻痺を発症。
経緯を聞くと、
当時 御主人の父(義父・83歳)の面倒をみていたところ、
義父の体調が悪化し病院へ救急搬送。
ICU(集中治療室)で治療を受けたところ、
腸閉塞と肺炎を患っており、しばらく入院することになり、
入院中も病院へお見舞いなど忙しくされていた。
義父の調子が良くなり、退院になった時に
左眼瞼の強張りを感じるようになる。

緊張すると瞼が閉じにくくなり眼瞼がピクピク痙攣する。
閉じた後は、開き辛くしっかり開かず
図にあるよう常に「半目」の状態になる。

舌診:やや暗紫舌、白膩苔
脉診:右緩数、左全体弱
腹診:石門・関元付近の虚が深い
考察:肝脾不和
取穴:足厥陰経の経穴、足太陰脾経の経穴
治療後:目の周りがよく緩んできた。

11/30(木) 2診目
前回治療後、眼瞼のピクピク動く痙攣は変わらず。

舌診:やや暗紫舌変わらず、白膩苔が少しマシに
脉診:右やや数脈(緩脈マシ)、左全体弱変わらず
腹診:下焦の虚変わらず。
考察:肝脾を和してもやや脾が建った程度で大きな変化なし。
裏に瘀血らしき反応が診られるので、活血化御を施す。
治療後:視界がややクリアになる。

12/7(木) 3診目
前回治療後、目の痙攣出ても短時間になったとのこと。
痙攣があっても自分で気付かないくらい弱くなってきた。

舌診:暗紫舌マシに。
脉診:右やや数脈マシ。左も脉力やや出てきた。
腹診:石門・関元付近の虚、埋まってくる
施術:前回と同様の配穴

その後、12/14(木)6診まで現状維持。

12/18(月) 7診目

瞼の開きはマシになってきたが、
瞼を閉じると外側に引っ張られる感覚が出てきた。
腹診:下焦の虚埋まってきたが、心下〜胃土の邪が出てきた
施術:配穴を変え、督脈の経穴1穴に。

12/21(木) 8診目
外側への引っ張りは大分マシになり、
右瞼もモヤモヤするようになってきた。
治療経過で、患側がマシになっていく中、
健側に症状が移ることがあり、
シーソーのように左右にコロコロ症状が移り変われば
予後良好なことが多いことを説明。
腹診:心下〜胃土の邪もマシに。
施術:前回と同様。

その後、経過は順調に。

2018年
1/5(金) 11診目
両瞼共に経過良好だが、
左の頸〜肩にかけてのひどい凝りが出てきた。
眼筋麻痺の症状が出る前の初期症状に似ているとのこと。
病が瞼から頸〜肩に移ってきた模様。
これも経過良好な方に診られる経過で、
病になって今まで歩んできた道程を戻るように、
治療を重ねていくと初期症状に戻ってくることがある。
施術:前回と同様。

1/8(月) 12診目
両瞼、頸〜肩の凝りも消失。
経過良好になる。

その後、現在3月まで週1回ペースで診ているが、
眼筋麻痺の症状出ること無く経過順調に過ごされる。
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「症状の変化に戸惑う方もいらっしゃいますが、
この症例のように治療を重ねることで
病の表現も変わることはよく見受けられます。」

担当鍼灸師:為沢

(2018年 3月 15日 更新)




デリケートなお悩みを解決!体臭の鍼灸治療症例

大阪市淀川区在住  Y.A様 40歳 女性 

主訴:体臭
既往歴:肛門括約筋不全

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2017年9月9日 初診
主訴:体臭 7年前に転職された頃から発症する。
特に、緊張し発汗した後に 上半身を中心に体臭を自覚する。
また自覚症状だけでなく、 仲の良い友人からも時折指摘されることがあるとのこと。 転職してからの生活習慣や環境として、 人前で話すことが多くなり、
また遅くまで勤務することが増えたため夕食が遅くなり、
以前と比較すると外食やコンビニなどの食事が増えたとのこと。

また、同じような時期から、 足先の冷えが目立つようになる。



舌診:やや胖、舌中央に裂紋あり、白苔
脈診:濡
腹診:胃土に停滞あり
考察:過度の緊張で肝(胆)の経気が滞り、飲食不節により湿熱を帯びることで、     肝鬱気滞に湿熱が合わさった状態とみる
施術後:一身が温もってくる。

2診目(9月15日)
前回施術の翌日は、
体臭を感じるものの
休日だったせいもあり『いつもより感じ方が和らいだ』とのこと。
また、施術後から足に血が通い出す感覚が出てくる。

しかし、 週明けから仕事が始まると、 「酸っぱい臭い」の体臭を感じる。
前回と同様に処置を施す

3診目(9月22日)
身体全体が温もっている感覚が続き、
平日に人前で話すことがあったが、
以前より 『緊張しても発汗することが自体が減った』とのこと。

5診目(10月6日)
1週間のうち、 体臭を感じる時間に波が出てくるようになり、
週の内、3〜4日は感じない日が出てくる。

6診目(10月13日)
体臭を感じても、 以前より強い臭いではなくなってくる。

8診目(10月26日)
1週間通して、『体臭を感じなかった』 。
この頃から、体臭が出ない時間が安定的に増えてきたが、
極端に緊張した際に、体臭を感じることがあるため、
【疎肝】を中心に施術方法を組み立て直す。

年末に重要な業務があり、 それに向けて準備が忙しくなるとのこと。
食事も不規則になるようなので、
引き続き1週間に一度のペースでご来院いただく。
年末にかけて、 忙しい時期が続いたが、
ほぼ体臭を感じることはなくなった。

さらに 17診目(12月29日)〜20診目(2018年1月19日)まで
体臭を感じる事が一度もなかったとのこと。
その後も、 定期的に加療中・・・
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【担当鍼灸師(新川)より】
過度の緊張と、飲食の不節からくる体臭と診立てました。
仕事上、人前でお話しすることが多く、
(ご本人曰く、元々あまり得意ではないそうです)
日々かかる負担をいかに和らげていけるか、
またそのような負担がかかっても
損傷を受けない体質に変えていけるかが ポイントとなりました。
お仕事が忙しくなると、
夜遅い食事が増え、 胃腸への負担も増えてくるので、
その時期は趣味の甘いものの食べ歩きも
控えていただくようにお願いしておりましたが、
しっかり約束を守っていただいたのも症状の安定につながりました。

(2018年 2月 24日 更新)





骨折後の後遺症の改善もお任せあれ!
足関節複雑骨折後の浮腫の改善例

大阪府枚方市在住  E.U様 60歳 女性 会社員

主訴:足関節(足首)骨折後の後遺症
既往歴:子宮体がん、骨盤腹膜炎

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当院の患者さんである旦那様のご紹介で
2017年1月14日来院

主訴:足関節(足首)骨折後の後遺症

【骨折の経緯】
2016年12月13日
ゴルフのラウンド中に、
右足関節(足首)の
外踝(外側のくるぶし)と
内踝(内側のくるぶし)を複雑骨折される。



同年12月28日から車椅子に乗りながら復職。

現在、一ヶ月ほど経つが、
・患部周辺の痛み
・浮腫(むくみ)
が続くとのことで依頼をいただく。

特に
・浮腫(むくみ)
が気になるとのことで
そちらを主訴として施術を行う。

初診
【脾の運化不利】【気滞血瘀】
と診立て施術を行う。

【2~4診目】
主な変化
終日、浮腫(むくみ)をかんじていたのが、

起床時からAM10:00過ぎまでマシ
       ↓
起床時から夕方までマシ
       ↓
終日、安定するようになる。

と緩解している時間が増えてくる。
またこの時期に
患側の足首に荷重をかけられるようになってきたとのことで、
車椅子→松葉杖へ となる。

【5診目~10診目】
膝から爪先にかけて
全体的だった浮腫(むくみ)の場所が変化してくる。




【11診目~15診目】
かかりつけの病院の医師から
経過が順調なので、
・ジョギング
・ゴルフのスイング
ならば行ってもよいと診断を受け、
また秋頃に予定していた
「患部のプレート除去」もお盆の時期に早めることになった。

【15診目~26診目】
お盆に予定通りプレート除去手術を行う。
それ以降は、積極的に運動を行い、
9月中旬には、
山道を40分ほどかけてハイキングされるまで改善される。

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【担当鍼灸師(新川)より】
骨折後の後遺症という事で、
浮腫(むくみ)の改善を中心に進めていきましたが
結果的に、骨折自体の治癒にも貢献出来たかと思われます。

主な方針として、
【脾の運化不利】【気滞血瘀】を中心に重ねていきました。
治療当初は施術の度に、
患部にビリビリとした気の流れを感じ、
一連の流れが鎮まると、足がスッキリするといった現象が起こっておりました。
ご本人さんからすると、不思議な現象なので、
しっかりと説明させていただくと安心されておりましたね。

(2018年1月27日 更新)




半年治らない口内炎の鍼灸治療

大阪市中央区在住 K.Uさん 17歳男性 高校生

主訴:口内炎

<来院の経緯>
現在(2017年9月1日時点)、高校三年生。
今年に入ってから口内炎が出来る様になり、
一気に3つほどできて治りが悪い。
また治ったとしても、
1週間ほどで新たな口内炎が出来上がる。
その影響で、食べ物を摂るや会話も辛くなり、
勉強にも支障が出てきてしまうほど。
当院受診中のお母さんからの紹介もあり、来院となる。

2017年6/28、初診来院。
口内炎は部活を引退してからの方が多く、
また同時に食後の腹痛も出やすくなったとのこと。
舌診:紅舌で、舌尖にかけてきつくなる。
脈診:緩脈で沈位に有力な滑あり。
腹診:全体的に腹壁は緊張し、臍下が特に堅い。
瘀血証と診立て、
足厥陰経と足太陰経の経穴に刺鍼。
舌・脈・腹・切経の施術前後の状態を確認し、
初診は終了。

7/3、2診目。
初診の翌日から口内炎の痛みが引き、
2日後には3つ → 1つになる。
また初診の夜に鼻血がよく出てスッキリする。
舌診:紅舌マシ。
脈診:緩脈で沈滑脈は浮いてくる。
腹診:全体的に腹壁は緊張はあるが、臍下の堅さはマシ。
診立ては変えず、また使用経穴も同じ。

7/8、3診目。
口内炎自体が消失する。
舌診:紅舌〜淡紅舌に。
脈診:緩脈やや滑脈。
腹診:腹壁の緊張はマシで、臍下も気にならず。
診立ては変えず、また使用経穴も同じ。

7/17、4診目。
症状が出ることがなく順調にきていたが、
前日の夜から口内炎が唇に一つできる。
舌診:紅舌で、白苔。
脈診:緩滑脈。
腹診:臍下に堅さあり。
診立ては変えず、
ただ使用経穴を足太陰経、足少陰腎経の経穴に変更。

7/26、5診目。
口内炎は3日で引き、以降は全く問題なし。
舌診:淡紅舌。
脈診:緩脈であるが、やや沈んでいる。
腹診:臍下の堅さ無し。
診立ては変えず、また使用経穴も同じ。

8/7、6診目。
口内炎は全く出ず、体調も宜し。
舌診:淡紅舌。
脈診:やや緩脈。
腹診:全体に弾力あり。
診立ては変えず、また使用経穴も同じ

6診目以降、症状は出る事はなく、
順調に経過を過ごされております。
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「受験を控えていることもあり、
3年生になってからは部活、勉強と
頑張って来たようです。
来院当初は睡眠不足が多く、
それによって症状が出て来る事もありましたが、
体調を重視する生活習慣を心掛けてもらうように
ご本人さんにお話しを
症状が安定するまでは規則的な生活リズムで
過ごしてもらえたのも、早期改善に繋がったと思います。」


担当鍼灸師:下野
(2017年9月15日 更新)

手足に発症した乾癬!!
長年 皮膚科の治療でも改善されなかった乾癬の鍼灸治療改善例

大阪市淀川区在住 Y.N様 76歳 女性
主訴:乾癬
既往歴:肋膜炎

【2017年5月26日 一鍼堂来院】





主訴は乾癬。
上画にあるように両手足の紅みと肌荒れがきつい。
特に左手の外関付近を中心とした前腕の乾癬がきつい。
足の内側にも乾癬はあるが、症状としては比較的マシとのこと。
約2年間ほど皮膚科より処方されたステロイドの塗り薬を塗っているが、
改善が診られないため違う治療を求めて一鍼堂に来院される。

舌診:やや老舌、舌辺ハゲ、白膩苔
脈診:滑やや弦
腹診:両天枢虚、臍下の邪実きつし
考察:瘀血証
取穴:足太陰脾経の経穴
治療後:全身の力が抜け脱力感あり。


5月29日(月) 2診目
前回治療後、脚の紅みは少しマシだが、両手の乾癬は変わらず。
舌診:やや老舌変わらず、舌辺ハゲ、白膩苔→白苔で少しマシに
脈診:滑やや弦→滑のみ(弦消失)
腹診:両天枢虚変わらず、臍下の邪実少しマシ
瘀血は解けてきて脚の乾癬はマシだが、
手の乾癬について根が深そう。
考察変えず初診時と同じ取穴で刺鍼する。


6月5日(月) 3診目

手足共に大きく変わらず。
普段出ていない前額面に乾癬が出たとのこと。
舌診:やや老舌ややマシ、舌辺ハゲ変わらず
脈診:滑やや弦
腹診:両天枢虚やや埋まる
症状に大きな変化は出ていないが、
四診では変動が出てきている。
活血化瘀と同時に腎気を補う。


6月12日(月) 4診目
症状変わらず。
舌診:老舌マシ
脈診:滑
腹診:両天枢虚埋まり季肋部に邪が出てきた


6月19日(月) 5診目

前額面の乾癬が引いてきた。
手足の乾癬も少しマシかなと自覚される。
脈診:滑脈マシに。
四診で瘀血の所見が無くなってきた。
切経でまだ脾が思うように建っていないので
補腎と共に補脾も重ねる。

7月3日(月) 7診目



両前腕の乾癬がマシになってきたが、
それと反比例して脚の紅みが出てきた。
症状に波が出てきている。





その後も週に1回ペースで治療。





8月14日(月) 12診目



両前腕、両下肢の乾癬大分治まりお肌も綺麗になってきた。

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現在も週1回ペースで治療継続中。
「瘀血の停滞がひどかったですが、
解けてきてから症状の変化が大きく出てきました。
今は脾腎を扶けることで大分経過良く来ていますが、
まだ飲酒をすると紅みが出るので、
脾腎の状況に注意し現在も治療を重ねています。」

担当鍼灸師:為沢

(2017年9月8日 更新)





早期に改善した両耳の低音性難聴の症例。

兵庫県尼崎市在住 T.H様 26歳男性 サービス業

主訴:低音性難聴
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2016年3月、
仕事中に右耳に高音の耳鳴りを感じ、
その後テレビやラジオの音が聴こえなくなる。
耳鼻科では低音性難聴と診断され、
投薬による治療をするものの改善はなく、
2017年5月には左耳も発症する。
日常生活の支障は右耳同様に
テレビやラジオの音が聞こえないことだが、
人の声が聴こえなくなるのが怖い為、
鍼灸での改善を試みる。

2017年 5/22来院。
耳の症状以外に、
平素から汗が異常に多くて不快とのこと。
舌は紅舌きつく、少白苔。
脈は沈んで緩細脈。
お腹は両相火、臍周が堅い。
切経も含め四診より
根底に脾胃の弱りがあり、
そこにストレスやそれを発散するように
過食があったことから気滞が生じ、
血瘀になったと考え、
足太陰経、足少陽経の経穴に刺鍼。

5/24 2診目。
初診後、当日は耳がすっきりしたが、
翌日には戻ってしまう。
今回は足太陰経の経穴のみに刺鍼。

5/28 3診目。
施術後から2日半は耳がすっきりし、
テレビの音がクリアに聴こえる。
ただ耳鳴りの大きさは不変。
施術は前回と同様。

5/31 4診目。
前回後、テレビの音がクリアだった。
また今回は耳鳴りも小さくなり、
これが現在も継続中。
施術は足太陰経、足厥陰経の経穴。

5診目~14診目の7/30まで
経過が良いので同じ施術方法。

8/6 15診目。
前日に長時間外で作業をし、
その結果 熱中症の様な症状になる。
耳に影響はなかったものの、
異常発汗と頭痛がある。
施術は健脾を目的に、
足太陰経のみに刺鍼。

8/13 16診目。
前回後、熱中症の様な症状は消失。
調子は良い。

耳の症状はほぼなくなってはいるものの
現在も治療は継続中。
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「仕事は夜型であることもあって、
ご本人も改善するか心配になっていたようですが、
随分と良くなってきました。
途中、熱中症の様な症状になりましたが、
すぐに改善することができ、
また耳への影響もなかったので安心しました。

今後も御体が良くなるように、
引き続き治療を行ってまいります。」


担当鍼灸師:下野


(2017年8月17日 更新)



過労による精神症状と食欲不振の改善例

大阪府堺市在住 C.H様 30歳 

主訴:食欲不振
既往歴:PMS(月経前症候群)

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初診:2017年3月30日

★発症に至る迄の経緯

職業:グラフィックデザイナー
2012年より現職に就く。
2016年の10月頃から、
人手不足と年末年始の繁忙期に向けて仕事が多忙となり、
終電まで会社にいることや徹夜で仕事することが続いた頃から、
「気分の浮き沈み」を感じるようになる。

徐々に「不安感」や「気分の落ち込み」を自覚するようになり、
(1)2017年1月~
(2)同年3月~
心療内科にかかるも、
4月から休職することとなる。

【食欲不振】は、
2017年3月より自覚し、
起床してお昼を過ぎても、空腹感を感じず、
一日2食(昼、夜:時間は不規則)で食事量は普段と比べ減少している。



望診:顔面の気色 全体に暗
聞診:口調は弱々しい

舌診:淡白
脈診:細にして滑
腹診:中?付近の虚、腹部全体に緊張あり

鬱滞して気の流れを促していくとともに、
胃気を扶けるように処置を行う。

施術後:顔面の血色がよくなるとともに、表情も緩む。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2診目:4月1日

施術日、
帰宅後から眠気が出て仮眠後から
食欲が出てくる。

初診と同じ方針で施術を重ねる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3診目:4月8日

前回施術後から
一日のみ、
仕事の事を考えてイライラすることがあったが、
それ以外は、家事など日常の動きを精力的に行えた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
5診目:4月21日

食欲が出てきたので、
久しぶりに外食をする。
「不安感」や「気分の落ち込み」があると、
人との約束やお店を予約することが出来なかったが、
連休中に友人と会う約束をした。
精神的にも安定してきたので、
復職の可能性も考えられるようになる。

顔面の気色:



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後、
7月より復職することが決まったと
御報告を頂いたので卒業とさせて頂く。

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「食欲不振の原因として、
気の流れが適切に流れておらず、
その事が引き金となって、
胃の働きを鈍らせたと考えました。
またそれ以前からの症状である、
「不安感」、「気分の落ち込み」などの精神的な症状も関与していると診立て、
同時に改善へと進めていきました。

顔面の気色が体調を伺う上で参考となりました。
初診の際は、目も伏し目がちで、
全体にもやがかかったような暗さがありましたが、
気の鬱滞をほどいていくことで気血が巡り、
血色がよくなっておりました。」

担当鍼灸師:新川

(2017年 7月29日 更新)




薬を飲んでも改善しなかった胃食道逆流症が
鍼灸治療で改善した症例。

大阪府箕面市在住 A.H様 28歳女性 事務職

主訴:胃食道逆流症
既往歴:パニック障害、うつ病。

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現在28歳。
3年前に仕事のストレスから
うつ病、パニック障害を発症。
お薬の効果もあり、徐々に良くなってきていたが、
2016年の12月頃から
胃酸が上がってくる感覚がきつく、
げっぷが頻繁に出るようになる。
症状が長引き、内科で胃カメラ検査をしたところ
非びらん性胃食道逆流証と診断。
以降、お薬を服用するものの
症状に改善がなく、
毎年体調を崩す6月までに何とかしたいと
当院での鍼灸治療をご希望なさる

2017年5/17、初診。
今一番きつい症状は
胃酸の逆流であり、
雨天時やストレスで悪化する。
現在は半夏厚朴湯を服用しており、
これを飲むと少しは体調が安定している。

四診より、
胃の弱りから気滞血?になったと考え、
足陽明胃経、足少陽胆経の経穴に刺鍼。
刺鍼中よりお腹が良く動き、
眠気が出てくる。

5/21、2診目。
初診の夜からよく眠れるようになり、
起床時より胃もたれが消失していると感じる。
施術方法は初診同様。

5/24、3診目。
体の状態は良い。
食欲もあり、少しお肉が食べれるようになる。
施術は同じ。

5/28、4診目。
生理前ということもあり、
鍼を受けてから初めて体がしんどく感じる。
ただし、今までの生理前と比べると
7割程度のしんどさとのこと。
施術は同様。

6/4、5診目。
一週間あいたものの、
調子が良く、食事も普通に摂れるようになる。
今回より、健脾を中心に行なうようにし、
足太陰脾経の経穴にて施術。

6/14、6診目。
調子よく過ごせている。
また薬を飲むことを忘れるようになってきた。
施術は同様。



7/19の12診を終えて調子が良いので、
ここから2週に1回の施術ペースに切り替える。
例年になく、
梅雨時期を元気に過ごせたようであるが、
まだまだ改善途中の為、
油断は禁物である。
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「服用されている
漢方薬もヒントにし施術に当たりました。
非常に順調に改善してきておりますが、
この暑く、冷たいものを飲む機会が増える
夏時期にしっかりと御体が耐えれるか、
しっかりと見極めてまいります。」

担当鍼灸師:下野

(2017年7月20日 更新)

橈骨神経麻痺による手関節の痛み!
鍼灸による早期改善例

大阪府豊中市 N.K様 57歳 塗装業
主訴:橈骨神経麻痺
既往歴:肺炎

2017年4月半ばに外で飲酒する機会があり、
いつもより多く飲酒し帰宅し、そのままソファで就寝する。
朝起きると、右手関節の痛みを感じるようになる。

その後、整形外科で治療を受けるも変化なし。
ビタミンB12などを処方されて終了。



【2017年4月23日 一鍼堂来院】

診察前に痛みの出方を確認。

・手を伸ばしたときに前腕橈側に痛み有り


・手関節の背屈時も前腕橈側に痛み有り。


・手を握りしめる・開く動作も前腕橈側に痛み有り。

他にも、雑巾を絞るような動作時も痛みが出る。
特に背屈の動作は壁に塗装を施すのに欠かせないので辛いとのこと。

舌診:淡紅、白苔
脈診:細滑脈
腹診:臍周、左肝相火に邪あり。
考察:肺腎陰虚
取穴:足少陰腎経の経穴、背部兪経の経穴
治療後:手の動きややマシになる。


4月30日(日) 2診目




手を伸ばす動きはマシになってきたが、
手関節の背屈時の痛みは変わりない。

舌診:淡紅、白苔マシに
脈診:細脈マシ
取穴:初診時と同様の取穴
治療後:手の動きマシに。



5月8日(日) 3診目


動きややマシになるが力むと痛みあり。

脈診:滑脈変わらず
取穴:補腎をやや長めに置鍼。
治療後:手だけでなく、全身スッキリされる。


5月14日(日) 4診目

手関節の背屈時の痛みが⑩→②と大分ラクに改善。


手の握りしめる・開く動作も力強く握っても痛み出ないようになる。


その後、経過を診ながら治療間隔を空けても
痛みなく過ごせるようになったので、
6月11日(日) 6診を以て卒業される。
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「N.K様の場合、途中 補腎を意識的に
長く施術したのが功を奏しました。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク:
【体験談】橈骨神経麻痺:大阪府豊中市のN.K様

(2017年7月14日 更新)





20年続く多汗症を鍼灸で改善

大阪府吹田市在住 匿名希望様 40代 女性

主訴:多汗症
既往歴:子宮筋腫、子宮内膜症
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現在40代。
20歳になった頃から少し動くと全身に、
緊張や焦りがあると顔に大量の汗をかくようになる。
特に掌、足底の汗は年中であり、
ここ数年では発汗することで疲労を感じるようになる。
自宅でせんねん灸をするも改善がなく、
年々辛くなる症状、体調が心配になり
当院へ来院なさる。

?初診(2016.5.19)~10診目(7.16)まで
施術の方針としては
気鬱を捌き、同時に補腎する
ことを目的にすすめる。
汗の量は少し減り、寝汗もなくなってきたが
まだまだ日中の汗は多く、
また疲労感も取れない。

?11診目(7.23)~24診目(12.24)まで
施術方針を切り換え、
脾腎を補うことをメインにする。
11診目当日から尿量が増え、
同時に便通がよくなる。
翌日から汗の量が減ってき、
暖房の部屋で動いても大丈夫で、
また体力も戻ってきた感覚があるとのこと。

?25診目(2017.1.17)~現在(6.20)まで
施術を健脾のみにし月1~2回のペースで加療中。
例年であれば、
3月末の気温上昇と共に汗が増えるようだが、
今年に関しては落ち着いている。
また梅雨時期に入ってきたものの、
手に少し汗をかく程度である。
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「最初の10回は、
こちらも思い通りの施術が出来なかったのですが、
非常に根気強く通院して頂きました。
何とか症状を動かす事が出来きましたが、
まだまだこれから暑い季節になりますので、
無事過ごせる様に引き続き施術に当たらせて頂きます。」

担当鍼灸師:下野

(2017年6月22日 更新)


脊髄小脳変性症(小脳萎縮)の進行を食い止める

大阪市在住 匿名希望さま 50代 女性
主訴:脊髄小脳変性症(小脳萎縮)
既往歴:腎盂炎、子宮筋腫、静脈瘤
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<当院の受診までの経緯>
2016年5月中旬に、 
MRIなどの検査を受けられ、小脳の萎縮がみられた。

特に目立った症候は今のところないが、
担当の医師からは、小脳萎縮については治療法が無く、
また、運動機能の低下などの症状が一旦出だすと
進行が早くなるとも言われたそうである。

友人の知り合いが同じ病気で、
数ヶ月で歩けなくなったという話も聞き、
なんとか脳萎縮の進行を緩和させ、
発症を食い止めることはできないものかと
当院を受診された。

<初診(2016/05/25)>
【問診】上記のお話以外に、現在気になる症状として、
肩こり、腰の重さ、易疲労、たまに眩暈やふらつきがあるとのことであった。
また、脚部に静脈瘤や浮腫がみられた。

ふだんの生活習慣については、
 ・就寝時間が午前0?2時頃になる
 ・何年も前から飲酒を続けている
ことなどをお伺いした。

引き続き四診を行う。

【舌診】暗紅舌、白膩苔
【脈診】右:浮 左:沈 全体として渋やや数
【腹診】臍周、左下腹部に邪
【切経】足太陰経、足少陽経に目立った緊張がみられた

【考察】足太陽経という経脈が脳髄へ流注するが、
下焦?血が足太陽経などの経気を阻害し、
脳髄への精気の運行を阻んでいると考えた。

【治療方針】活血化?
治療穴は、脚部に2箇所、背部に1箇所とし、刺鍼を行った。

施術後、背部から発汗がみられ、
肩こりや脚部の浮腫の症状がマシになった。
左の沈んでいた脈が浮いてきたことを確認し、施術を終える。
今後、来院可能な週1回ペースで施術を行っていくこととした。

<2診目(2016/06/01)>
前回の施術の翌日、眠気が強かった。
腰の重さや脚の浮腫は二日間ほどマシな状態が続いたとのこと。
四診においてお身体の状態を確認し、
治療方針は、前回と同様とした。
また、養生指導として、
飲酒のペースをできるだけ少なくして頂くようお伝えした。

<3診目(2016/06/08)>
前回の施術から、脚部の浮腫がマシになっている。
飲酒を一日おきに減らしたそうである。
(飲酒が少なくても大丈夫になってきたとのこと)

数日前に病院で、
担当の医師から嫌な話を聞いたそうである。
その大まかな内容は
「西洋医学では脳萎縮に対する治療法が無く、
気持ちの面で負担もかかることから、精神科にも窓口があるので相談すると良い」
というものであった。

このような話を聞き、非常に怖い思いをされ、
めまいやふらつきの症状が起こると、
「もしかして脳の萎縮と関係があるのでは」と、
神経質にならざるを得なくなったご様子であった。

医師の言葉に対して
どのように向き合うべきか若干戸惑ったが、
東洋医学では西洋医学とは違った考察を行うため、
担当の医師が「治療法が無い」と話されたとしても
東洋医学的には改善の可能性があることなどをお話させて頂いた。

治療方針として、活血化?を主とし、疏肝を加えた。

<8診目(2016/07/13)>
肩こりやふらつきが無くなった。
また、今まで少なかったお手洗いの回数が
増えたとのことであった。

<11診目(2016/08/04)>
ふらつきが無い状態が続いている。
軽い肩こりがあったが、治療後にマシになった。
治療ペースを週1回から週2回に空けていくこととした。

<15診目(2016/09/21)>
MRI検査を受けてから4ヶ月になるが
脳萎縮に関しての目立った症状は今のところみられない。
さらに、肩こりなどの症状もマシである。

医師の言葉に恐怖を感じていたが、
またMRI検査をいずれ受けてみようかと、
若干前向きに思えるようになってきたとのお話を頂く。

<21診目(2016/12/14)>
目立った症状は無いが、耳鳴りが続いており、
音の大きさなど症状には波があるとのことであった。

ご本人から、ご自身で調べた内容として、
「小脳動脈という動脈の血流が、
内耳に届いていないのではないかも知れない」
と、小脳の萎縮と関連している可能性を不安視されていた。

治療方針として、活血化?・疎肝を中心として
しばらく様子をみることとした。
治療ペースは3週間に1回としている。

<28診目(2017/04/12)>
耳鳴りが安定しない。
治療方針を見直すこととする。

四診
【脈診】やや渋、緩
【腹診】臍周に邪、臍下に熱
【考察】
下焦?血が脈気を阻害しているだけではなく、
臓腑自体の弱りもあるのではないか。

治療方針として、活血化?に加え、
その弱りのみられる臓腑の力を補うこととする。
施術後、耳鳴りが治まり
2週間ほど良い状態が続いたとのことであった。

<32診目(2017/06/03)>
先日、1年ぶりにMRIの検査を受けられた。
MRIの画像からは、1年前の脳の状態とほとんど区別がつかず、
担当の医師からも「脳萎縮は進行していません」と
診断されたとのことであった。

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「西洋医学的に治療法が無いという本疾患に対し、
 鍼の力を信じて、ご来院を続けて頂いたご本人に感謝します。

 今後、引き続きお身体を整え、残る症状を治しつつ
 体調管理をはからせていただきたいと思います。」

担当鍼灸師:大原

関連リンク:【体験談】:大阪市の匿名希望様

(2017年 6月9日 更新)





試合に集中したい!チック症の症例

大阪府吹田市在住 M.Aくん 7歳男の子

主訴:チック(咳)
既往歴:花粉症、水痘症、霰粒腫
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現在7歳。
2016年の12月頃から咳が増え、
耳鼻咽喉科で肺炎との診断が下される。
ただ薬を服用するも症状に改善がないため
年明けに小児科を受診したところ
チック症と診断される。
一時的に症状が治まったが、
3月頃から再発し、四六時中咳をしている。
サッカーを始めたが、
咳が出ることで集中できず、
試合も楽しくないと訴える。

2017年3/20、初診。
症状:咽のつまりから起こるチック(咳)

症状の傾向としては、
四六時中ではあるが緊張したり、
気を使う場面ではより強くなるとのこと。
また咽の異物感・つまりが少ない日は
咳が少ないとの自覚がある。

舌:紅舌色あせで少白苔。舌尖は苔なし。
脈:沈み緩脈で幅はない。
腹:全体的に腹壁の緊張。
  やや中?穴~臍にかけ気が抜ける感覚あり。
切経を行い、四診から
胃気の弱りと考え足陽明経の経穴に刺鍼。

置鍼中から咽の異物感が取れ、
咳が少なくなったと実感する。

3/22、2診目。
咳はあるものの、
咽の異物感が減ってきている。
脈も中位で取れるようになってきた。
施術は初診と同様。

3/26、3診目。
咳は随分と減り、咽の異物感もなし。
ただ甘い物を摂り過ぎたようで、
来院時は異物感がきつくなる。
施術は前回までの方法に、
足太陽経の経穴も使用する。

4/26、ご家族の治療の際に経過を伺うと、
3診目以降 咳と異物感はなくなり、
サッカーの試合も集中して出来たとのこと。
また緊張する場面があっても、
症状が出ることなくがなくなったと報告を受ける。
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「現在7歳ということもあり、
まだまだ臓腑がしっかりと整っておらず、
そこに過度の緊張や、
食べ過ぎが影響していたと考えられます。
ご希望通り、
早く改善出来てよかったです。」


担当鍼灸師:下野

(2017年5月25日 更新)

耳鼻科にて長期間の治療が必要と診断された味覚障害の
鍼灸治療における早期改善例

大阪府吹田市在住 大井順子様 64歳 女性

主訴:味覚障害
既往歴:突発性難聴
    虫垂炎、上行結腸切除
    腎炎
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【依頼時の内容】
4/8(土) 朝
フルーツ缶詰のパイナップルを口に入れると
酸っぱいだけで甘さを感じなかった。
砂糖をなめても甘くない。
ハチミツは甘い感じはわからない。
前日の夜までは異常は感じなかった。

4/9(日)
1日中、同じく甘味がわからない。

4/10(月)
本日 午前中 耳鼻科を受診。
医師の説明 原因は
1.以前からの副鼻腔炎の悪化
2.鼻のアレルギー
3.亜鉛不足
4.お茶を飲まない、口が乾いている

治療
1.味覚異常の薬
2.鼻の炎症をおさめる薬

回復は時間がかかる とのことでした。

【2017年4月10日(月)、一鍼堂来院。】
当院に来院前に耳鼻科を受診され、上述のような診断を受ける。

苦い・辛い・甘い・酸っぱい・鹹い(塩辛い)
の五味の内、甘い味覚だけが感覚がない。
パイナップルの酸っぱさは分かったが、甘さが分からず、
その日の夜に食べたすき焼きでも、
普段は醤油と砂糖で甘塩っぱい味がするが、
砂糖の甘みが分からず塩っぱいだけであったとのこと。

平素から甘味をよく食しており、
何かにつけてはお菓子を食べているので、
甘みを感じない今の状態が苦痛だと伺う。
また、ストレスからくる大食で、
何十年と毎日お腹いっぱい食してしまうので
それがまずかったのではないかと
反省している様子だった。

舌診:淡紅色褪せ、舌中?舌根部の白膩苔あり
脈診:緩枯
腹診:右太乙の虚深し
考察:肝気犯胃
取穴:足厥陰肝経の経穴
治療後:全身ポカポカし、体が身軽になる。

4/13(木) 2診目

前回治療後の翌日の昼食の時に
味覚が戻っていることに気付く。
むしろ、薄味なのに味覚や旨味を感じて
美味しく食べることができていることに驚かれる。
(今までは、どんな料理も味を濃くしないと
美味しく食べられなかったそう。)

味覚の改善ができたので、
今後はストレスからくる大食にならないよう体を診ていく。

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「鍼を受ける前に受診された耳鼻科にて
”回復に時間がかかる”と診断を受けていた分、
鍼での早期の改善に大変驚いてましたね。
荒ぶった肝気を治めることですぐに改善はできましたが
胃の湿痰がまだ色濃く残っておりますので
今後も要注意です。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク:
【体験談】味覚障害:大阪府吹田市の大井順子様

(2017年 4月 20日 更新)






なかなか治らなかった「痔」が改善する

大阪市在住 匿名希望さま 50代 男性
主訴:
既往歴:副鼻腔炎(1年前に手術)、坐骨神経痛(20年前?)

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<症状について、今までの経過や気になること>
半年ほど前から痔核の症状が出てきた。
仕事は立ち仕事が多く、
特に座りっぱなしということもないため、
なぜ痔が出来てしまったのかよく分からない。

症状が出だした半年前頃、
仕事やプライベートで
身体に負担がかかったようなことも思い当たらない。
もともと冷え性であり、
そのせいか腰から脚にかけてだるく感じることもある。
坐骨神経痛を患ったこともある。

<仕事について>
夜勤が稀にある。
休憩時間が少なく、食事のスピードはかなり早いと思う。
今の仕事は長く、
特に仕事量が急激に増えることは無いが、
季節によって忙しくなる時期もある。

<生活習慣について>
お酒を少なくとも2日に1回飲む。
量はそれほど多くはないが、20代の頃から飲酒の習慣がある。
そのせいか、夜中にお手洗いで必ず1回は目が覚める。

<他に気になること>
腰のハリ、足の冷え

<初診>2017/02/15
四診において、
 舌診:淡紅色で薄白苔、舌尖や舌辺は苔が少なく、中央?舌根部に苔が集まっている
 脈診:全体に沈、滑、緩
 腹診:臍周に邪があるが、臍下には?も診られる

→五臓の脾・腎に、水湿の邪と熱邪が停滞していると考察。
治療はこれらの邪をさばくことを主とした。

治療後、ご本人の自覚として、
症状やその他お身体の変化は
あまり感じられないとのことであったが、
治療後すぐに改善するというよりも
少し時間が経ってから改善していくことが多いという説明をさせて頂き、
次回の治療までに様子を診て頂くこととした。

<2診目>2017/02/21

前回の治療の翌日、痔が出なくなった。
治療直後は身体の変化があまり感じられなかったため、
なぜ痔が治まったのか不思議とのこと。
また、腰のハリも若干マシであるとのことであった。

症状の出たメカニズムなどを簡単に説明させて頂き、
治療方針は前回と同様として治療を行った。

治療後、やはり身体の変化は特に感じないそうであったが、
効果は1日程遅れて来るだろうと、本人も納得されていた。

<3診目>2017/02/28
症状は出ず、調子良い。
治療方針は同様。
治療間隔を少し空けてみてどうか、
次回は10日後とした。

<4診目>2017/03/10
調子良く過ごせていたとのこと。
現在気になる症状として、鼻詰まりが続いている。

治療方針は、
前回までは水湿や熱の邪をさばくことを主としたが、
今回はそれに加え、?血をさばくようにした。

治療後、鼻が通ったと喜んでおられた。
これまでの治療から、
治療後に症状の変化が出ることは珍しかったので、
鼻の通った状態が長く続くかどうか
様子を診て頂くこととした。
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「症状が半年前から続いていたということで、
治るのに少し時間がかかるかと踏んでいましたが、
1回の治療で治まり良かったです。

今後、症状が出ない状態を維持できるよう、
お仕事がお忙しい中で負担にならない程度に
治療を続けていただきたく思います。 」


担当鍼灸師:大原

(2017年 3月 15日 更新)



治らないと思っていた下痢体質が改善。

大阪府豊中市在住 M.Kさん 49歳 男性 管理職

主訴:下痢体質
既往歴:大腸ポリープ
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2010年の梅雨時期に
頭痛が1ヶ月続くのがきっかけで
当院へご来院なさる。
頭痛自体は5回ほどの施術で完治し、
当院での施術も卒業かなと思っていたところ、
「鍼治療を行なった数日は
お腹の調子がすごく良くなっている。」と
ご本人が感じられたよう。


そんなある日(2010年8/22)に、
M.Kさん「社会人になってから、毎日の通勤時にお腹が痛くなっていたんです。
     その度に電車を降りてトイレに駆け込んでいて…。
     実はいつも梅田に行くのに、各停しか乗れなかったんですが、
     それが鍼を受けてからなくなりました。」
と実感なさったようで、
もし短期間でこの様な体質に変化があるのであれば、
慢性的な下痢体質も治るかも?と思い始められたよう。

下野「Kさんの場合、
   腸胃が弱いのでそこから頭痛が長引いていました。
   それなので、毎回治療で腸胃にアプローチしていたから
   便にも変化が出てきていると思いますよ。」
と伝えたところ、
長年の不調であった下痢体質を改善させたいとのことで、
この日から定期的な治療を行うこととなる。



M.Kさんの特徴としては
舌:ボテっとし、常に歯痕あり。
  また、飲酒した翌日は白二苔。
脈:基本、緩・細脈。
腹:臍下に鏡餅の様な邪を診るものの、
  非常に空虚な感覚がある。
施術は腸胃を調えるのを基本にし、
時に肝気を捌くといった方針。

10診目(同年11/10)以降、
施術後から1週間は
飲酒をしない限りは下痢がなくなった。
また同年の年末、
忘年会が続き飲酒が多かったものの、
例年の様に体調を崩すことなく
元気な状態で新年を迎える事が出来た。

2011年からは、
先ずは2週間に1度のペースで施術を行い、
下痢が出なくなった3月からは
月1回のペースに切り替える。
2011年の梅雨時期は、
少し下痢の日があったものの、
例年には感じた事がないほどの体調良く過ごされる。
この時期をうまく乗り切れたこともあり、
1年を通して、下痢があったのは20回程度と
ご本人さんも驚くほど体質が変わったと実感。

翌2012年からは
3ヶ月に一度のペースに切り替え、
体調管理に努められる。

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「M.Kさんですが、
現在でも3ヶ月に1度は来院なさい、
御体のメンテナンスをなさっています。

2014年から1年程、
単身赴任で東京へ行かれていたのですが、
その間も体調を崩すことなく
元気に過ごすことができたようです。

今ではお子さんも大きくなったので、
スキーやマラソンなど、
来院当初では考えられないほど
仕事以外にも頑張っておられます。」


担当鍼灸師:下野

(2017年 3月 1日 更新)




眼筋麻痺による複視の改善例

神戸市須磨区在住 M.N様 56歳 女性
主訴:眼筋麻痺
既往歴:痔瘻
    花粉症
    高コレステロール血症
    喘息
    腰痛症
    γGTP高値
    右踝剥離骨折
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【来院時の依頼文】
病歴:
眼筋麻痺による複視です。
11/6 起床時、突然、目の焦点が合わなくなりました。
11/7 眼科を受診し、眼筋麻痺との診断。
脳神経外科を紹介下さり、MRI解析の結果「異状なし」で、
現在、眼科にてプレドニンとビタノイリンの投薬治療中です。
症状の改善はみられません。

病歴:
*21歳:虫垂炎手術
*30歳:痔瘻手術
*44歳:スギ花粉症発症。季節のみクラリチン服用。
*46歳:高コレステロール血症(服薬なし。)
*47歳:風邪から喘息へ。(息苦しいものではなく咳喘息)
    H20.4~フルタイド吸入開始。
    アコレート、スピロペント服用。
*51歳:H24.4 腰痛症発症。鍼灸整骨院にて治療。
*53歳:H25.10 健診によりγGTP高値、
    高コレステロール血症。(服薬なし。)
*55歳:ALT、γGTP高値、
 高コレステロール血症改善見られず、
     H27.8~リピトール服用開始。
*55歳:H27.10 右踝剥離骨折。
*56歳=現在:ALT、γGTP、高コレステロール血症、改善。
    リピトール服用は継続。
    喘息も改善傾向にあるが、アドエア吸入薬と
    モンテルカスト(シングレアのジェネリック)のみ服用継続。
*56歳=現在:H28.11.6 眼筋麻痺発症。
    脳MRI検査異状なし。
    眼科医の処方のより、プレドニン、ビタノイリン服用中。

(本文ママ。)

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【2016年11月18日(金)、一鍼堂 神戸院来院。】

11月6日に眼筋麻痺を発症し、複視の症状が出る。

複視とは下図のように目の焦点が合わず、
物が二重に見えてしまう症状で
Nさんの場合も、何もかもが二重に見えてしまう為、
一人で出歩けず、初診時もご主人の付き添いの下 来院。


病歴では、様々な症状の記載があったが、
複視の症状だけが一番気になるとのこと。
発症時の背景を問診したところ、
義母が介護のため施設への入居するため、
義母の家が誰もいなくなるので、
自宅のある箕面から、義母の住居である須磨への
引っ越しなど6月頃からずっと多忙を極め、
一息ついた11月に発症したとのこと。

舌診:やや老舌、舌中に白苔
脉診:緩枯
腹診:右太乙に虚あり
考察:肝鬱気滞証
取穴:足太陰脾経の経穴
治療後:体の力が抜けてポカポカと温もる。


11/22(火) 2診目 


前回治療翌日の朝、約50cmの距離で焦点が合うようになるが、
午後にはまた焦点が合わずに複視に戻る。

舌診:やや老舌マシ、舌中に白苔
脉診:△緩枯
腹診:右太乙の虚マシ
初診時の治療を重ねる。


11/25(金) 3診目
前回治療後、体がポカポカしスッキリする。
午前中が症状がマシになることを多く感じるようになるが、
午後に複視がきつくなる傾向が出てくる。

舌診:やや老舌大分マシになる、舌中に白苔も薄白苔に
脉診:枯よく緩む
腹診:右太乙の虚も大分埋まる


11/29(火) 4診目
前回治療後、26(土)・27(日)ともに複視マシになっていた。
特に27(日)は法事のため、京都へ行っており
気を遣うことが多かったにも関わらず複視はマシだったとのこと。

舌診:やや老舌大あるが舌尖は尖っていない。
脉診:枯少しアリ。


12/2(金) 5診目 ?12/13(火) 8診目
大学病院での検査で、
バセドウ病・重症筋無力症の可能性を示唆され不安になる。
朝の複視が大分マシになって来ていたが、
夜になると複視が出るようになってきた。
その背景を伺うと、家で縫い物
(朝の調子が良くなってきたので縫い物にチャレンジしてました)
やPC作業が続き、疲れると複視が比例して
出てくるようになってきたとのこと。
扶正を足して施術。

12/16(金) 9診目
この頃より複視の出かたに変化が出やすくなる。

右側を見ると複視の症状が出てくる。
時間帯によっての症状の変化であったが、
見る方向によって症状の出かたが違ってくる。
PC作業などで無理をすると複視出る傾向は変わりないが、
一晩休むと回復できるようにもなってきている。

舌診:やや老舌ナシ。舌中に白苔ややアリ。
脉診:枯マシに。

12/20(火) 10診目 ?12/27(火) 12診目
多忙に過ごすが調子はまあまあ過ごされる。
また、大学病院での検査結果は問題なく、
バセドウ病・重症筋無力症ではなかったとのことで
一安心される。


2017年
1/6(金) 13診目
年末年始の休みのため、10日程治療間隔が空くが
悪化もせず、まあまあの調子で過ごされる。

以前あった右側を見た時の複視は改善されていたが、
右下を見た時に複視が出るようになってきたと伺う。


1/10(火) 14診目
前日に娘の成人式の準備のため、午前3:00起きで
バタバタ過ごすが、複視の症状出ずに過ごせていたとのこと。


1/20(金) 16診目

朝起床時に左上を見ると一瞬だけ複視の症状が出ているが、
間もなく普通に焦点が合うようになるので、さほど気にならなくなってきた。

大分調子良くなってきたので、
次回より1週間に1回の治療でペースダウンしてみる。


2/24(金) 21診目
経過良く過ごされており、
2月20日に受けた大学病院での診察ではほぼ100%完治と診断を受け
眼科の先生に大変驚かれたとのこと。
今後は減薬をしながら2ヶ月後(4/17)の再検査でも問題無ければ
治療卒業となる予定。

鍼治療は現在も継続しており、
複視の症状出ずに日常過ごせている。
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「この症例のように、
治療途中で症状の出かたが
コロコロ変わることがございますが
体調が良くなる方は
このように変化に富むことが多いです。
その後の経過も良く、
現在では日常生活を普通に過ごされております。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク:
眼筋麻痺…兵庫県須磨区のM.N様の鍼灸治療体験談

(2017年 2月 25日 更新)




胸の痛みで眠れない! 早期に改善された症例

             大阪府吹田市在住 M.N様 33歳 専業主婦

             主訴:胸の痛み
             既往歴:貧血

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   初診(11/15)

   【胸の痛み】
   11月10日
   明け方未明より、
   胸の痛みで起床する。

   ・起床する際などの初動時に刺すような痛みがある。
   ・呼吸をすると、胸の周りが引きつるような痛みが起こる。

   →ここ数日、起床時に胸の痛みで起きるので、
    不眠傾向にあり、同時に不安感も出てくるようになる。

   舌診:暗紅
   脈診:按じて脈幅せまし
   腹診:心下?脾募、肺先と実きつし

   刺鍼:足陽明胃経、足厥陰肝経、足太陽膀胱経の経穴を取穴

   ☆刺鍼直後


   2診目(11/17)
   明け方の胸の痛みなく、熟睡出来た。
   起床時などの動き出しの際の痛みもなし。

   3診目(11/24)
   初診以降、胸の痛み消失していたため卒業とさせて頂く。


 

   最初の診立てでしっかりと病の原因を捉え、
   また処置も適確に行えたため、
   初診の施術で症状が改善されました。
   元々、気の停滞を起こしやすい体質のようで、
   昨年様々な心労があったことも影響し、
   胸の領域に痛みが出ていたと診立てました。
   施術後は、身体の力がよく抜け、
   胸の痛みの範囲が変化しておりました。

   担当鍼灸師:新川

   (2017年2月9日 更新)




年に数ヶ月起こる、薬が効かない痛風による激痛。

大阪市北区在住 E.Uさん 40代 男性 美容師

主訴:痛風
既往歴:なし

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7年前に発症。
以降 服薬により治療をしていたが、
必ず年に数ヶ月、薬が効かない激痛が起こる。
医師に相談するも、
特に数値が悪化している訳でもないため
暫くは要観察でと伝えられ今に至る。
何とか他の治療方法でと探されていたところ、
同業の知人より紹介され、来院なさる。

【初診】
2015年11/16。
現在、激痛が出てから1ヶ月が過ぎ、
歩行も辛く仕事にも支障が出てしまいそうとのこと。

四診より、
脾胃への負担や気鬱が診られ、
最終的に?血が形成されたと考え、
足陽明胃経、足太陰脾経の経穴に刺鍼。
置鍼中より
患部に温もりを感じ、
抜鍼し歩いて頂くと痛みが半減していた。
と、同時に、
腹部 鳩尾付近の皮膚のざらつき(鮫肌様)に
変化が出てきたのを確認し、初診終了。

【2診目】
11/23。
痛みは随分と軽減し、⑩→③となる。
ただし、ご本人は
鍼を一度した事で完治すると思ってたようで、
少し不満を感じておられる。
そこは説明をしっかりし、
ご納得頂いた後に施術に当たる。
施術方法は初診同様。

【3診目】
12/14。
お仕事の都合上 少し来院間隔があくも
痛みは?となる。
年末に入り、休日がなくなるため
なるべくいい状態がキープできるようにする。
施術方法は同様。
・・・・・・・・・・・・
お仕事が忙しくなるも、
調子は良かったようで
ここ数年悩まされていた激痛も
2016年に関しては全く症状なし。
ただ、その分 飲食の不摂生が続く。

【4診目】
2017年1/23。
1年近くあき、今回も痛風の症状あり。
今回は左足の膝内側に痛みがあり、
以前までとは症状の場所が変わったよう。
今回は痛み出してから1週間継続中。

四診より、
2015年の時と同じ状況。
取穴は足太陰脾経の経穴のみ。
抜鍼後の動作確認時には症状は消失。
ただし、今回は口すっぱく
飲酒、食事の不摂生を気をつけるように伝える。

【5診目】
1/30。
症状は消失。
施術は同様。
・・・・・・・・・・・・
まだまだ安心できる状態ではないため、
現在も治療継続中。

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「2016年は症状が出なかったことで、
随分と心身ともにラクだったようですが、
やはり油断は禁物でした。
現時点でも症状は落ち着いてはいますが、
一つ目安になるのは
梅雨時期までに御体、臓腑の状態が
良いレベルまでに上がってくるか。
ここが今後の治療の目標になって参ります。」

担当鍼灸師:下野

(2017年2月2日 更新)


20年前から続くお肌の症状を解決 にきびの改善例

                           大阪府堺市在住 Y.K様 34歳 会社員 

           主訴:にきび
           既往歴:虫垂炎、自家中毒

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 【病歴】
  主訴:
  ニキビ、アレルギー、冷えのぼせ、胃腸障害

  病歴:
 ニキビは小学校高学年からあり、
 おでこやほほにあったものが
 大人になると口回りやほほなど出る位置が変化し
 また赤いニキビから先端が白い膿のあるものへと性質も変化しました。

 アレルギーは30歳になってからはじめて自覚し、
 血液検索の結果、すぎ、ひのき、ぶたくさ、カモガヤ、ハウスダストに
 反応すると結果が出ました。


 小さいころから緊張したりするとすぐに顔に熱を持ち
 現在は足の冷えも感じるようになり冷えのぼせが顕著に出ます。

 小さい頃から自家中毒の症状があり大人になっても体調をくずすと戻してしまいます。
 サプリメントや漢方薬をためしてみても胃腸が消化する能力が低いため
 効果的ではないと漢方薬局などで言われたことがあります。
 お風呂に入ったり、運動したりするとお腹と背中に湿疹が出ることも気になります。
 病歴というより気になることを書いただけなので
 ちゃんと回答出来ていませんがよろし くお願いいたします。


 《にきび》
 主に口の周りや額に多発し、触れると形が自覚出来る程度の大きさ
 味噌、餅、パン、甘酒などの摂取で痒みが出る。



 【考察】
 「胃の気の弱り」が中心となっているが、
 時として肝気上逆をおこし、
 また上焦部を中心に熱の籠もりあり。
 胃の特性である気を降ろす作用が弱まると、
 気逆しやすくなり、その状態が続くことで、
 化火した熱が上焦部にある肺や心を傷つけている。

 【方針】
 胃の気を充実させていく。

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 2診目(4/24)
 ポツポツとした
 しこり状のにきびが少なくなる。



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 3診目(5/8)
 細かいにきびに変わってくる



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 4診目(5/15)
 飲食からの影響があることから、 
 御自分の判断で
 食事の回数
 3食→2食へ減らしてから
 顎の周りににきびが増える

 また、数日前に食あたりにあい、
 下痢、嘔吐
 その後、顔全体に痒みと共に
 ブツブツとした吹き出物が出てくる。

 【考察】
 食あたりの影響と
 食事の回数を減らしたことで
 胃自体が滋養されず
 湿を体内に溜め込んだ結果、
 肌の状態にも関与していると考える。
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 6/14
 虫垂炎にて入院すると連絡が入る。
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 7診目(6/18)
 虫垂炎の発症直前は、
 顔面の紅味が強くなっていたが、
 術後は鎮まっている。
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 10診目(7/9)
 過食するが、
 大きなにきびが出る事はなかった。
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 11診目(7/16)
 一日だけ口の周りにプツプツとした小さい吹き出物が出る。



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 13診目(7/30)
 大きなにきびが出ることなく、
 以前と比べ負担になるようなことがあっても
 肌の状態が安定するようになる。




 その後も体調維持のために
 継続して加療中。

 
 上記の症状以外で、
 咳や生理周期の乱れなどの症状も対応させて頂きました。
 いずれも、胃の気を安定させていくことが要となり、
 そこから他臓との関わりを診ていくことで、
 構図としてシンプルに解釈していくことが出来ました。

 いわゆる『病名』に対して治療をするのではなく、
 その症状の成り立ちを解釈し、
 病の原因に対してどのように対処出来るかを問われる症例でした。

 担当鍼灸師:新川

 (2017年 1月14日 更新)




頭痛や頚の痛みと五臓六腑

大阪府在住 匿名 30代 女性
主訴:頭痛、頚の痛み
既往歴:アレルギー性鼻炎など

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<症状の経過>
いままでマッサージなどを受けてきたが
なかなか頚の痛みや重さが改善せず、
ひどくなると頚の症状が頭痛に変わるとのこと。
最近は症状がひどくなり、頭全体が痛むとのことであった。

<初診時にお伺いしたこと>
主訴に関して
上記の症状の経過のほか、以下のような特徴をお伺いした。
・曇りの日に頭痛がおこりやすい
・こめかみや耳の後ろが痛みやすい

その他、主訴以外に気になる症状として、
・つかれやすい
・むくみやすい(顔、脚)
・何かしらのストレスで食欲が減る、また、下痢しやすくなる
・耳鼻科に通院し、鼻炎の治療を受けている
・ファーストフードなど、油っぽい物を食べるとすぐにしんどくなる

<四診>
・舌診 舌質:紅、舌苔:薄厚苔
・脈診 滑で左やや沈
・腹診 胃土の下部に冷え

以上の情報から、
弁証を肝脾不和からの三焦経気不利とし、
治療法則を疎肝、三焦経の滞りをとることを目標とした。

<2診目 (初診から3日後)>
前回の施術から、主訴の痛みが3割減ったとのこと。
たった3割ではあるが、その状態を保っていたため
結構楽な感じがあったとのことであった。

四診後、治則を脾胃?湿と変更し、施術を行った。
身体全体が温かく感じ、
施術後は身体全体が軽い感じがするとのことであった。

<3診目 (前回から4日後)>
主訴の痛みは半減(5割減った)とのこと。
治則を、今回は、脾胃の?湿に疎肝を加えて施術を行った。
施術後、身体の軽い感じに加えて、
股関節が緩んだ感じがするとのことであった。

<4診目 (前回から1週間後)>
主訴の痛みは気にならなくなったとのこと。

また、前回、施術後に股関節が緩んだおかげで
腰や背中も楽な感じがしばらく続いていたとのことであった。
もともと頭痛や頚以外に、腰や背中が痛むことを
今回初めて伺った。
治則は、前回と同じである。

<5診目 (前回から2週間後)>
主訴の頚の痛みや頭痛は治まっているとのこと。
しかし、背中や腰の痛みは、やや治まっているが、痛むことがある。
治則は、前回と同じである。

<6診目 (前回から3週間後)>
主訴の症状は出ず。
背中、腰の痛みもほとんど気にならなかったとのこと。

治則を前回と同じくして治療を行い、今回で卒業とした。

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「初診時から、脾気の弱りに着目して
治療方針を絞ることができました。
その結果、早い段階で、長く続いていた症状を
治めることができ良かったです。

治療の際にさせて頂いた
消化器系の内臓の弱りと症状の関係について
熱心に聞いていただいたことが印象的でした。

また今後も定期的にお身体を診させて頂ければと思います。 」

担当鍼灸師:大原

(2016年11月5日 更新)



カゼでも対処します!
寒気・発熱を鍼で改善した症例。

大阪府枚方市在住 K.H様 20代男性 事務職

主訴:カゼ(寒気と発熱)
既往歴:なし

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平素から、
ストレスによるお腹の張りや
背中、首の張りで定期的に診させて頂いている方ですが、
2016年6月21日、
エアコンを掛けたまま眠ってしまい、
起床時より寒気と38.5℃の発熱。
ちょうど当院での治療日だったこともあり、
内科には行かず、こちらに来院なさる。

主症状は寒気、発熱、無汗だが、
同時に2日前より下痢が治らないとのこと。
舌診:淡紅色あせ、白苔。
脈診:浮緊やや細い(弦脈気味)
腹診:下?、中?がやや沈む。
表寒と脾胃の弱りが考えられるが、
先ずは表寒を取ることにし、
手の経穴に一本鍼を施す。

置鍼中より、
体が一気に熱くなり、良く発汗する。
また同時に尿意を感じ
抜鍼後にトイレに行くと、
真っ黄色の尿が出たとのこと。

脈も緩み、寒気が消失したようだったので、
当日の施術はこれで終わり。
翌日にまた来院頂くようにお伝えする。


翌22日来院。
帰宅後もよく汗をかき、
一眠りしたところ
夜には解熱していたとのことで、
起床時には36.2℃であった。
また便も下痢は治まり、
やや軟便気味になる。

今回は、脾胃を建てるように
足と背中にそれぞれ一本鍼を施す。
翌日には便も元通りになったとのこと。

現在も定期的に御体診させて頂いております。
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「カゼを理由に、
治療をキャンセルなさる方はおられますが、
当院ではこのように鍼灸で対処もできるため、
来院が可能な方は診させて頂いております。

またカゼ引き後の体調不良や、
なかなか治りきらないといった方も
多くおられますので、
その様な方は一度診させて頂ければと思います。」


担当鍼灸師:下野

(2016年10月20日 更新)




半年間続いていた鼻水が止まる

大阪府在住 匿名 10代 男性

主訴:鼻水が止まらない
既往歴:中耳炎、扁桃腺肥大など

<受診までの経過>
半年ほど前から鼻水が出だして止まらなくなった。
鼻水が出だした当時は、
風邪をひくなど症状のきっかけになるようなことは
心当たりが無く、
原因がよく分からないままとのことである。
母親の紹介で当院を受診することにした。

<初診時の内容>
母親の話によると、
鼻水以外の気になる症状として、
食べた物を胃から一旦口に戻す反芻(はんすう)を
子どもの頃からしており、
ここ最近もその反芻をしていることがあるようで気になるとのこと。
また、耳の奧に指を入れる癖があり、
耳の奧にかゆみを感じていることが多いと思われる。

鼻水の特徴として、
色は透明無色で、だらだらと水っぽくでることが多い。

<四診>
舌診:淡紅あせ、苔は少ない
脈診:滑緩
腹診:臍を挟んで縦に緊張が走る。胃土にやや虚、左肝相火に邪。
経穴の反応では、緊張が強くみられるものが多い。
しかし、緊張の反応多くみられる中で、足の陽明胃経上には虚を表す反応があった。
弁証を胃気上逆とした。

<治療>
胃気を調えながら、かつ疏肝を主として治療を行う。
刺鍼してからしばらくした後、続いていた鼻水が止まり、
そばにいた母親も喜ばれた。
しかし、5分ほどするとまた刺鍼前と同じように
鼻水が出るようになった。

再度四診を行うと、腹診において
臍周辺の緊張などが変わらず残っていた。
続いて、降気を主として刺鍼を行った。
すると、また鼻水が止まった。
その後30分間は鼻水が止まり、治療を終え、
1週間ほど様子をみて頂くこととした。

<2診目>
前回の帰宅後、鼻水はまた出てしまったとのこと。
しかし、気になっていた蕁麻疹が治まるなど
鍼治療は効いている感覚があるようである。
治療方針を前回同様に、
胃気を調えつつ、理気を主に治療を行う。

<3~4診目>
症状の経過は前回と同様とのこと。
しかし、初診時に気になった腹診の所見は
マシになっていることを確認する。
治療方針は変えず。

<5診目>
前回の治療からしばらく日数をおき、
鼻水が、ここ2週間ほど止まっているとのこと。
経過が良いため、しばらく様子をみることにした。
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担当鍼灸師より


「症状は鼻水でしたが、
実際に診させていただくと
胃の弱りなどが気になり、 鼻水の症状は
それら内臓の弱りからきていると感じました。
今後も、定期的に施術を受けられ
内臓の弱りを調えておくことで
症状を未然に防ぐことができると思います。
また診させて頂ければと思いますので
よろしくお願いします」

担当鍼灸師:大原
(2016/10/04 更新)


遅発性内リンパ水腫の改善例

兵庫県神戸市在住 M.S様 54歳 主婦

主訴:遅発性内リンパ水腫

主訴:遅発性内リンパ水腫
既往歴:突発性難聴



?遅発性内リンパ水腫とは・・
突発性または発症時期がわからない高度の難聴が先に発症し、
その数年から数十年後に回転性の眩暈を繰り返すが難聴は変動しない。
原因は不明で、根治できる治療法は現時点では見つかっていない。

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2013年6/19 初診

主な症状:難聴

高音域が聞き取りにくいため、
・電子機器の警告音(ピーピー、チッチッチなど)
・女性、子どもさんの声

さらに、
・密閉空間
・壁を挟んでの会話
・電話での会話
・(相手が)マスクをつけての会話

だとさらに聞きづらくなる。

【考察】
肝胆の気がうまく巡らなくなることで
経絡上にある耳が滋養されなくなり、
難聴となる。
また肝気が脾の動きを抑制することで
脾の昇清作用
(五感の機能を支えるために必要な清らかなものを
耳がある上の領域に持ち上げる作用)
を阻害され難聴、耳鳴り、耳の閉塞感の症状を助長していると考える。

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2013年
〔初診?3ヶ月目〕
徐々に聴力を含め、
耳の閉塞感、耳鳴りなどが改善傾向にある。
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2013年

〔4ヶ月目?6ヶ月目〕
10月に卵巣破裂のため緊急入院される。
ご本人より入院直前にご連絡頂き、
「体調が調ったら、また通います。」と伺う。

11月になり、
病院の検査でも手術後の経過はよいとのことで、
再度御来院頂く。
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2014年

〔7ヶ月目?1年6ヶ月目〕
2014年の年明けから本格的に施術を再開する。
以前の気滞を通す処置とともに、
脾腎の弱いがみられたため、
そちらも同時に対処する。

・・・現在(2016年9月)も続けて加療中。

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初診時から3ヶ月の間で、
どんどん症状が改善されておりましたが、
卵管破裂による緊急入院、手術と
M.Sさんにとって大変な時期となりました。
その後、耳の状態へも影響がありましたが、
再度、弁証を組み立て直し施術にあたらせて頂きました。

耳鳴りや耳の閉塞感は
感覚的なものなので
客観的な数値などで評価しづらいところがありますが、
こまめに情報を頂くことで変化をおっていくことが出来ました。

担当鍼灸師:新川

(2016年 9月24日 更新)



西洋薬を飲まずにクローン病を治したい!

滋賀県在住 匿名希望さん 男性 技術職

主訴:クローン病

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2014年12月初旬、
仕事中に強烈な腹痛に襲われ、
その翌日から下痢と血便が続く。
初めは痔と過食によるものかと思われたようですが、
日に日に悪化することから
病院を受診し、クローン病と診断される。

ステロイドによる治療を拒み、入院を拒否。
大阪にある漢方、鍼灸を治療軸とする
医院にて治療を開始。
治療を開始して1週間は改善の
兆しがあったようですが、
その後は大きな変化はなく、
むしろ悪化しているような感覚になり、
当院での施術をご希望なさる。
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初診は2015年4/2。


潰瘍は下行結腸に起こる大腸型。
大阪の医院では、
下痢を止める漢方に灸治療。
治療直後の体の状況を伺うと
これらの治療は
体にあっていなかったようなので、
単純ではあるが
正反対の治療方法を考える。

舌診:口舌色あせ、黄苔。
脈診:数脈で按じるとつぶれやすい。
腹診:下?穴付近から気海穴にかけて虚。
弁証:脾・胃・腎の陰虚とする。
取穴:太陰脾経、少陰腎経の経穴に鍼での治療。

治療翌日から
下痢が治まり、食欲が出てきた。
2診目は5日後だったが、
・便の回数は1回/日。
・形はしっかりしている。
・食欲はしっかりある。
と体が良い状態になってきているので
初診時の治療を継続して行い、
配穴は異なってくるが、
29診目の9/24まで治療方針は変えず、
治療を進めていく。

この頃には、
お腹の事も忘れ、
よく食べたりしても
症状は出ることなく過ごせるようになる。
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お仕事が昼夜逆転した生活であり、
食事も真夜中に肉類や麺類を摂ることが
多かったことから、
先述した治療方法が最適ではと思いました。
この治療を29診も続けた理由は、
この様な体の状態で在りながらも
お仕事を今まで通り続けていたからであり、
内心 改善には凄い時間がかかるのではと
心配もしていました。
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29診以降は、
疏肝をメインとした方法に切り換え、
現在(2016年8月時点)でも、
半年に1回のペースで
体調管理の意味で御体を診させて頂いております。


担当鍼灸師:下野

(2016年 8月27日 更新)




10年来悩み続けた多汗症の改善例

大阪府豊中市在住 M.I様 26歳 会社員

主訴:多汗症
既往歴:肺炎、胃腸炎

【依頼時の内容】
お困りの症状:多汗症で困っています。
夏場は少し歩いただけで、全身から汗が吹き出てきます。
汗が出るとなかなか治まりません。
手のひらと足の裏は年中汗が出やすいです。
顔全体にもすぐ汗をかきます。
夏場は汗が酷いので、病院で汗を緩和させる薬を出してもらって、
服用しています。

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4/29 初診

【発汗の特徴】


高校生から症状が顕著となり、特に顔面部、手足、足底にかきやすい。
電車を乗り継いで出勤されているが、
冷房がきいている電車を降り、
少し歩いた後に再度乗車した際、顕著な発汗がみられる。
毎年、梅雨?夏(高温多湿×)になると多くなるため
2年前から病院で出された処方薬を夏の時期だけ毎日服用している。
効果として、数時間は汗が止まりやすくなるが、副作用として口渇がある。

【その他の情報】
元々、食べることが好きで、
特に高校生からは、
ファーストフードなど脂物を好んで食べていた。
その食習慣は現在も続いている。

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【考察】脾胃湿熱



脂っこい食事により中焦の脾胃を阻滞し、(A)
運化機能が低下することでさらに湿が停滞しやすくなる。(B)
湿が鬱することで、化熱し湿熱となる。(C)
暑熱の邪が高まる時期には、一身の湿熱と結びつき(D)
症状の悪化をみる。

方針:清熱利湿

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6/26 10診目
梅雨の真っ最中であり、
例年なら汗が出やすい時期だが、
今年は気温が上がっても、汗がサラサラするようになり、
出勤で電車を乗り継ぐ際も汗が引きやすくなった。

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8/11 14診目


以前飲んでいた薬を久しぶりに服薬したところ、
薬の効き方が強くなり、
以前は4時間ほどだった効き目が
終日汗が引くようになった。
その為、今年はほとんど薬を飲まずに過ごす。

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薬で一時的に症状を抑えることは出来てはいましたが、
口渇などの副作用も出ており、当院へご依頼頂きました。
脂物などを胃に入れ続けることで、それらの処理で胃が消耗する。
ここ数年は胃からしてみれば、
休みなしで働き続けていたような状態となっておりました。
脾胃の湿熱を捌いていきながら、和胃(胃の気を助ける)を行った結果、
梅雨?夏の時期にもかかわらず
汗の質が変わり、汗のかき方が変わっておりました。

担当鍼灸師:新川

(2016年 8月18日 更新)



休むことなく歩けるように痛みの改善を目指す!

大阪市北区在住 S.Mさん 80歳男性
主訴:股関節の痛み

5~10分程歩くと、
股関節が痛くなり、
少し休まないと歩くことができなくなる、
間欠性跛行を呈しており、
いくつか治療院をまわったが症状が改善されなかった。


【7/12 初診】
左股関節の痛みのため、
左足に体重をかけることができず、
右前方に屈むようにしか歩行することができない。

・毎日1リットルの飲酒
・就寝時間がAM1~2時
・下腿部がつりやすい

舌診:紅舌(あせ)、黄苔、舌下静脈怒張
脈診:全体的に沈位で弦、特に尺位に硬さあり
腹診:臍下の裏実

生活習慣や舌診、脈診、腹診の情報から
陰虚血?、湿邪内盛とみて
膀胱経、腎経、肝経の経穴で治療を施す。

治療後、弦脈が緩み、脈が全体的に浮いてくる。


【7/15 2診目】 
前回治療2日後
1万歩歩いても股関節の痛みが出ず
調子良く過ごすことができたと伺う。

舌診:あせ抜ける
脈診:緩脈(やや硬さが残る)
腹診:臍下の裏実がやや表に浮いてくる

前回同様の治療方針で治療をおこなう。


【7/29 4診目】
左足に体重をかけると
また痛みが再発するのではないか
という不安感から
左足に体重をかける事が出来なかったが、
2、3診目以降から
徐々にかけられるようになる。

舌診:黄苔の量が減る
脈診:緩脈(硬さが抜ける)

前回と同様の治療を行う。


【7/31 5診目】
前回治療後、
3時間歩行しても
股関節の痛み気になることがなかった。


【8/5 6診目】
股関節の痛み
ほぼ気になることなく過ごせている。

腰の重怠さがあるということなので
現在も定期的に診させて頂いております。


「御体の負担となる生活習慣の積み重ねが、
今回の症状として現れたのだと感じています。
この患者様の場合、飲酒は気鬱を緩める手段にもなるので
禁酒を無理に勧めることはしたくないのですが、
状況によっては禁酒が症状を早く改善させる事に繋がる場合もあります。
鍼の効果を最大限引き出すためにも
経過をみながら状況に合わせた養生指導をさせて頂きます。」

担当鍼灸師:本多

(2016年8月12日 更新)

足首の捻挫の痛みと湿熱邪

大阪府豊中市在住 S.Sさま 男性
主訴:足首の捻挫
既往歴:不整脈

<症状のきっかけ>
仕事の後、飲み会があり、
酔っ払って転倒したことで左足首の捻挫を患ったとのこと。
そのときの転倒の状況などは
酔っ払っていたため記憶がない。
痛みがなかなか引かないため、二日後に当院を受診された。

<初診>  2016.7.23
左足首の痛みについて、 痛みの具体的な場所や、
足首を内側に曲げると痛みが強くなるなど
症状の詳細を伺う。
?

また、お身体の体質などを伺い、
体質として脾気虚の傾向があること、そして
湿熱の邪が停滞していることなどを四診にて伺う。

舌診:やや紅舌、少白~薄白苔
脈診:右>左で沈、緩、結代脈あり
腹診:肝相火、胃土右~下腹部にかけて邪

痛みのある部位からやや離れた場所に
湿熱の邪の停滞を表す反応が見受けられ、
その場所を治療穴として刺鍼を行う。

10分間置鍼後、痛みがマシになり、
痛みも場所が移動したとを伺う。
確認のため脈診を行うと左右の差が改善していた。

<2診目>2016.7.26
前回の施術後から痛みが取れ、
今回は確認の意味も含めて来院された。

舌診:淡紅舌、少白~薄白苔
脈診:右=左、沈、緩、結代脈あり
腹診:肝相火、胃土~下腹部にかけて邪あり(初診時よりマシ)

前回と同様に湿熱の邪を取り、
同時に脾気を高めるよう施術を行った。
施術後、痛みは完全に消えたことを伺い、治療を終えた。

この日の施術中にお話を詳しく伺うと、
数年前まで飲酒量がかなり多いときもあったという。
今回の捻挫の痛みも転倒がきっかけではあるが、
飲酒の後、痛みがひかない状態だったことから、
臓腑の弱りに乗じて湿熱邪が蓄積されたことが
今回の症状の主病因であると思われる。



「短い期間で症状が改善できた主な理由は、
 ・痛みの発症後、それほど期間が経過していなかったこと
 ・弁証によって症状の原因が特定できたこと
 ・痛みの原因がそれほど深いものではなかったこと
であると思います。
今後、他の方も、お悩みの症状をできるだけ早く改善できるように
しっかりと診させて頂きたいと思います」

担当鍼灸師:大原

(2016年7月27日 更新)







年間100万人に3人。
希少なデスモイド腫瘍手術後から続く腹痛の改善例。

大阪府守口市在住 M.H様 60代 女性

主訴:デスモイド腫瘍手術後の腹痛

現在60代。
40年程前、息子さんを出産後に強烈な腹痛と
腫瘍が腹部に見つかる。
検査をしたところ
デスモイド腫瘍と診断され、
手術で取り除くことになる。

※デスモイド腫瘍
年間100万人に3人が患うとされる、
原因不明の腫瘍。
腫瘍の場所は人により様々で、
手術や投薬、放射線での治療となるが、
非常に再発率が高く、完治が難しい疾患とされている

術後は定期的な検診を行っており、
再発はしていないものの、
必ず夕方以降に腹痛を感じるようになる。
病院では、
腹直筋を切除したことによるものとの見解で、
特に治療方法がなく、
症状とつきあって下さいと言われる。

息子さん夫婦が
当院で治療を受けられていたこともあり、
ダメ元で受けてみようと来院なさる。


2016年5/8、初診。
舌は暗紅色あせで白苔。
脈は沈位で緩滑細脈。(左右差は無し)
腹部

図のように
手術痕がハッキリ残り、
左側の腹直筋を切除したことにより
臍左側から下腹部にかけて落ち込む。
腹診の観点から診ると、
左側は一見無力感であるが、
按じていくと非常に固い邪の滞りにぶつかる。

弁証は脾虚血?とし、
足太陰経の経穴にて治療。
舌からあせが抜け、
脈が中位で太さも出てくる。
腹部に関しては、
臍下に温もりと邪が浮いてきたのを確認。


5/11、2診目。
初診当日の夕方の痛みは⑦くらいになり、
その後は⑥程度になる。
ご本人さん曰く、
今まで変わることなかった痛みに
変化がみられるようになったので、
希望が持てるようになったとのこと。

舌はまだ暗紅ながら苔が薄くなり、
脈にも太さが出てくる。
腹部はまだ無力感ながら、
邪が表に出てくる。
治療方法は初診同様。

5/18、3診目。
腹痛は②程度までになる。
腹診においても、邪が小さくなり、
腹に力が出てきている。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ここから仕事の都合もあり、
2週に1回のペースとなる。

7/5、6診目。
腹痛は全くなくなり順調とのことで、
病気をしたことを忘れる程になる。
重要視していた腹診も、
邪がほぼ消えてしまい、力もしっかりあり。
治療方法は、
健脾を目的に行う。

現在も、2週に1度のペースで治療中。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「お嫁さんが腸疾患を改善されたことで、
もしかしたらと思い、治療を受けられました。
正直、あまり聞くことのなかった疾患名ですが、
最近では某芸能人の方が、
この疾患で入院、手術なさったようで、
少し世間に知られた疾患になりつつあります。

今回は術後の不調でしたが、
この様な場合でも十分効果がありますので、
再発防止にもなるのではと感じております。」

担当鍼灸師:下野

(2016年7月20日 更新)




夜も眠れない原因不明の痛み 末梢神経障害の症例

                                大阪府池田市在住 Y.K様 47歳 自営業

    主訴:末梢神経障害
    既往歴:不眠症

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   【依頼時の内容】
  背中上部(肩甲骨周り両方)から
  上腕裏側にかけての強い痛み(ジーンとした)熱さも感じる時がある。
  と両太もも(表)の同様の痛み。
  内科検査異常なし。整形外科(首周りのレントゲン)異常なし。
  神経内科で末梢神経障害(原因不明)と診断。皮膚科対象外との事。
  鎮痛剤効き目なし。不眠ぎみ。睡眠薬効き目なし。
  痛みを取りたい。しっかり寝たい。
  何とかなりますか?
  ---------------------------------------------------------------------------------
  2016年4月16日 初診

  待ち合い室にて、
  疼くような痛みのためじっとしている事が出来ず、
  また気分が悪いため一旦外へ出てお待ち頂く。
  顔面の血色は土気色を呈す。

  1週間ほど前から、
  以下の部位に症状が現れる。



   舌診:やや紅舌、薄白苔
  脈診:滑
  腹診:季肋部の浮きが顕著、その周囲の停滞が強い
  経穴の反応:後谿、三里、太谿、心兪、肝兪

  【術者の考察】
  心の気血が暗耗することにより、
  心陽が損なわれつつあると診立てる。

  心兪や中庭?鳩尾の虚の反応が深く、
  心の気血をみなぎらせることで、
  心における陰陽の平衡も保たれると考え処置を行う。

  その後の痛みと熱感の推移を以下のグラフで示す。


  縦軸:痛みと熱感のレベル
  横軸:時間軸



  上のグラフを見ると2診目から5診目にかけて
  緩解するスピードが緩やかで
  その後6診目以降、急速に改善していくのが読み取れる。

  【2診目(4/17)?5診目(4/24)】
  ◎心の領域における気血を補うように処置
  舌診:奥まっていた紅味が徐々に表面へ出てくるようになる
  脈診:滑脈が徐々に鎮まる
  腹診:季肋部の浮き、その周囲の停滞が治まる。
  経穴の反応:胸部の経穴(中庭)の深い虚が徐々に埋まってくる。
  自覚症状:じっとしている事が出来るようになったので、
       以前より眠りやすくなった。
       その影響もあり痛みと熱感に波が出てくるようになる。

  【6診目以降?】
  ◎心の気血が補われたので、心腎の交通を促すように処置
  経穴の反応:胸部の経穴(中庭)の深い虚がうまる。
  自覚症状:痛みや熱感が消失していき、
       感じたとしてもそれまでは範囲が広かったが、
       点在するように局所的なものに変わってきた。

  6/15(11診目)時点


  
  御体としての基盤をしっかりさせるために
  同じ方向性の施術を地道に積み重ねる期間があります。
  上記の2診目から5診目にかけての期間がそれにあたり、
  心の気血が充実するまでが
  一つの山場として判断しておりました。
  その山を越えると後は順調に症状も改善されていらっしゃいました。
  このレベルまで来ると一安心ですし、
  多少負担がかかっても症状が再発することは少なくなってきます。

  担当鍼灸師:新川

(2016年 7月13日 更新)





胸から腋・背部にかけての痛みと発疹!
長期間の治療を覚悟した中、
短期間の鍼治療で改善した帯状疱疹の症例

京都市右京区在住 中村S様 37歳 女性 インストラクター

主訴:帯状疱疹
既往歴:頚の痛み

【2016年5月17日(火)、一鍼堂来院。】




前面は胸のすぐ下なので
デリケートな部位のため未確認だが、
背部の罹患部位を望診にて確認。
発疹部位が紅くなって痛み・痒みを伴う模様。
下着を装着すると痒みが増悪するとのこと。
今年の年始から5月くらいにかけ、
多忙でずっとバタバタしていた とのこと。

舌診:少白苔
脉診:やや滑・緩脈
腹診:肝相火の邪。水分・両滑肉門付近の虚。
考察:肝鬱気滞証
取穴:足厥陰肝経の経穴・足太陰脾経の経穴
治療後:全体的に体が緩む感覚あり。

5/19(木) 2診目
痒みなどは変わらないが、
頚がスッキリしたと話を伺う。

切経にて左の心・小腸経の気滞が顕著。
取穴部位を変えて施術。
取穴:手太陽小腸経の経穴
治療後:全身ポカポカする得気あり。

5/22(金) 3診目

背部の罹患部位を望診。
紅みはまだあるが、大分痛み・痒みが引いたとのこと。

5/26(土) 4診目

背部を望診。
紅みが少しあるが大分キレイになってきた。
痛み・痒みも無く過ごせている。

6/2(木) 5診
6/9(木) 6診
共に良好。経過良いので1ヶ月ほど間空けてみる。

7/4(月) 7診目

背部を望診。
罹患部位の紅みも消失。下着を着けても大丈夫と伺う。

患者さん曰わく
「インターネットの情報だと
完治に2年も3年もかかったという情報が多く、
長期間の施術を覚悟していたが、
短期間の施術で改善されたことに驚いた。」とのこと。


その後、再発防止のため メンテナンスで月1回 施術中。
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「気滞による痛みと発疹でした。
正気の弱りもさほど無かったので改善が早かったと思われます。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク:
帯状疱疹…京都市右京区の中村S様の鍼灸治療体験談

(2016年 7月 5日 更新)





度重なる放射線治療による

腸管癒着と腎萎縮からくる過敏性腸症候群と腎盂炎の改善例

大阪府豊中市在住 T.K様 73歳 女性

主訴:過敏性腸症候群
既往歴:子宮癌

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【依頼時の内容】
昭和51年 4月 33歳
子宮癌手術 2期に終わり
術後コバルト(放射線治療)30回照射
腸癒着、腎臓片方縮む、膀胱血尿(今も続く)

術後 便が出にくいのでセンナを大量に飲み
腸が動かなくなり慢性過敏性腸症候群になり
お腹が腫れ水が溜まり、肺まで溜まる。
入退院をくり返す。
ガスと便が出なく、薬を飲むと
お腹が痛くなりお腹が腫れます。

24年前に鍼に出会い入院しなくなりました。

今まで腎盂炎によくなっていました。
昨年6月に貧血で入院、輸血をして貰い
7月に膀胱に7cmも石が溜まり、
手術して貰ってから落ち着いています。

(本文ママ。)

【2016年4月28日(木)、一鍼堂来院。】


・過敏性腸症候群
便通は1日に2行あるが、
少量の軟便しか出ずスッキリしない。
ガスが出ずにお腹で溜まってしまうため
腹満し食欲がなく少食。
そのため昔から身体は華奢で細い。

・腎盂炎
放射線治療により片方の腎臓が縮んだことで
尿がスッキリ出なくなる。

・左脚の浮腫
腎盂炎により左臀部~左脚にかけて浮腫。
右脚の倍くらいに腫れている。
浮腫を抑えるために毎日 着圧ソックスを履いているが
目立った効果は見られないとのこと。

舌診:やや暗紅、舌根部 白苔
脈診:緩滑弦 やや数
腹診:両肝相火の実、関元・左太乙の虚
考察:?血証
取穴:足太陰経の経穴
治療後:お腹がグルグルよく動く得気あり。

5月2日(月) 2診目
前回治療後、ガスがよく出る様になり
お腹が軽くなったとのこと。
朝起きたときの左脚が柔らかくなっているとのこと。
舌診:暗紅マシに
脈診:弦脉消失
腹診:両肝相火の実がよく緩んでいる

5/5(木) 3診目
5/9(月) 4診目 共に良好。

5/12(木) 5診目


便が大分安定して出るように。
また、この頃より左脚の膝下と足関節の少し上に
シワが出てくるようになり、細くなっていることを確認。
実際に朝は大分細くなって脚が軽くなっていると
本人も気付いている。

5/19(木) 7診目
調子良く過ごせているので
外食でずっと控えていたトンカツを食べてみたところ
腹痛と吐き気が出てしまうが、
翌日にはお腹の調子が正常に戻る。
以前なら3~4日はずっと腹痛で調子崩すところなのに
1日で持ち直すのは大変珍しいとのこと。
腹診:両肝相火の邪、左太乙の虚が消失。
下焦を扶けるため、取穴を足少陰経の経穴に代える。

5/26(月) 9診目


この頃より尿がよく出るようになると伺う。
また脚の浮腫も比例して大分柔らかくなり細くなってきた。
左足だけ履けなかった靴が履けるようになり大変喜ばれる。
腹診:関元の虚埋まってくる。

現在も経過良好。
週2回のペースで現在も診療中。
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「度重なる放射線治療による臓腑の損傷がありましたが
しっかり扶けてあげれば、臓腑の回復も順調に進みます。
これは西洋薬ではできない、
東洋医学の鍼が成せる業であると自負しております。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク:
過敏性腸症候群…大阪府豊中市のT.K様の鍼灸治療体験談

(2016年 6月 16日 更新)




抜いても抜いても膝に溜まる水

大阪市西淀川区在住 T.A様 74歳 女性

主訴:膝に水が溜まる
既往歴:なし

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【メールでの御依頼文】
大病を患ったことはありませんが現在、
薬を5種類服用しています。
・プラバスタチンNa塩錠
・ベタヒスチンメシル
・エピナスチン
・エトドラク
・レバミヒド

今回の症状の経過
昨年6月から7回左膝の水を抜きました。
10月末、落ち着きましたが今年2月27日また水を抜きました。
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ご本人さん曰く、
今まで病気一つしたことが無かったようだが、
2015年の6月から
・膝周囲が張って、重たくなる
・左足が熱くなったり、冷たくなったりする
といった症状が出てくる。
整形外科を受診したところ
膝に水が溜まっているとのことで、
注射器4本分の水を抜いてもらう。
抜くと症状は消えるも、
また数日後に再発し、
その都度水を抜くという治療を
繰り返していた。

2016年3/5、初診。

四診より肝腎陰虚証と考え、
足少陽経経穴、背部兪穴に刺鍼。
施術後は、
膝周囲が温かくなる感覚が出てくる。

3/9、2診目。
初診後から3日間、
膝の症状はなく、腫れも引いていたので、
整形外科でも水を抜くことは回避できた。
ただ仕事をし過ぎると、
膝が腫れた感覚になり、
自転車に乗るのが辛くなるとのこと。
施術に関しては初診と同じ。

3/12、3診目。
相変わらず忙しかったが、
膝の状態は良く、
自転車も割と乗れたとのこと。
施術は同じ。


3診目の施術以降から

○主訴が全く気にならなくなった
○膝の太さが左右整った
○睡眠がぐっすり取れる
○腕の痛みが消えていた
○歩くスピードが速くなった
体が大きく変わってきたと実感される。

5診目までは週2回のペースで治療を行い、
それ以降は週1回、
5月からはメンテナンスとして
3週に1回のペースで御体を診させて頂いております。
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膝に水が溜まるという症例を
治療させて頂くことはよくあるのですが、
臓腑が調い気血が巡れば
水を抜かずに済むケースが多いです。
ご本人さんは、
最初は水を抜きつつ、
鍼治療を併用かなと思われていたようですが、
それを良い意味で裏切ることが出来て良かったです。

担当鍼灸師:下野

(2016年 6月15日 更新)



慢性中耳炎の鼓膜裂孔を鍼灸で改善

神戸市中央区在住 A.Y様 50代女性 教育関係

主訴:慢性中耳炎(左耳)
既往歴:副鼻腔炎

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4年前に中耳炎を発症し、
その時は直ぐに完治したのだが、
以降 疲労や季節の変わり目に
中耳炎を再発するようになる。
今回の症状は2015年の3月から続いており、
耳鼻科では耳を清潔にすること、
定期的(10日に1回)に受診をするように
との指導をされる。

2016年3/24 初診来院。
【症状】
①鼓膜に穴が空いている。
②それにより、水が常に出てくる。
③耳の閉塞感と痛みを感じる。

※慢性中耳炎とは
図の鼓膜部分が裂孔している状態。


【症状の傾向】
am 6:00 起床。耳はスッキリ。
am 9:00 左耳から「ボーボー」と音がする。
am 11:00 左耳から水が出てくる。
pm 10:00 入浴後耳がラクになり、水が止まる。

【治療】
中焦脾胃の弱りが根底にあり、
そこに肝鬱や暴飲暴食が重なり
?血を形成したと診立て
手の陽明経、足の太陰経に刺鍼。
置鍼中、顔の脂汗(ご本人曰く)が引き始め、
同時に左耳が熱くなる。
抜鍼後、暗紅舌、洪脈が消失したのを確認し、
初診は終了。

3/31 2診目。
【症状の経過】
治療翌日から1週間
「ボーボー」という音が消失し、
同時に水が出てくることも減ってくる。
また3/29には
今までにはなかった黄色の臭い水が出て、
その直後から耳の閉塞感が軽くなった。

【治療】
前回の方針を続ける。

4/7 3診目。
【症状の経過】
1週間を通して、
「ボーボー」と言う音と水は出なかった。
また2日前に耳鼻科に行ったところ、
鼓膜の穴が閉じていた。

【治療】
前回までと同様。

4/14 4診目以降。
人事異動の関係で職場が変わり、
神経を使ったり仕事の引き継ぎで
帰りが遅くなったりとしたようだが、
耳の症状は安定し、落ち着いている。
4/25に耳鼻科を受診したところ、
穴は閉じており、炎症も診られないので
2ヶ月後の受診となる。

5/1の時点で
耳の軽い閉塞感がまだ残っているため、
引き続き治療を継続している。
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「鼓膜に穴が空いていても、
平素から水の出が止まることがある
とのことでしたので、
治療が波に乗れば自然と閉じるのでは
と思い治療を行いました。
2診目の2日前に黄色い臭い水は
長い間停滞していたものが
気血の巡りが良くなったことで
外に出てきたものだと推測でき、
おそらくこの直後には
鼓膜の穴は閉じていたと思われます。

最終目標は
中耳炎が再発しない体をつくることですので、
今後も治療を継続していきます。」

担当鍼灸師:下野

(2016年 5月12日 更新)




整体やカイロプラクティック、
他院での鍼治療などあらゆる施術を受けても
改善しない原因不明の倦怠感・眩暈(めまい)・吐き気の改善例

大阪府吹田市在住 匿名希望様 31歳 女性 主婦

主訴:倦怠感・眩暈(めまい)・吐き気

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【来院時の依頼文】
心療内科で薬を処方してもらって飲んでいますが、
その時だけ良くなり、毎日体がだるい日々です。
それがもう5年くらいになります。
1度鍼を試した事がありますが、
その時はその先生と合わず良くなりませんでした。
こちらの評判を見て一度頼りたいと思いご連絡させて頂きました。
よろしくお願いします。

病歴:
約6年前に、動悸、ほてり、目眩などが
急に起こるようになって病院(内科)に行ったが、
特に異常無しと言われる。

友達に似た症状の子がいて、
心療内科を勧められ受診したところ、
特に病名を言われる事なく薬を処方される。

おそらくストレスだろうとの事で、
確かにその時仕事でストレスがありそのまま薬を服用しつつ通勤する。

そこから乗り物に乗っていてもしんどくなり、
自分でパニック障害じゃないかと思って先生に聞いても、
特に病名を言われる事無く薬を処方される。

病院が遠くなった為近くの病院に
転院しても特に病名を言われる事無く薬のみ処方。

それを続けて約5年程経った頃、結婚し、妊娠する。
妊娠と同時に断薬。
妊娠中は断薬しても特に問題無く過ごす。

2014年10月に出産し、
2015年始め頃まで薬無しで過ごすも、
また再発したようなしんどさがあり、薬を少し服用。

そして今に至り、
今は薬を1日半錠~1錠(数年前のピーク時では1日3~4錠)
飲むようになりまた段々ひどくなってるのかと思ってしまう。
(過呼吸などは無し)

ここ最近お腹の調子が良くない時が多くあったので
内科を受診、過敏性腸症候群と診断される。

仕事をしていた時から
肩凝り、首凝りが酷かったが出産後も酷く常に重い感じ。

数年前に顎関節症と診断された事もあり、
それが原因もあると歯科医に言われる。

この5.6年の間に
整体、カイロプラクティック、鍼を試したが特に良くならず。

以上。
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【2015年11月28日(土)、一鍼堂来院。】
望診:
長身で しっかりした体躯。
待合室で待っている時から少し落ち着きがない様子。

体に出ている症状
・倦怠感
・パニック症状(心悸・不安感・吐き気)
・肩凝り、首の凝り
・眩暈
・過敏性腸症候群
・足の厥冷


体の倦怠感が一番きつい。
病歴にもある通り、約6年前に動機・ほてり・目眩などを発症。
心療内科で仕事のストレスから来る症状と診断を受けるが
病名は告げられず。
当時の仕事はデスクワークでPC作業が多かった。

乗り物に乗ってもしんどくなり、
パニック症状で車や特急の電車などに乗れなくなる。
2013年結婚し、2014年10月に出産。
2015年始め頃までは体調崩すこと無く過ごすも、
授乳が終わった頃に倦怠感が再発。

仕事していた頃から肩凝りや首の凝りがひどく、
産後もひどく重くなる。

舌診:淡紅、舌根部に白膩苔
脉診:濡脈
腹診:両季肋部に邪アリ。対して関元を中心に虚深し。
考察:肝脾不和証
取穴:足厥陰肝経の経穴
治療後:全身の力が抜けるようになる。
養生指導:週6日の飲酒をペースダウンして頂く。

11/29(日) 2診目
前回治療後、体がだるく感じる。
ただ、いつもの倦怠感と違い動けていたとのこと。
飲酒は控えている。
腹診:両季肋部の邪がマシ。胃土の方に降りてきた。

12/5(土) 3診目
前回治療から水曜日までの4日間は体調良く過ごされる。
木曜日が雨天だった為、倦怠感と眩暈がきつく動けなかったが
本日(土曜日)は体調回復し動けるとのこと。
舌診:舌根部の白膩苔→白苔に。

12/12(土) 4診目
雨の日がまだ少ししんどい。
眩暈などは出ないようになるが、
今まで感じなかった咽のつかえが出るようになる。

脉診:濡脉がマシに。
腹診:胃土がやや張っている。関元の虚マシ。

12/26(土) 6診目
咽のつかえ消失するが、
腹部の張りを訴えられる。
また、この頃より便の形が
軟便~下痢→形出てくるようになり、
良い便が出ると体がスッキリし
倦怠感が大分ラクになる。



【2016年】
1月16日(土) 6診目
上半身の症状(眩暈・肩こり・パニック症状)は出ていない代わりに、
今まで感じなかった腰に痛みを訴えられる。

図のように腰の前屈時、大腸兪付近に激痛アリ。
あまりの痛みの為、MRIで検査するが骨や筋肉に異常なし。

舌診:やや紅、舌根部 白膩苔戻る
脉診:緩脈
腹診:胃土の邪は緩んでいるが関元の虚深し。
考察:肝腎陰虚証
取穴:足少陰腎経の経穴
治療後:腰の痛みがだるさに変わる。

1/17(日) 7診目
腰⑩あった痛みが⑤に半減し
痛み→だるさになる。
舌診:舌根部の白膩苔消失。
腹診:関元の虚マシ。

1/23(土) 8診目
腰の痛み⑤→?に消失。
上半身の症状(眩暈・肩こり・パニック症状)が出ておらず
車で遠出もできている。
舌診:やや紅→淡紅に。

その後、パニック症状は出ていないが
症状があちこちに移動しているので
メンテナンスで1~2週間に1回ペースで治療継続中。
体質の変化も見え、産後に増えて落ちなかった体重が
自然に5kg落ちて身軽になってきたと伺う。
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「初診の治療後に体がだるくなったのですが、
力み過ぎていた力が抜けて感じる "だるさ” だったので、
この場合 病的なそれとは違うため、好転反応の一環として診ます。
他にも、症状の出方が目まぐるしく変わった症例ですが、
体質の変化に伴い症状の出方も変わってくるので、
変化に富んだ方が経過良好な場合が多かったりします。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク:
【体験談】倦怠感・眩暈(めまい)・吐き気:大阪府吹田市の匿名希望様

(2016年 5月 5日 更新)




頭部の抜け毛が治まらない!!
円形脱毛症・全頭型脱毛症の改善例

大阪府豊中市在住 M.K様 38歳 女性 事務職
主訴:円形脱毛症
既往歴:喘息
    アトピー性皮膚炎
    胃潰瘍
    花粉症
    アレルギー性鼻炎
    子宮筋腫・子宮内膜症
    アキレス腱周囲炎
病歴:
※ぎっくり腰
(※初診時はぎっくり腰でした)

三歳頃~気管支喘息、アトピー
先天性けいきゅう蓋不全(右股関節)
ストレートネック
ぎっくり腰(13年前、二年前)
アキレス腱周囲炎
左膝痛
胃潰瘍

以上です。
よろしくお願いします。

(本文ママ)

【2014年5月9日(金)、一鍼堂来院。】
ゴールデンウィークで家で休暇を過ごしていたところ
5月7日朝に腰痛を発症。
過去に2度、ぎっくり腰の病歴もあり
癖になっているので体質改善を求め受診。

仕事は福祉事業に携わっており、
利用者さんの自宅に訪問し金銭を預かるなど
社会福祉の仕事をしている。

初診時、撮影した時の顔写真を絵で描写。

考察:大腸湿熱証
治療後:腰回りスッキリされる。

5/10(土) 2診目
ぎっくり腰の痛み消失のため卒業して頂く。
     ・
     ・
     ・
7/21(月)3診目
疲れが溜まってきたので診て欲しいと電話頂く。
右大腸兪付近の痛みと
6月から円形脱毛症が出てきたと伺う。

円形脱毛症の部位:天柱・風池付近(赤で表示)の脱毛を確認

仕事で部署異動があり、多忙でイライラすることが多くなり、
内勤のためPCでの作業が多くなってきたとのこと。
イライラすると頭が痒くなる。
舌診:淡紅でやや老舌
脈診:緩滑脈
腹診:胃土の邪、臍下 下焦裏に深い邪あり
考察:肝鬱気滞+湿熱
取穴:足厥陰肝経、足陽明経の経穴
治療後:腰周りスッキリする。

その後、回数重ねる毎に腰痛消失。

8/10(日) 7診目
目立った抜け毛が無くなり、
天柱・風池付近から産毛が生えてくる。
舌診:老舌、大分マシに。
脈診:やや滑残るが、脈の形出ている。
腹診:胃土の邪気消失、下焦の裏邪も浮いてきた。
体調良好で治療に満足された為、様子診て頂く。

     ・
     ・
     ・

10月27日(月)
一度落ち着いていた脱毛症が悪化してきた為、
再度体を診て欲しいと依頼の電話頂く。

10月28日(火) 8診目

正面からの望診:
全体的に抜け毛が激しく、地肌が見えている。
日常生活において、洗髪する度に何本も髪が抜け、
排水溝が自分の髪の毛で頻繁に詰まってしまうとのこと。
また、風呂上がりに髪を櫛でとく度に髪が絡み、
頭皮が引っぱられることなく髪だけが何本も抜ける。


右側面からの望診:
脱毛が激しい部位を赤で表示。
側頭部と、以前診た天柱・風池付近の抜け毛再発。
頭部全体的に痒みあるが、
円形脱毛の部位が特に痒みきつし。


後面・左側面から望診:
後頭部とつむじ、左の天柱・風池付近の脱毛再発を確認。
今回は特に左右側頭部の抜け毛が激しい。

前回治療後、しばらくは経過良かったが
8月中旬より仕事が多忙を極め、
精神的に過度なストレスと過労の為、
円形脱毛症を再発。
7月の局所的な脱毛よりも広範囲で抜け毛がひどく
仕事のストレスと脱毛のストレスの為、
9月末に仕事を依願退職した。

退職後は皮膚科を受診し、
レーザー治療とセファランチンという増血を目的とした
薬を処方され服用しているが、なかなか改善が診られないということで
当院に再び依頼される。

舌診:紅で老舌
脈診:緩、沈位で滑脈
腹診:下焦裏に深い邪とその邪の周囲が虚している状態
考察:?血証
取穴:足太陰脾経の経穴
治療後:直後の変化は特になし。
陰血を停滞させている?血を捌くと同時に
下焦がどう動くか注視する。

治療は週2~3回ペースで来て頂き
まずは頭部の痒みの頻度を減らしていく。

【10月末~11月】
全体的に痒みがマシになり、
手足が温かくなることを自覚される。
11月半ばには、脱毛部位から毛穴がポツポツ確認できるようになり、
11月末には産毛を確認し、皮膚科でも回復早い方だと診断を受ける。
側頭部の痒みが依然、波があるので治療頻度はそのままのペースで保つ。
活血化?で邪は緩むが、
下焦の正気がイマイチ建ってこないので扶正を同時に施す。
腹診:下焦裏に深い邪が浮いてきた。
   その邪の周囲が虚もマシに。

【12月~】
側頭部の痒い場所があちこちに移動するようになる。
旅行で金沢に行き、傷寒を受けるなどあったが
頭髪の方へは影響なく過ごされる。

【2015年1月~】

正面より望診:
地肌はまだ透けて見えるものの、大分髪で埋まってきた。


後面・左側面から望診:
一番酷い脱毛部位からも産毛がしっかりしてきたと伺う。

痒みはまだ移動して波あるが、
洗髪時の脱毛がマシになってきたとのこと。

【2月~】
この頃より頭部の痒みは治まり、
ポリポリ掻くくらいで済んでいる。
脱毛が無くなってきて、大分ストレスが緩和されてきたので
また仕事をしたいと意欲が出てきて
介護保険業務に携わる仕事の面接を受ける。
また、関東在住の友達が遊びに来るとのこと。
(Kさんは元々、関東出身の方です)
今回の脱毛以前に会って以来なので やや緊張するも、
”気心知れた仲なので隠すことなく遊びます”と返答。
表情を診ても、明るく前向きになっている様子。
尚、介護保険業務の面接も受かり、
4月から仕事始まる予定。

舌診:老舌マシ。
脈診:沈位の滑脈もマシになり脈力が出てきている。
腹診:下焦にある裏邪もよく浮いてきている。
?血が大分解けてきたきたので、気滞を捌いていくよう施術。
下焦の扶正はそのまま継続。

【3月~】
以前から生えている髪と、
新しく生えてきて髪の長さにバラつきがある為
いつも行っている美容院へ行くことに。
脱毛が目立ちだした9月以来の散髪だったが、
美容師さんからも、地肌の状態と髪質について
良くなってきたと評価を受ける。
あとは太さが欲しいところだとのこと。

【4月~】

正面からの望診:
まだボリュームがなく艶もないが、髪大分生えてきた。
髪を櫛でとく時に、やや頭皮が引っぱられるような抵抗が出て
髪が頭皮に根付いていることを確認。


後面・左側面から望診:
髪が伸びてきたため、地肌も目立たなくなってきた。
脱毛部位はまだ細い髪だが、しっかり太くなってきたとのこと。
外見では一見 脱毛しているように見えないところまで回復。

新しく福祉の仕事を開始。
仕事のため、治療頻度が週2回になってしまうが
新しい仕事の環境下でストレスを受けても
脱毛がないように体を調えていくことを目標に施術を重ねる。

仕事内容が内勤の為、ずっとPCを見ている時間が長い。
PCを長時間見ていると、頭がムズムズしてくるが
ひどい痒みまでは出ないようになる。
下焦も建ってきているので扶正はせず、
理気を中心とした施術。

【5月~】
内勤にも慣れてきて、
空いた時間にジムに通うようになり運動する習慣をつけられる。
腹診:邪が表に出てくるようになる。
運動しないと、頭部ムズムズすることがあるみたいなので、
平素から運動をしてもらう。

【6月~】

正面より望診:
髪のボリューム・艶 共に充実しており
櫛で髪をとく時も髪が引っぱられ、
頭皮がグイグイ引っぱられる感覚が得られるようになる。
その時の目立った脱毛も無くなり ほぼ、全快。
同時に皮膚科から卒業と診断を受ける。
症状自体は全快するが、メンテナンスのため
週1回ペースでその後も治療を継続する。

【その後~】
梅雨でジメジメしても、真夏の暑い日が続いても
秋冬の乾燥した空気になっても脱毛することなく過ごされ、
12月、御主人の東京への転勤を機に東京へ引っ越しされ卒業となる。
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「東洋医学では”髪は血の余り”と言います。
(参考:脱毛症の東洋医学解説
気血が弱って枯渇したり滞ったりすると、
髪が抜けますよという意味です。
Kさんの場合は、仕事のストレスで気が滞り、
気が長期間に渡って滞ると?血(おけつ)という血の滞りが発生します。
髪を栄養する血が滞ると、髪が栄養されなくなり、
次第に抜け毛を発症するわけです。
Kさんは気血はしっかりある方でしたが、
長期感に及ぶストレスと過労で、
気滞が下焦に落ちこみ?血を形成してしまいました。
施術では滞った血を活血しながら、
下焦を強く整備し、気血が深いところで
?滞しないように心掛けておりました。

一度、円形脱毛症で診ていたのに
寛解したことに満足してしまった為、
その後 症状を再発させてしまった症例なので、
一度の寛解で満足せず、継続して診ておいて
再発しないよう しっかり御体補強しておくべきでした…。
Kさんには伝えてませんでしたが
初診時(ぎっくり腰の時)よりも
髪の色艶やボリュームを出すことを
念頭に施術させて頂きました。

担当鍼灸師:為沢

関連リンク:
・卒腰痛(ぎっくり腰)…大阪府豊中市のM.K様の鍼灸治療体験談
・円形脱毛症…大阪府豊中市のM.K様の鍼灸治療体験談
・円形脱毛症(再発防止)…大阪府豊中市のM.K様の鍼灸治療体験談

(2016年 4月 9日 更新)


膵炎による肩甲骨周辺から肩の激痛を鍼灸で改善

大阪府在住 匿名希望様 50代女性

主訴:膵炎による左肩甲骨周辺から左肩の痛み
既往歴:逆流性食道炎

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2015年の10月頃に
過度のストレスで不眠や食欲低下が起こり、
不安神経症と診断される。
心療内科で薬を処方され服用するも
体調は一進一退の状態だったところ、
11月中旬に強烈な腹痛に襲われる。
その後、左肩甲骨周辺から左肩にかけて
腹痛同様に強烈な痛みに襲われ、
マッサージや痛み止めを服用するも改善なし。
病院を受診したところ膵臓が腫れており、
また血液検査での数値異常から
膵炎と診断され、
各種痛みはそれによる*関連痛と言われる。
ただ膵臓が腫れてはいるが、
食事制限と薬の服用で抑えられると判断され、
入院等の処置はなし。

食事制限と薬の服用によって
膵炎自体は改善傾向になるものの、
関連痛が改善しないとのことで、
当院での鍼灸治療をご希望なさる。

※関連痛(referred pain):
『疼痛の原因病巣から多少離れた部分に感じる疼痛。
内臓の疾患の場合に、内臓の求心神経の興奮が
一定の皮膚に投射されて感じられる。
内臓からの求心性神経と皮膚からの求心性神経が
同じ脊髄節には入り、両者に干渉が起こり、
内臓からの刺激が皮膚からの刺激として
大脳感覚野に伝わるためと考えられている。』
「最新 医学大辞典 第3版」医歯薬出版株式会社より抜粋

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2016年1/27、初診来院。
体はやせ細り、顔色は白い。
ただ声は割としっかりで、ハキハキお話になる。
主訴の関連痛に関しては、
常時痛みがあり、和らぐ事があまりないようである。
また食欲不振、動くと体調を崩すといった症状がある。

青色が関連痛の部位

舌診:淡紅舌で舌の震え。
脈診:浮緩滑で按じると力なし。
腹診:下腹部が表面は弛緩しているが、按じると板の様に堅い。
切経を行い、四診より心脾両虚と診立てる。
置鍼中から肩甲骨付近が熱くなり、
施術後には痛みは消失する。

1/31、2診目。

治療当日より症状に動きがあり、
2日後より安定してきたよう。
施術方針は初診通り。

2/4、3診目。

全体的に随分とラクになる。
また主訴である関連痛以外にも、
膵臓の腫れが小さくなっており、
医師からも経過は順調との説明を受けた。

2/10、4診目。

3診目治療当日より痛みが消失し、
そのまま継続。
食欲も戻り、体を動かすことも苦にならなくなる。

4診目以降、関連痛が出ることはなく、
また膵臓自体に関しても
順調に腫れが引いてきている。

今も体調維持や肩こりの改善で
定期的な治療を継続しております。

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「近年増加傾向にある膵炎は
重度のものとなれば
入院や手術へとなりますが、
匿名希望様のような状況の方であれば、
生活を送りつつ薬の服用となるようです。
ただ、痛みがすぐに取れる訳ではなく、
また痛みによるストレスから
不眠や体調不良を引き起こす方もおり、
痛みを我慢するというのが多いようです。

匿名希望様の場合、
順調に痛みが取れており、
痛みのストレスが薄らいでいくことで、
他の症状にもよく効いておりました。
ただ、無理な食事制限をしたこともあり、
体の状態としては改善途中でありますので、
まだまだ油断は禁物です。」

担当鍼灸師:下野

(2016年 4月6日 更新)






慢性炎症性脱髄性多発神経炎の改善例

大阪府豊中市在住 E.K様 38歳 

主訴:慢性炎症性脱髄性多発神経炎欲
既往歴:潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎

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2010年7月23日 初診
当時の主訴は、頭痛、肩の凝り。
3診程診させて頂き、
経過宜しいため様子をみて頂くようお伝えする。




2015年10月22日
ご本人より連絡頂き、
『慢性炎症性脱髄性多発神経炎』が
再発したので診て欲しいとご依頼頂く。

《memo》
慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー/多巣性運動性ニューロパチーは
2ヶ月以上にわたる慢性進行性
あるいは階段性、再発性の左右対称性の四肢の遠位、
近位筋の筋力低下・感覚障害を
主徴した原因不明の末梢神経疾患である。

病因は末梢神経ミエリンの構成成分に対する
免疫異常により生ずる自己免疫性疾患と考えられているが、

詳細は不明である。
引用元:難病情報センター(http://www.nanbyou.or.jp/entry/3656)より抜粋

主な症状
足底(左)の痛み・痺れ

特徴:
指の付け根全体から土踏まずにかけての痛みと腫れ、
たまにビリビリとした痺れあり。
その影響で就寝中、2時間おきに覚醒してしまう。

環境:春頃から仕事が多忙となり、
   休日出勤もこなしていた。

※今まで効果があったステロイドの点滴が効かなくなってきた。
→また薬の副作用として、目のかすみ、むかつき、味覚鈍麻あり。

弁証:心腎不交証
舌診:紅舌、白苔、全体に乾燥
脈診:寸位に滑
腹診:臍下の虚、中脘にうすく虚、心下部〜季肋部、肝の相火にかけて停滞あり


10/25

→指の付け根付近の痛みが足底全体へ薄く引き延ばされる感覚があり、
腫れと痺れを感じにくくなる。
また、安静時は痛みを感じなくなる。

舌診:紅舌→淡紅舌へ、白苔→やや薄れる、乾燥はまし

11/7

→指の付け根と踵に痛みが残るがきつくても④
このころから職場では杖をつかない日もでてくる。


11/25

※かかりつけの医師の判断による減薬
12/12

歩いても違和感を感じる程度で治まり、
神経痛は感じなくなってきた。

弁証:腎気虚証
当初の心腎不交の状態から比べると、
心の熱を制御しやすくなってきているので、
腎気を中心に建てていく。

12/23

※かかりつけの医師の判断による減薬

2016
1/4
調子が良い時は、
杖なしで出勤できるようになる。

1/13

※かかりつけの医師の判断による減薬

2/13


→痛みはなく、硬さが足の付け根の中央部分に限局してくる。

お子さんと外出され、
帰り道に約3kmほどの道のりを歩ききる。

2/27
出勤される道中などで小走りができるようになる。

現在も引き続き加療中・・・

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【まとめ】
「暫くは鎮静化していた症状が再発し、
以前効果があった薬が効かなくなったため
ご来院されました。

一般的な治療法として
ステロイドなど
人体への負担が大きい薬で緩和させていく方法が
標準的に施されますが、
それ以外の可能性を感じることが出来た症例です。

主な方向性としては、
序盤は心腎の協調をとり、
心火が落ち着いてきたところで
腎気を建てることに集中して施術を行いました。
まだまだ改善の余地がありますので、
今後も継続して施術を進めて参ります。」

(2016年 3月 31日 更新)




長年ある尿潜血と蛋白尿の改善例

大阪府吹田市在住 匿名希望様 30歳 女性
主訴:慢性糸球体腎炎

病歴:
7年前から尿検査にひっかるようになる
潜血3+蛋白3+になった年に腎生検でiga腎症とわかり、
2010年8月から扁摘パルス(扁桃腺摘出とステロイドパルス)を開始。
一年後には潜血1+蛋白-まで落ちつきました。
治療として耳鼻科でBスポット療法をしていましたが
2年位前に寛解といわれてからは何もしてません。薬も飲んでいません。
半年前位から疲れやすくなり左腰の痛みがずっとあります。
自宅で検査したところ潜血2+蛋白1+でていました。
私の腎臓の炎症は鼻の副鼻炎が原因らしいので
そこを治せたらいいなぁと思っています。

(本文ママ。)

【2015年7月12日(日) 一鍼堂来院。】
問診:
尿検査のまとめ。
(尿 潜血の値と蛋白の値
+…検出されたため不良  −…検出されていないため良)

2010.8.17  両口蓋扁桃摘出手術 & ステロイドパルス開始


母が腎炎を患っており、遺伝的な腎の弱りも考慮。
幼少期は尿検査で何もなかったが、
大学在学時から尿検査で引っかかるようになる。
出身は福岡県で、大学は山口県の学校に入学。
卒業後は広島県で就職(家具屋)し、
転勤で広島→東京→大阪と転居。
その間、2010年に結婚。
同年、上記の表にもあるように
尿検査にて潜血と蛋白が顕著に検出されるようになる。

8月・両口蓋扁桃腺摘出手術・ステロイドパルスを受ける。
ステロイドの大量投与により、
全身に吹き出物と顔面の浮腫(ムーンフェイス)の副作用が出る。

2012年
数値上で寛解した為 投薬での治療を終える。
その後、フルタイムの仕事に就き、
耳鼻科のBスポット療法を受けに通院するが、
潜血・蛋白共に改善することないので通院を止め、
2年ほど何の治療もせずに過ごす。

2015年
腰の痛みや疲れ易さから尿検査をしたところ
潜血と蛋白が検出。

自宅近くの鍼灸院を1度受診し、身体的な効果を感じるも、
治療とは別で、講習会へ参加するよう促され
怖くなって1回だけの受診で止める。
他の鍼灸院で探しているところ、当院に依頼を託される。

望診:
頭・手足の多汗があり、ハンドタオルを常備していないと
汗だくになってしまう とのこと。

身体的な症状として、
頭部・手足の多汗。足の厥冷。腰痛。易疲労。
多汗は平素からの症状で、昔から有り。

舌診:舌尖 紅
脈診:滑やや数
腹診:両脾募の邪、両肝相火の邪、両少腹部の虚
切経:手少陰経にやや虚中ノ実、手少陽経と手太陽経の自汗
   足陽明経・足太陰経・足厥陰経の実、足少陰経の虚が深し
考察:腎気虚証
取穴:足少陰経の経穴
治療後:全身がスッキリする
養生指導:
体力をつける為、毎日運動(まずは散歩)して頂くよう伝える。

7/16(木) 2診目
前回治療後
尿検査 潜血± 蛋白2+
尿色  濃黄→淡黄

7/20(月) 3診目
引き続き尿色が淡黄keep

7/23(木) 4診目
21(火)に尿検査をしたところ、
潜血− 蛋白− になったと報告を頂く。
体調面でも易疲労がマシになってきたとのこと。
腹診:両季肋部の実よく緩む。
治療方針は補腎を軸に施術。

以後、週1〜2回ペースで施術。

8月(5診〜10診)
もともと飲酒が好きで、外食で飲酒する機会が多く
尿 潜血と蛋白にも影響することが多々あり。
飲酒による体調不良を懸念し、
飲み会があっても飲酒を控えめにして頂く。
(飲酒が好きな為、禁酒を指示するとストレスかけるだけなので、
せめて少なめの摂取にして頂くよう約束をする。)
脈診:やや数が落ち着く

9月(11診〜16診)
尿色が淡黄で綺麗に出るのはkeep。
9月末頃より体質の変化が出てきて
外食で飲酒しなくても平気なようになり、
飲酒しても少しの量で満足できて、
尿に影響出ないようになる。
また、9月末で事務職を退職することになる。
養生指導で伝えた運動継続している為、
腰痛易疲労もマシになっている。
脈診:滑脈よく緩んでくる

10月(17診〜24診)
この頃より、頭部の多汗がマシになる。

尿色は綺麗でなままkeep、
調子が良いので尿検査はしていないとのこと。
舌診:舌尖の紅がマシになってくる。

11月(25診〜31診)
尿色は淡黄で良い状態keep。
手足の多汗は多い時とマシな時で波があるが、
今まで出なかった手足頭部以外の全身に
汗が満遍なく出るようになってきたとのこと。

12月(32診〜36診)
久しぶりに尿検査するも 潜血- 蛋白- で+の値が出ずに済む。
もし、+が検出されればステロイドパルス治療を受ける予定だった。
ステロイドパルス治療は全身に吹き出物と
顔面の浮腫(ムーンフェイス)の副作用が出た経験があったので
受けずに済み安心した様子。

〜現在(3月)
尿 潜血と蛋白については大分安定感が出てきている。
現在は手足の多汗症に主訴を切り換え治療中。

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「現在も継続して施術しております。
尿検査で異常値が出ないようにすることも大事ですが、
鍼せずとも自力で代謝できるように
体を補強するよう心掛けております。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク
慢性糸球体腎炎…大阪府吹田市の匿名希望様の鍼灸治療体験談

(2016年 3月 25日 更新)


整形外科で治らなかったモートン病を治したい!!

大阪府高槻市 K.K様 女性 61歳 主婦
主訴:モートン病
既往歴:卵巣膿疱

【来院時の状態】
昨年(2014年)6月頃、自宅で左足指をひねり、
外出時に足指付け根に痛みを感じるようになりました。
10月頃、何かを踏んづけてから、右足指の付け根も痛くなりました。
今年2月整形外科を受診しモートン病と診断され、
靴の中敷を作っていただき使用しています。
中敷を敷いていると痛みは殆ど感じません。
10年位前に更年期の症状が出ましたが、
その頃から爪がはがれやすくなりました。
冷え性で、たまに手の指が冷たくなります。

(本文ママ。)

【2015年4月3日(金) 一鍼堂来院。】
罹患部位:
足裏にある裏内庭付近。

主に歩いていると痛くなって、堅い革靴だと激痛が走るので
履く靴がスニーカーに限られており、
今はスニーカーに中敷きを敷いて歩いている。
革靴でも中敷きを敷けば幾分 楽だが、長時間の歩行は厳しい。
外出が好きだが、足の痛みがあるので
遠い所への外出が億劫になっている。
御主人が単身赴任でマレーシアにおり、
5月7日から1週間、御主人の所に行く予定がある為、
それまでに足の痛みを治したいと依頼を受ける。

靴による痛みをランク分け

F・スニーカー(中敷きあり)が一番ラクで、
A・家で裸足で歩くのが一番きつい。
5月7日の旅行までの約1ヶ月の期間でできるだけ
高いレベルでの回復を目標とする。

舌診:やや老舌、舌辺ハゲ、紅舌
脈診:濡緩 少し数脈
腹診:両季肋部と胃土の邪、右少腹部の邪が深い
切経:手陽明経のラインに肌表の枯れ
   手少陰経やや虚
   足太陰経の実や虚中ノ実が深い
   足少陰経の枯れ
   足厥陰経に実が目立つ
考察:瘀血証
取穴:足太陰経の経穴
治療後:全身の力が抜けたような得気あり。
瘀血を散らしたいので、家で安静にせずに、
毎日散歩して頂くよう養生指導する。

4/6 (月) 2診目
手足がよく温もり、体がスッキリしているとのこと。
右足の痛みは変わらないが、左足の痛みが⑩→⑦と軽くなる。
家のスリッパだと痛みがある とのこと。
舌診:やや老舌と紅舌マシに。
脈診:少し数脈がマシに。

4/10 (金) 3診目
スニーカー中敷きありで痛みなし。
スニーカー中敷きなしだと
右足の痛みが⑩→③と改善。
左足の痛みも⑦→①と少し気になる程度に。
腹診:右少腹の邪が浮いてくる。

4/17 (金) 4診目
スニーカー(中敷きなし)
⓪で痛み無く歩けたとのこと(E cleared)

4/24 (金) 5診目
両足軽い痛み程度。
御近所への外出で革靴(中敷きあり)でトライして
痛み無く歩けたとのこと(D cleared)
家でスリッパ履いて歩いても痛みなし(C cleared)
脈診:濡緩がしっかり形出てくる
腹診:腹邪、表在に出て分散してくる。

4/28 (金) 6診目
大阪(梅田)へ外出する予定があり、
革靴(中敷きなし)で出掛けてみたが
痛み無く歩けたとのこと(B cleared)

5/1 (金) 6診目
F〜Bはほぼ大丈夫。
A・家で裸足で歩く分にはまだ痛みあるが
右足の痛む場所が裏内庭→足底弓(土踏まず)に移る
左 裏内庭はよく緩んでいる。

5/5 (火) 7診目
一番きつかった家で裸足で歩いても
足底の痛み無く過ごせている(A cleared)

その後
5/7〜1週間、ご主人の単身赴任先のマレーシアへ旅行に。

5/22以降 マレーシアから帰国後も足の調子良く過ごしており、
7/16〜26とクロアチアへ旅行に行っても
足の痛みなく、ハイキングなどされて過ごされる。

その後も体調管理で
週1回〜2週間に1回ペースで継続して施術中。
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「旅行までの1ヶ月という期間の間に
ギリギリ間に合わせることができました。
K.Kさんには施術期間中、足の痛みある中で
散歩などして頂くように養生指導したのを
しっかり守ってくれました。
この症例のように、
痛みがあるから安静にするのではなく、
痛みがあるから、敢えて動いてもらうことで
早い改善を診る場合もございます。」

担当鍼灸師:為沢

関連リンク
モートン病…大阪府高槻市のK.K様の鍼灸治療体験談

(2016年 3月 3日 更新)



再発した耳の閉塞感

耳鼻科で処方されたお薬で一度は緩解した左耳の閉塞感が、
再発した患者さまの症例です。

大阪府摂津市在住 N.Mさま 39歳 研究職

主訴:感音性難聴(左耳の閉塞感)
既往歴:逆流性食道炎

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【耳の閉塞感の経過・病歴】
10/5朝起きた時に左耳の閉塞感を感じ、
10/8に耳鼻科にて受診し、
処方された薬を飲むことで改善。

10/17時点で症状が見られなくなっていたため
(聴力検査でも異常なし)
薬をやめたが、

10/21あたりから違和感を感じめる。10/23に再診したところ、
再発が確認されたので同じ薬を処方してもらい服用中。

あまり改善がみられない。
左だけ鼻づまりを感じる。
(イネ科、ハウスダスト、ダニのアレルギーあり。
スギ・ヒノキはアレルギーなし。キク科は未検査。)

10/22辺りから少し頭痛があり、
熱っぽい感じ、倦怠感がある。


左肩甲骨辺りが痛む。
(10年くらい前から時々現れる症状。
都度、整骨院で施術してもらっている。
現在も骨盤・姿勢矯正を受診中)


3年ほど前に逆流性食道炎になっている。
(問診のみ)


15年ほど前に交通事故(横から追突される)に遭っている。
ケガはなかった。

「下を向くと何となく息苦しい」
という症状があったが、数日で治った。

(本文ママ。)

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【初診(2015/10/27)】
望診:肌肉の痩せ、目の周辺の黒抜け
聞診:細く力の無い声
問診:普段からお酒が好きで飲む機会が多い、食後の眠気

舌診:淡白舌
脈診:滑脈
腹診:胃土の虚・肝の相火の熱のこもり

切経:三里(虚)陰陵泉(虚・自汗キツシ)公孫(虚)
太衝(虚中の実)太谿(虚)肝兪(虚中の実)脾兪(虚・黒抜け)
胃兪(虚・黒抜け)腎兪(虚)



「四診から、根底に脾虚があるのではないかと考察しました。
肝鬱気滞で脾を剋し、
脾失健運となることで、
津液が滞り内湿となって
耳に滞り閉塞感を生んだ可能性を考えました。
これらのことから初めに
・疎肝
・健脾
・祛邪(内湿)
何から対処するべきかを悩んだ結果、
足厥陰肝経と足太陰脾経の経穴を使用して
疏肝、建碑を目的にとした施術を行いました。」

10/29朝、
耳の閉塞感 10→2


【2診目(10/30)】
2診目の翌日、
耳の閉塞感 2→1
寝つきも良くなる。


【3診目(11/3)】
耳の閉塞感、ほとんど気にならなくなる。

舌診:淡白舌に赤みが増し淡紅舌となる。


【6診目(11/14)】
3診目以降、
耳の閉塞感がほとんど気にならなくなったので
普段から服用していた利尿剤の服用をやめてしまう。
すると少し閉塞感が出てきたので、
即効性を求めステロイド剤を服用したところ
閉塞感が来院時よりも悪化してしまう。

舌診:淡白舌
脈診:滑脈
腹診:全体に硬さ、肝の相火の熱が顕著。



「仕事やプライベートでは
普段と変わりなく生活されていたようなので、
症状が再発した原因は
・利尿剤をやめたことによる
・ステロイド剤服用による
可能性を考えました。
再発したことのストレスもそうですが、
利尿剤の服用をやめたことによる
水質の巡りが悪くなることで
脾虚を助長させてしまい、
結果的に肝鬱気滞を助けて、
更に脾を塞いでしまったのではないかと考察しました。」


【7診目(11/17)】
11/16 聴力の検査結果が来院前よりも悪くなる。

舌診:淡紅舌
脈診:弦脈

施術は変わらず疏肝と建脾を行う。


【8診目(11/22)】
治療後、耳の閉塞感が来院前程に軽減する。

その後、
頻度を重ねる度、
徐々に軽減していく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜

【19診目(2016/1/4)】
耳の閉塞感は
ほとんど気にならないくらいまで緩解。

調子が安定してきたので
これまでの週2回の来院ペースを週1回に減らし
現在(1/15)も診させて頂いている。



「本文中にも記入している通り、
何を主として治療すべきか迷いましたが、
初診時から症状が良く動いてくれたので、
四苦八苦せずに済みました(-。-;)
ただ、途中予想外のことがありましたが、
短時間で持ち直すことができてよかったです。
まだ安心はできませんので、
気を引き締め最終調整して参ります。」

施術担当:本多

(2016年 1月 15日 更新)



腸脛靭帯炎

京都市左京区在住 M.Yさま 49歳女性 専業主婦

主訴:腸脛靭帯炎
既往歴:喘息
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3年前に喘息で診させて頂いた方で、
2015年の5月初旬に
左太腿外側〜膝にかけての痛み、
熱感を感じるようになり、
整形外科を受診したところ
腸脛靭帯炎と診断される。
治療を受けるものの、日に日に悪化し、
7月に入ってからは歩くのも億劫になるほど。
8月に急用で京都から大阪に戻ってこられたので、
再診を希望なさる。

2015年8/19、来院。
症状:左太腿外側〜膝にかけての痛み、歩行困難、
   夜間に熱が籠もって痛み増悪。
舌診:紅舌色あせ、舌央~舌根部に白苔。
脈診:沈緩滑。
腹診:右の天枢穴が虚。全体的に力なし。
施術:腸胃の弱りが考えられたので、
   手の陽明大腸経、足の陽明胃経の経穴に刺鍼。

8/20。
施術を受けられた1時間後から
左太腿外側〜膝にかけての痛みが半減し、
買い物に行くことが出来たようで、
夜間の熱の籠りもなし。
今朝も痛みは⑩ → ④程度になっており、
歩行も随分とラク。
舌診:紅舌、少白苔。
脈診:中位で取れ、緩やや滑。
腹診:天枢穴の虚はマシに。
施術方針:前回同様。

8/23。
左太腿外側〜膝にかけての痛みは③で
歩行は全く問題なし。
又、脚が改善してくることで、
肩や腕の痛みも改善してきたとのこと。
舌診:紅舌、少白苔。
脈診:やや緩。
腹診:右の天枢穴がやや虚。
施術方針:同様。

この後8/24には
左太腿外側〜膝にかけての痛みは⓪となり、
少しあいて9/14、9/15と
御体を診させて頂きましたが、
症状が戻ってくることなく
順調に過ごされておられました。

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【担当鍼灸師の下野より】
3年前に喘息で診ていた頃から
腸胃の弱りがあり、
そちらにアプローチをしておりました。
今回は以前ほどの弱りは診られませんが、
昨年末頃に京都へ越されてから忙しく、
食生活やら睡眠時間が非常に
乱れてしまっていたのが、
影響していたようです。
来院できる期間が決まっていましたので、
最終日までに症状の改善は勿論ですが、
万全の御体に出来て良かったです。

(2015年 10月 6日 更新)

不眠症、乾癬

大阪府豊中市在住 S.Oさま 64歳女性 専業主婦

主訴:不眠症、乾癬
既往歴:胆嚢癌

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2012年11/15、初診。
【不眠症】
主な症状として、
・途中覚醒
・入眠困難   
がある。

・途中覚醒
約20年前から発症し、
一晩の内、2~3回覚醒する。
・入眠困難 
1~2週間前から自覚する。
運動など体力を使った日の夜は、
寝つきが2時間ほどかかることがある。

【乾癬】
特に左膝の直下に顕著。
赤くただれるような状態で、
痒みがあるためかいてしまうが、
かさぶたになった後に
またすぐ痒みが出てしまう。

【体質】
元々太りづらく、
脂ものなどを摂りすぎると、
翌朝に胃がもたれることが多い。

舌診:淡紅舌、薄白苔、乾燥傾向あり

脈診:細

腹診:右不容~滑肉門にかけて手術痕があり、
   その周囲に邪がまとわりつく。
   肝の相火の実(両)、天枢(両)に停滞
   臍下の虚やや深し
体表観察:肌肉の弛み(特に膝から下)
弁証:胃の気の弱り
施術後:細脈が取れ、舌に潤いが出てくる。

11/17 (2診目)
前回施術後の夜は、
30分程で入眠でき、
朝まで起きずに眠れた。
その翌日は2~3時間おきに覚醒する。

施術当日、
御友人から
「お風呂上がりのような顔してるね」
と指摘される。

腹診:手術痕付近(右不容~滑肉門)の邪は緩む。
   肝の相火の実(両)が取れ、天枢(左)に停滞残る
   臍下の虚まし。

11/20 (3診目)
前回施術からの三日間の内、
二日は途中覚醒が一度だけだった。
脈診:細まし

腹診:手術痕付近(右不容~滑肉門)の邪以外はよく反応が治まる。

その後、
計5回診させて頂き、
不眠の症状は治まり、
乾癬はほぼ消失したとのことで、
様子をみて頂く。

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2014年11月28日(6診目)
約2年ぶりにご来院頂き、
乾癬を主訴として御依頼頂く。

前回施術後より
不眠の症状は落ちついているとのこと。
御体の状態が良かったので約1年前から肉食を解禁する。
その後から患部(左膝下)がジュクジュクした状態とかさぶたの状態を繰り返し、
痒みが止まりづらい状態が続いている。
それと同時期に
軟便・ガスが溜まりやすい
といった症状が出てくる。

舌診:やや紅舌、やや乾燥

脈診:浮位で細

腹診:手術痕周囲(右不容~滑肉門)の停滞、冷えあり。
   肝の相火の実(両)、天枢(左)に停滞
弁証:胃の気の弱り

11/30 (7診目)
乾癬:⑩→②へ
患部の状態として、
ジュクジュク感がとれ、
赤味が落ちついてくる。
腹診:手術痕周囲(右不容~滑肉門)の停滞・冷えがましになる。

12/4 (8診目)
前回施術後、
二日続けて脂っこい食事が続き、
膝の痒み:③~④へ
☆飲食の不節が症状に直結することを確認したため、
暫くはお腹に優しいものを摂って頂くようお願いする。

12/7 (9診目)
膝の痒み:①~②へ
約1年前から続く口苦の症状が緩解してきた。

その後も経過良く過ごされ
14診をもって御卒業とさせて頂く。

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【担当鍼灸師の新川より】
乾癬の症状がぶり返したとのことで、
およそ2年ぶりに御体を診させて頂きました。
今回の要点は胃の力の弱さにあり、
そちらへ集中的に補うことで
乾癬以外にも口苦、肩の痛みなども同時に改善していきました。

当初は中華料理や揚げ物など脂っこい食事を摂ると、
すぐ皮膚のかさつきや痒みに繫がっておりましたので、
その都度S.Oさんと原因を確かめながら施術をすすめていき、
徐々にご自身でも養生を心掛けるようになっていらっしゃいました。

(2015年 2月 17日 更新)




むずむず脚症候群

大阪府豊中市在住 R.Mちゃん 5歳女の子

主訴:むずむず脚症候群
既往歴:熱性痙攣

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【担当鍼灸師の下野より】
いつも元気なRちゃん。
ただ初診の時は、
症状の辛さから気分が塞ぎ、
ご家族皆さんが心配しておりました。

今ではもとの元気な姿に戻り、
ご家族は勿論ですが、
私自身も嬉しく思います。

(2015年 2月 2日 更新)




足関節の痛み

和歌山県和歌山市在住 Y.Cさま 35歳男性 教員


主訴:足関節の痛み
既往歴:半月板損傷(両側)、腰椎ヘルニア

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2014年10/2、初診。
【足関節の痛み】
特に捻挫などの外傷を負ったわけではないが、
3週間前から左足首の外側に痛みを感じるようになる。
痛みの場所は、左足外踝(足首の外側)の上下二箇所。
足関節内反(足首を内側にひねる動作)時や
体重がかかった際に痛みがある。

【生活・環境】
今年の4月から新しい赴任先で担任を受け持っている。
4~5年前から眠りが浅いことが多くなり、
そのためか、昨年から習慣的に飲酒することが増える。
食欲は減少傾向。

舌診:やや紅舌、やや老

脈診:浮位で硬し

腹診:臍周の実きつし
弁証:肝鬱気滞
施術後:臍周の実がよく緩む

10/4 (2診目)
【足関節の痛み】
患部に流れるようなズキズキとした感覚が出てくる。
【その他】
食事量が増え、朝方すっきりと目覚められた。

10/7 (3診目)
【足関節の痛み】
痛み:⑩→⑥へ
痛みの場所が外踝の下に限局してくる。
関節が動かしやすくなる。
踏み込んだときの痛みは続く。

10/10 (4診目)
【足関節の痛み】
痛み:⑥→④~⑤へ

気滞の反応が治まってきたため、
同時に胃の気を動かしていくように施術する。
施術後、足首が伸びていくような感覚が出てくる。

10/19 (5診目)
【足関節の痛み】
痛み:①~②へ

前回施術の二日後に患部付近を捻挫してしまい、
現在は外踝の前下方部分の腫れがあるとのこと。
気滞と診立て、疎肝を中心に処置する。

その後、
約一ヶ月後にご連絡頂き、
現在は痛みなく過ごされていると御報告頂く。

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【担当鍼灸師の新川より】
特に原因が見当たらないが、
なかなか痛みが取れないという症状を診させて頂きました。
元々の正気がしっかりされておりましたので、
改善も早かったように思います。

主な原因としては、
今年の4月から職場の環境が変わり、
責任の重い仕事が増えたことが挙げられますが、
それらの事が気の停滞を生み出し痛みとなって現れたようです。

(2015年 1月 6日 更新)




股関節の痛み

大阪府豊中市在住 R.Bさま 27歳女性 専業主婦


主訴:股関節の痛み
既往歴:EBウイルス感染症

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【来院時の依頼文】
病歴:
2013年12月頃から右股関節が開かない。開けようとすると痛くて開かない。
股関節を内側に倒す時にも痛みがある。原因はわからない。接骨院に通う。
2014年6月から歩いている時や立っている時に右側股関節が痛むようになる。
股関節は開かない状態が続く。
6/14 整形外科受診。採血検査、レントゲンとMRIを撮る。
検査で何も異常なく、無理のない範囲でストレッチをするように説明を受ける。
~10月 股関節は開きにくいが、開くところまでストレッチをすると
右の足の筋が痛くなる。
痛みは我慢できるくらい。
ストレッチをしなければ歩いている時も立っている時も痛みはない。
11月2日 歩いている時に急に右股関節が痛み、
2~3日は足を引きずって歩くような状態だった。
現在は常に軽い痛みがあり時々痛みが強くなる。

(本文ママ。)

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2014年11/8、初診。
【股関節の痛み】
右の股関節前面(鼠径部付近)から、
大腿前面にかけての痛みあり。
増悪する姿勢として、
・胡座
・開脚 
が挙げられる。

【その他】
現在、2歳になるお子さんの育児中。
出産は安産だったとのこと。

舌診:やや乾燥

脈診:細

腹診:胃土の虚、臍下の虚あり。またその2箇所にまたがって薄く邪実をまとう
弁証:胃の気の弱り
施術後:細脈が取れる

11/16 (2診目)
日を追うごとに股関節が開きやすくなっていき、
開脚が出来るようになる。
動作時に痛みはないが違和感が残る程度。

脈診:細
腹診:胃土と臍下を結んでいた邪実は抜けたが、
   胃土の虚が残る。

9/13 (3診目)
胡座をかいたさいに左右の足の角度が違っていたが、
同じ様な角度で曲げられるようになる。
動作時の違和感も消失する。
脈診:細まし

調子が宜しいので、御卒業とさせて頂く。

その後、旦那様がご来院の際に、
様子をお伺いしたところ
経過よく過ごされているとご報告頂く。

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【担当鍼灸師の新川より】
出産自体は安産だったようですが、
その後の育児などで正気が消耗し、
胃の気を損なったと診立てました。
肝経の経絡上に痛みがあったこともあり、
胃の気を中心に助けながら、
気機を巡らすように疎肝を施しましたところ、
よく痛みが取れておりました。

(2014年 12月 10日 更新)


高血圧、眩暈、動悸

大阪府泉大津市在住 J.Mさま 69歳女性 自営業

主訴:高血圧、眩暈、動悸
既往歴:子宮筋腫、虫垂炎、胃ポリープ


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【来院時の依頼文】
病歴:
1か月前に血圧が高くなり、めまい・頭痛に悩まされています。
耳鼻科と内科に通院し、大量の薬を処方されました。
(本文ママ。)


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2014年8/30、初診。
【高血圧】
来院の一ヶ月前に
最高血圧が215(mmHg 以下省略)まで上昇し、
直後から降圧剤を服用し、
現在は155/66まで下がるが
眩暈(浮遊感を伴い、歩行時に傾く感覚あり)や
頭痛、耳の閉塞感、背中の痛み等の症状が残る。

一年前に御主人を不慮の事故で亡くされ、
一ヶ月前に初盆を迎えたのと同時期に
症状が悪化する。

また御主人が経営されていた会社を引き継ぎ、
心身ともに負担がかかっていたとのこと。

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舌診:老舌、全体に乾燥、白苔

脈診:滑

腹診:臍下の虚、肝の相火(両側)に薄く実
弁証:心脾両虚
施術後:眩暈が軽減する

9/18 (2診目)
最高血圧が130まで下がり、
歩行時に傾くような眩暈がなくなる。
耳の閉塞感に波が出てくる。

舌診:淡紅~紅、白苔

脈診:滑まし

腹診:肝の相火の実あり
前回と同様に施術
施術後:さらに滑脈が治まり、
    背中の痛みが抜けてくる感覚あり

9/21 (3診目)
前回施術直後は心身ともに楽になる。
その後心配事が続き、眩暈の症状が出てきたが、
4~5時間ほどと以前と比べ短時間で治まるようになった。
動作時の動悸、背中の痛みあり。
近々、旦那さんの一周忌がありそちらの準備に追われているとのこと。

9/23 (4診目)
初診以降、付き添いの方と車でご来院されていたが、
本日は電車でご来院される。
また昨日は家業の軽作業を手伝うことが出来たとのこと。

動悸:減少傾向
眩暈(浮遊感):⑩→④へ
背中の痛み:緩解する

10/2 (4診目)
調子が良くなってきたため
二日ほど前から軽作業を3時間ほど行えるようになった。

動悸:ほぼ感じない
眩暈(浮遊感):朝に軽くふらつく程度

その後、6診目まで診させて頂き、
血圧が安定し、動悸や眩暈なくなったので
お仕事に復帰されたとお伺いする。

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【担当鍼灸師の新川より】
旦那様を急に亡くされたことや、
事業の引継ぎなど精神的に大きな負担がかかったことが、
心の気血を消耗させ、また脾の運化を妨げたと診立てました。

施術を重ねていくとお顔の血色がよくなり、
表情も明るくなっていらっしゃいました。
これらの所見も主に心の気血不足からくるものでしたので、
毎回望診での判定もひそかにさせて頂いておりました。

(2014年 12月 4日 更新)




産後の体調不良、全身の痛み、左手の痺れ

兵庫県尼崎市在住 M.K様 32歳女性 専業主婦

主訴:産後の体調不良、全身の痛み、左手の痺れ
既往歴:アトピー性皮膚炎


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2012年9/21、初診。
当初の主訴として、
【全身の痛み】と【左手の痺れ】の改善をご依頼される。

【全身の痛み】
2010年秋〜
 全身にチクチクとした遊走性の痛みを数秒単位で感じ始める。
2011年秋〜
 咳が続くようになる。
 同時期、仕事場に工事が入り、
 空気がよくなかったと記憶されているとのこと。
2012年4月〜
 咽にあめ玉が詰まるような異物感を感じるようになる。
 (数ヶ月すると緩解)
2012年9月〜
 再びチクチクした痛みが再発する。

【左手の痺れ】
手の平の手首に近い部分に痺れを感じる。

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舌診:淡紅~紅、白苔
脈診:滑(右)
腹診:臍周の邪実
弁証:肺気虚
施術後:下半身が温もってくる。

9/26 (2診目)
【全身の痛み】
チクチクした痛みの範囲が下半身に限局する。
【左手の痺れ】
前回施術後から消失

10/3 (3診目)
【全身の痛み】
先日、台風が来た際に、
左頬と左腕にチクチク感を感じたが、
その後は症状を感じなかった。

調子が宜しいとのことで、
一旦様子を見て頂く。

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2014年8月12日
【産後の体調不良】の改善を目標にご来院される。

【産後の体調不良】
2013年9月に長女をご出産される。
その際、破水から出産まで3日かかった難産だったとのこと。
今年に入ってから、
・食事量が減ったことによる体重減少
・月経不順
・手の荒れ
・易疲労
などの不調が数ヶ月にわたり続いている。

舌診:やや紅舌
脈診:滑、左尺位が無力感
腹診:中脘付近の実 
弁証:胃の気の弱り
施術後:中脘付近の実が取れ、身体が軽くなったとのこと。

その後、ご連絡頂き、
施術直後より生理がくるようになり、
疲労感などの症状も改善される。

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【担当鍼灸師の新川より】
秋に体調を崩されることが多く、
また御体の状態からみても
肺気の弱りがあり、当初はそちらを中心に施術を重ねていきました。

1年前に難産のすえ、ご長女をご出産された事が
陰血の不足や脾腎の弱りを助長させたと診立て直し、
改めて施術にのぞみました。
出産後は子育ての負担もかかってくる大変な時期ですので、
この時期に御体を調えておく重要性は大きいと感じております。

(2014年 11月 18日 更新)




むずむず脚症候群

兵庫県宝塚市在住 Y.Nさま 80歳女性 主婦

主訴:むずむず脚症候群
手術歴:胆嚢摘出


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【むずむず脚症候群】
約15年前から発症する。
夕方~夜にかけて強く感じることが多い。
・足の裏(左)
・膝下から足首にかけて外側の部分(左>右)

10月に海外旅行を予定されており、
飛行機での移動や
現地での観光に対応出来るようになりたいと、
御依頼を頂く。

【その他の症状】
△不眠傾向あり
・寝つきが悪い(1時間)
・小さな物音で起きてしまう
・一度目が覚めると眠れない
・多夢
△ドライアイ

2014年7/8、初診。

舌診:やや暗紅、乾燥傾向

脈診:ややまとまりがなく、滑

腹診:臍下の虚、肝の相火実(右>左)
弁証:腎陰虚
施術後:口内に潤いが出てくる。

7/12 (2診目)
左足の膝下から脛にかけてのむずむず感が薄くなる。
足の裏(左)の状態は変わらず。

7/15 (3診目)
左足の膝下から脛にかけてのむずむず感は消失。
足の裏のむずむず感が足の甲へ広がってくる。

7/29 (5診目)
「むずむず」する感覚から、
「つっぱる」ような感覚へ変わってくる。
また、患部に引っかかりながらも流れてくるような感覚が出てくる。

イライラすることや過食があると、
以前痛めた、腰の痛みを強く感じることがある。


8/26 (9診目)
足の裏に違和感を感じない時間が増えてくる。
経過:当初の狙いである腎の陰分は補えてきているが、
   御体を見直したところ肺気の弱りがみられたので、
   肺腎を同時に補っていく。

9/2 (10診目)
足の裏から足の甲にかけての張り感が全体的に薄くなる。
また膝から下の重怠さがましになる。

その後、出発の直前まで診させて頂く。
帰国後の10月中旬にご連絡頂いたところ、
問題なく旅行を楽しめたと御報告頂く。

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【担当鍼灸師の新川より】
腎の陰分が減少することで、
腎の経絡上にある足の裏などに症状として現れておりましたので、
補腎していくことを中心に施術をすすめて参りました。

飛行機での移動が負担になる事が考えられましたが、
無事帰国されたとご連絡を頂きました。
現地でも楽しく観光できたとのことです。

(2014年 11月 12日 更新)




低音障害型感音難聴

大阪市阿倍野区在住 匿名希望様 47歳女性 会社員

主訴:低音障害型感音難聴
既往歴:アトピー性皮膚炎、子宮内膜症、更年期障害

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【来院時の依頼文】
病歴:
5月末ごろ右耳に違和感(聞こえにくさ・詰まり)を感じ
約1週間後の6/5に近くの耳鼻科を受診しました。
診断結果は右耳の低音障害型感音難聴と言うことで
右耳での低音の聴力が落ちているとのことでした。
(耳鳴り・めまいは特にありません)

その時の処方薬は
プレドニン(ステロイド)一日6錠
ムコスタ(胃薬)一日3錠

少しずつ減らす形で約2週間飲みましたが、聴力は改善せず、
次にイソバイト・メチコバール・トリノシン・ムコスタを2週間飲みましたが、
これも改善には至りませんでした。

その後、メチコバールとトリノシンで1週間。
昨日より再度、プレドニンを飲んでみようと言う事で飲み始めています。

最終の検査では一番低音が回復しておりましたが、
やはり他の低音部は聞こえてない様です。
(本文ママ。)


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2014年7/20、初診。
幼少期から、
貧血や車酔いをすることが多い。
また傷が治りにくく、
よくケロイド状の傷跡が残る。

【低音障害型感音難聴】
5月末から右側に
・耳の閉塞感(水が入ったようなつまり感)
を感じ始める。

閉塞感の影響か、
・男性の声
・複数での会話
などの条件が重なると聞きづらさを感じる。

今年の4月から週3日のお仕事を開始される。

舌診:暗紅舌

脈診:右に枯脈

腹診:心下部から右の脾募、肺先、肝の相火にかけての停滞
   臍下に乾燥広がる。
切経:公孫の虚が深い
弁証:脾気虚
施術後:お腹が温もり、耳の閉塞感が緩んでくる。

7/24 (2診目)
【耳の閉塞感】
休日は調子が良いが、
出勤日は閉塞感を感じやすい。

舌診:舌尖やや紅舌へ傾き、苔が薄くはげる

脈診:按じて無力

腹診:右の滑肉門周辺に虚中ノ実

7/27 (3診目)
施術の翌日は閉塞感が強く感じたが、
2日後の時点で閉塞感が消失する。
低音の聞きづらさがましになる。

切経:公孫の虚がうまってくる

8/8 (5診目)
約一週間ほど、
ご家族で海外旅行に行かれる。
気候、治安などはよかったが
食事が肉食、果物、冷たいものと偏った。
【耳の閉塞感】
旅行中、耳閉感をやや強く感じるが、
帰国後は半分ほどの程度まで治まる。
聞こえに関しては、
全体の音がまとまって入る感覚が出てくる。

切経:公孫のやや虚あり

8/24 (7診目)
耳の閉塞感を感じない日が多くなってきた。
また、詰まった感覚があっても
身体を休めると改善するようになる。

8/31 (8診目)
ほとんど耳の閉塞感を
感じることなく過ごされる。
お仕事が忙しかった直後に③程の状態になるが、
以前に比べ安定してくる。

切経:公孫の左右差が大分調ってくる。


10/5 (11診目)
施術の間隔をあけても
症状なく過ごされたため、
本日にて御卒業とさせて頂く。

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【担当鍼灸師の新川より】
公孫穴に御体の反応が集約されている状態でしたので、
それらがどのように変化していくかが、重要となりました。

舌、脈、腹やツボの変化がまず出ており、
後から追いかけるように症状が改善していきました。
御体が安定してくると、
以前は業務が忙しくなった直後に負担がかかっておりましたが、
現在は安定した状態が続いております。

(2014年 11月 7日 更新)




眉間の違和感

大阪市天王寺区在住  S.N様 22歳女性 会社員

主訴:眉間の違和感
既往歴:喘息、急性胃腸炎、花粉症

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【御依頼文】
眉間のあたりのコリと重だるさが酷く
一日中寝ていたいと思ってしまう
体のこわばりが酷く、他人からも
「緊張しているのか」とよく聞かれる
実際に、眠っている時でもリラックスすることができない
力を抜こうとしても、できない
4ヶ月程前から、仕事が忙しくなり
それに加えてプライベートで嫌なことがありました。
その時期から食欲が減退、体重が6キロ程落ち
周囲から「痩せた」「やつれた」と言われるように
なりました。

仕事は金融機関の窓口ですが、
「もっと肩の力を抜くように、緊張して見える」
と注意されることもありました。
そう言われると逆に肩の力が抜けず、
仕事中絶えず体がこわばっている感じです。

朝起きてから、眠りにつくまで
ずっとぐるぐる考え事をする状態が
4ヶ月程続き、
休日は一日中寝てしまったり
「何もしたくない」と思うようになりました。

1ヶ月程前からは、常に
「つまらない」「死にたい」などと
考えるようになり
それでも仕事関係の資格をとったりしなければ
ならないので
何とか机に向かっているような、
そんな状態でした。
その頃から、目の疲れを感じ
同じく1ヶ月前から眉間の重だるさ・コリ、
眉毛の少し上あたりに重だるさ(何かがのっているかのような違和感)を
感じるようになりました。
充血も今までなかったのに治らなくなりました。
昨日に至っては、そのせいか吐き気までしてしまいました。

今日は、まだ楽なのですが
毎日「楽しくない」「私なんて???」といった
欝のような考え事が止まらなくって休むことができません。
寝ても寝た気になれません。
別の院にはなりますが、鍼治療に通っている友人からは
「体がこわばって見える」
「ストレスで眉間がだるくなるんだろう」と
言われ何とか解消できないものかと、
お伺いさせていただくことにしました。

ご無理を言って申し訳ありません。
よろしくお願い致します。
(一部抜粋)

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2013年1月6日来院

舌診:舌尖紅、薄白苔
脈診:滑
腹診:左関門~左天枢~臍下に実。肝の相火の実。
※うつ伏せの際、背中の反り返りが強く、肩の力が抜けない
弁証:肝鬱気滞
取穴:足の厥陰肝経、足の太陽膀胱経の各経穴に刺鍼
施術後:眉間の重だるさが消失する

2診目(1月13日)
眉間の重だるさはほぼ感じなかった。
前回同様の処置を施し、施術を終える。

仕事が忙しくなると、
眉間の重だるさが②、③程度出るが、
自然と治まるようになる。

その後経過よく過ごされ、
7診(約3ヶ月)診させて頂いた後、
体調が宜しいと御電話で御報告頂きました。

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【担当鍼灸師(新川)より】
日頃の緊張が顕著に身体の反応として出ており、
それらの緊張を緩めるように努めました。
眉間の重だるさが抜けていくとともに、
肩の力が抜けやすくなり、
うつ伏せの際の背中の反り返りも徐々に緩んでおりました。

鬱屈した肝気を伸びやかに通していくことでよく変化し、
元々正気がしっかりと建っていた分、早期の改善につながりました。

(2014年 10月 17日 更新)




胃腸の不調、更年期障害

大阪府豊中市在住 M.O様 51歳女性 会社員

主訴:胃腸の不調、更年期障害
既往歴:虫垂炎、子宮筋腫、緑内障、
            飛蚊症、花粉症

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2014年6/19、初診。
【胃腸の不調】
1ヶ月ほど前から発症。
主に
・胃もたれ(食後)
・胃の違和感
中脘付近から背中にかけて連なった苦しさがある。
腹痛を伴うことがあるとその後下痢をしてしまう。

【更年期障害】
2ヶ月ほど前から
・のぼせ
を自覚するようになる。

1ヶ月後から、
職場への距離が遠くなり、
通勤の負担が多くなるため、
それまでに体調を調えたいと御依頼を頂く。

舌診:淡紅~紅舌

脈診:細

腹診:全体として弛緩、臍周やや奥に実、
   肝の相火やや実(右>左)
弁証:脾気虚
施術後:背中のつまりが取れ、
    腹部の弛緩した部分にしまりが出てくる。

6/20 (2診目)
【胃腸の不調】
・胃のもたれ
昨日、夕食後③
本日、昼食後⑦

【更年期障害】
・のぼせ:半減する

6/24 (3診目)
【胃腸の不調】
・胃のもたれ:なし
・胃の違和感:③へ

【更年期障害】
・のぼせ:消失

7/9 (6診目)
胃腸の状態は良好。
以前と比べ汗をかけるようになる。
調子が良いので、
昼食はパスタを召し上がったとのこと。

その後、
通勤での負担がかかるものの、
体調は引き続き安定している。

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【担当鍼灸師の新川より】
初診の際、一ヶ月後に控える異動に備えて、
御体を調えていくことを目標に施術にあたらせて頂きました。
益気健脾 を中心にすえ、
施術を重ねていくことで改善に向かっておりましたが、
クーラーなどの空調による風寒の邪や、
環境の変化や試験前の緊張感などで停滞を起こしやすくなるなど
脾胃を傷つける要因が多々あり、
それらの対応を同時に行うことで状態が安定しておりました。

(2014年 10月 15日 更新)




胸のつまり、倦怠感

大阪府箕面市在住 K.Kさま 31歳男性 介護職員

主訴:胸のつまり、倦怠感
既往歴:虫垂炎

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2014年8/19、初診。

【胸のつまり】
2014年1月より
胸からみぞおちにかけてのつまり感を感じるようになる。

増悪因子として、
・ストレス
・仕事の段取りなどを考えている時
が挙げられる。
2013年11月から仕事の責任が大きくなったとのこと。

【倦怠感】
20代の頃より感じ始める。
上記の胸のつまりが出始めてから、
更に症状を強く感じる。

お仕事の特徴としては、
月に数回ほど夜勤があり、
夜勤明けの際は疲労の影響からか、
倦怠感、胸のつまりとも強く感じるとのこと。

舌診:紅舌、薄白苔

脈診:脈幅がせまく、尺位に滑

腹診:臍周の邪実がきつく、臍下に虚
弁証:脾気虚
施術後:臍周の邪実がよく緩む

8/21 (2診目)
【胸のつまり】
    ⑩→⑦へ
【倦怠感】
   施術後2日間ほど、
   倦怠感を感じなかった。

切経の情報から、
霊道(右)虚の反応が顕著にあり。

8/26 (3診目)
【胸のつまり】
   ⑦→⑤へ
【倦怠感】
   足元から軽さを感じるようになる。

8/30 (4診目)
【胸のつまり】
   ⑤→③へ
【倦怠感】
   通常勤務の際の疲労に比べ、
   夜勤後の回復が遅く感じる。

9/6 (5診目)
【胸のつまり】
   ほぼ感じない程度まで治まる
【倦怠感】
   疲労後の回復力が乏しく、
   集中力が落ちやすい感覚がある。

切経にて、
霊道(右)の虚がうまりきらないので、
心経の気血を補うように処置する。

9/10 (6診目)
【胸のつまり】
   ほとんど感じなくなった
【倦怠感】
   本日、夜勤明けだが、
   倦怠感なく身体の全体の軽さを感じる

9/16 (7診目)
【倦怠感】
   前回施術から、
   ほとんど倦怠感を感じることなく過ごされる

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【担当鍼灸師の新川より】
当初、気血の消耗を
益気健脾 することで助けていきましたが、
心経から同時に動かしていくことで、
倦怠感がよく取れておりました。

夜勤の際は、
緊急の対処をしたり、
判断を迫られることがあり、
独特の緊張感があるとのことですが、
気血が充実してきたことで、
負担なく過ごされるようになりました。

(2014年 10月 4日 更新)




耳の閉塞感

大阪府豊中市在住 K.Tさま 41歳女性 会社員


主訴:耳の閉塞感
既往歴:子宮ポリープ(良性)

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【来院時の依頼文】
2001年頃左耳の耳鳴りがあり、
副腎皮質ホルモンによる治療、
メニエール病の検査等受けて結局自律神経失調症と診断されました。
その時の薬は覚えていませんが、薬による治療で終了。

2005年耳鳴りやふらつきがあり心療内科を受診。
緊張を緩和する薬を処方され終了。

2010年にも耳の閉塞感があったのですが自然と治ったため、
病院の受診はせず。

今回は2012年9月12日から左耳の閉塞感がありますが、
病院の受診はしていません。
関係があるかはわかりませんが、
2005年から今まで、間に1年程離れている期間はありますが、
仕事は電話オペレーターで、左耳をよく使います。
1日中座っている仕事で、肩こり、目の疲れ、腰痛があります。

(本文ママ。)


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2012年10/16、初診。
【耳の閉塞感】
2012年9月12日より左側に発症。

舌診:紅舌、湿潤、薄白苔

脈診:実

腹診:心下部~脾募、肺先にかけて実
弁証:肝陽上亢
施術後:実脈が緩み始める

10/23 (2診目)
耳の閉塞感:⑩→⑦へ
前回同様に処置。

施術後より
腹診にて、心下部周辺の邪実がよく抜ける。
背候診にて膈兪から肝兪にかけての実が緩む。

10/30 (3診目)
耳の閉塞感:⑦→⑤へ
前回同様に処置。
耳の閉塞感が抜けてきた影響か、
耳鳴りが気になり出すようになる。

11/23 (6診目)
耳の閉塞感:ほぼ治まる
耳鳴り:静かな場所だと目立つ
肝陽上亢から、脾胃の弱りに切り換えて
施術を進める。

12/4 (7診目)
耳鳴り:治まっていることが多くなる。
前回より、周囲の音が聞きやすくなったとのこと。

12/11 (8診目)
耳鳴り:全体の音量が小さくなってきた。
三日ほど前に飲酒された際に、
ふらつきを感じる。

12/18 (9診目)
耳鳴り:前回施術後、二、三日後に感じなくなってきた

その後、施術の間隔を空けるが、
安定した状態で過ごされたので、
2013年6月19日をもってご卒業される。

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【担当鍼灸師の新川より】
お仕事柄、耳を使うことも多くあるようですが、
それ以上にクレーム対応などで気を遣うことが
負担となっていたようでした。

上に昇っていた気が
しっかりと降ろし、
脾胃の弱りを中心とした正気を建てていくことで、
耳の閉塞感とともに耳鳴りの改善に至りました。

(2014年 9月 2日 更新)




線維筋痛症

大阪市西淀川区在住 匿名希望様 32歳男性 会社員

主訴:線維筋痛症
既往歴:特になし

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2014年6/6、初診。
【線維筋痛症】
・全身の痛み、痺れ、圧迫感
(痛む箇所は不特定だが、左半身が多い)
・筋力の低下 

発症までの経緯
2012年12月:左足・腰の痛みから始まり、手足・胸の痛みが出る。
      整形外科受診するが、
      レントゲンおよび血液検査(リウマチ)異常なし。
      腰部MRI異常なし。
2013年 1月:痛みが続くため、神経内科受診。
      末梢神経障害性疼痛(線維筋痛症の疑い)として
      痛み緩和の為の投薬開始。
2014年 5月:今までも痛みの波はあったが、左半身を中心に
      強い痛みが継続するようになった。

★2012年12月の前後の状況として、
同年6~8月にかけて仕事が多忙を極め、
遅くまで残業することが多かった。
同年10月頃より出張が多くなった。

舌診:淡白舌

脈診:緩

腹診:肝の相火の実(右)
弁証:肝鬱気滞
施術後:左足の内側に得気を感じ、痛みが和らいでくる。

6/8 (2診目)
前回施術後、
二日ほど痛みなく過ごされる。
その後、
全身の痛み・痺れ:⑦~⑧状態で留まる。

6/14 (3診目)
膝、肘:⑤→③へ
腰(初動時の痛み):⑥~⑦→⑤へ

6/28 (5診目)
全体の痛み:③へ
(6/26のみ 腰痛⑤)

7/6 (6診目)
全体の痛み:①~②で安定する

その後、状態が安定した為、
8診目をもってご卒業される。

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【担当鍼灸師の新川より】
気の停滞が強く出ており、
流れが留まると「ホースの先が詰まっていて水が出にくい」といった感覚や、
それらの流れを通していくと
「(患側の)足が伸びていくような感覚」が出ておりました。

施術を重ねていくことで、
ご本人の中の流れを生み出す力が定着し、
残業などの負担がかかっても安定した状態を保てるようになりました。


(2014年 8月 16日 更新)




頚椎ヘルニア

大阪府豊中市在住 S.Sさま 28歳女性 会社員

主訴:頚椎ヘルニア
既往歴:手根管症候群

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【来院時の御依頼文】
5月末頃から左肩の肩こりがひどく、
整骨院で電気を当ててもらうなどしましたが、
全く改善されませんでした。
6月に入って左の肩甲骨周辺がジワジワするようにしびれだし、
座っていられないほど痛くなってきました。
湿布を貼ったりしていたのですが、
効果は感じられませんでした。
6月10日頃、突然左手の指先が痺れだし、
ちぎれるような痛みが出始めました。
現在も腕全体がだるく、血が通っていないように冷たく感じ、
指がむくんでいるような感じで動かしにくいです。

整形外科にかかってレントゲンを撮っていただいたところ、
明らかなヘルニアの兆候は見られないけれども、
症状からして頸椎の椎間板ヘルニアだろうとの診断を受けました。
ロキソニンテープを処方していただき貼りつづけていますが、
正直あまり改善していないような気がします。
眠れないほどではありませんが、
肩と肩甲骨のしびれや痛みがつらいです。

去年の11月に右手指に同じような症状が出て、
手の外科などに通いました。
その時は「恐らく手根管症候群だろう」と診断され、
特に治療はせずに経過を見ていました。
右手の症状は5月にはだいぶ良くなったのですが、
もしかすると右手の痛みも首からきていたのかなと、
今は思っています。

以前から、
首を上に向けようとしてもカチカチで動かすことができなかったり、
左腕を伸ばして高いところのものを取ろうとしても
腕が上がらなかったりしましたが、
今回のようにしびれが続き、
ひどい肩こりになったことはありません。
少しでも症状が改善されれば、本当に嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
(本文ママ)
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御依頼文にもあるように、
2014年の5月頃から御体の不調を感じられたようです。
症状としては、
左手示指の痺れ、左肩甲骨の重みと痛みがきつく、
特に夕方以降に増悪する。
またこの症状が出だしてからは、
空腹時の手の振戦や立ち眩みも感じるようになった。

2014年7/2、初診。
舌診:歯痕舌、淡紅色あせ、少白苔。
脈診:やや弦脈。
腹診:腹壁緊張し、中脘穴が落ちこむ。
切経:霊道(左)やや虚、内関(左右)実、後谿(左右)実、
   外関 (左)やや虚、曲池(左)実で自汗、三里(左右)実、
   衝陽(左右)やや虚、公孫(右)虚で自汗、太谿(左右)凹み、
   太衝(左)虚中ノ実、心兪(左)虚、脾兪(左右)虚。
弁証:心血虚
取穴:手の少陰心経、足の太陰脾経、足の太陽膀胱経の経穴。

7/6、2診目。
初診直後から指の痺れ、肩甲骨の痛みが消失し、
その後も出ていない。
また主訴が消失してからは
手の振戦や立ち眩みも出なくなった。
舌診:歯痕なし、紅やや色あせ、薄白苔。
脈診:弦脈消失し、緩脈。
腹診:全体緩み、中脘も出てくる。
弁証:初診同様。
取穴:初診同様。

この後も症状は出る事はなく、
順調に過ごされております。

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【担当鍼灸師の下野より】
一度の施術で改善できた症例です。

症状が発症した頃は
残業や休日なしの状態が続いていたようですが、
初診当日からお仕事も安定し、
それも早期改善の後押しになったと思います。

(2014年 8月 5日 更新)




腹部の不調

大阪市淀川区在住 匿名希望様 39歳女性 主婦


主訴:腹部の不調

既往歴:肺結核
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【来院時の依頼文】
昨年春頃からお腹の調子が思わしくなく、
最近では生ものや肉類脂質の多いもので緩くなるようになった。
胃腸消化器科に通い、
大腸カメラをするも直腸付近に赤い点々としたものは認められたが、
炎症を起こしている様子もないとのこと。

症状としては潰瘍性大腸炎の初期の症状に似ているため念のために薬をもらい、
整腸剤と消化をよくする薬と合わせて現在飲んでいます。
漢方も服用中で、
食べるものにかなり気をつけていれば、
便の状態は最近マシになりつつあります。

先日刺身を少量食べてしまったため、
また今あまりよくない状態になっています。
腹痛はさほどないのですが、
軟便~下痢があり、
(回数は多くない)お腹に悪いガスがたまっているように張ったり、鳴ったりします。
IBSの薬なども試しましたが効果なし、
婦人科も受診しましたが、特に悪いところも見つからずです。

宜しくお願いします。
(本文ママ。)
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2013年8/29、初診。

2012年1月頃からストレスを感じることが多くなり、
その後、胃腸の風邪を患う。
同年の春頃から腹部の自覚症状を認める。

【主な症状】
便の形状:軟便~下痢状
腹部の状態:腹脹、腹鳴

舌診:淡紅、薄白苔

脈診:細、滑

腹診:肝の相火(左)~臍下にかけて邪実あり

弁証:肝気犯胃

取穴:足陽明胃経、足太陽膀胱経の経穴。

施術後:細脈が太さを帯び、
    肝の相火(左)~臍下にかけての邪実がよく抜ける。



9/7、3診目。
便の形状:残便感があるが、便の形が出てくる
腹部の状態:腹脹、腹鳴減少

その他:食欲が湧いてくる


9/14、4診目。

食欲が出てくると共に、体調も宜しいので、
脂物(ササミフライ)、甘物(クリームどら焼き)を食す。
その後、若干の腹鳴、腹脹を感じたとのこと。


9/18、5診目。

調子が安定してくるようになったが、
ストレスを感じることがあってから、
・軟便
・腹のしぶり
があったとのこと。

疎肝理気を中心とした施術に切り換える。

10/11、9診目。
一週間に一度のペースでご来院されていたが、
状態が安定してきたため、
来院の間隔をあけて診させて頂く。

11/15、11診目。
便の形状:形状有り
肉類や甘い物など
食べられる物の種類が増え、
デザート、クリームなどを食しても負担にならなくなる。

調子が宜しいので、
本日にてご卒業とさせて頂く。
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【担当鍼灸師の新川より】
症状は胃腸を中心としたものですが、
黒幕として肝気の停滞が胃腸の動きを邪魔しており、
結果として腹部の不調として現れておりました。

途中からは、肝気の停滞が強くなることもあり、
それらを通していくことで、
腹部の状態は安定しました。

今後は甘い物を食べても、
しっかり運動して頂ければと思います。

(2014年 7月 17日 更新)




肋間神経痛、前立腺手術後の後遺症

大阪府豊中市在住 匿名希望さま 76歳男性 

主訴:肋間神経痛、前立腺手術後の後遺症
既往歴:尿閉、胃癌、緑内障
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2008年12月19日一鍼堂へ
当院へは娘さんからのご紹介で来院される。

当初尿閉の為、管を通して排泄されており
施術にあたらせて頂いた結果、尿の出が良くなるが、
その後2009年1月に前立腺の手術を行われた。

2011年7月26日
御電話頂き、
3ヶ月前より肋間神経痛があり。
前立腺の手術後から夜中の排尿が3回に増加し、
身体全体に重だるさが出てくようになる。

舌診:淡紅、白黄苔
脈診:浮位~沈位に充実する
腹診:胃土の虚(手術痕アリ)、肝の相火の実
切経:陰陵泉(虚中ノ実)、肝兪(虚)、腎兪(虚)、腰陽関(虚)
考察:脾腎両虚
施術後:白黄苔がよく取れる。

再開後4診目(8月30日)で肋間神経痛の痛みがほぼ消失し、
お腹の軽さが出てくる。
夜間の尿意が残るので、今後も継続して診させて頂く。

その後、再開後13診目(2012年1月10日)まで診させて頂き、
夜間の尿の回数が1~2回へ減少し、
夜もよく眠れるようになり、
身体全体が軽くなってきたとのこと。

調子宜しいため、ご卒業して頂きました。

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【担当鍼灸師の新川より】
前立腺の手術後より、
体調がすぐれなかったせいもあり、
ご友人からのご旅行のお誘いもお断りされておりましたが、
施術再開し2ヶ月後には北海道へご旅行へ行かれる程、
改善されておりました。
その後、12月には国外旅行もこなされました。

今後は、ご旅行以外にも
お元気に活動して頂ければと思います。

(2014年 7月 2日 更新)




長期間続く微熱、便秘

大阪府豊中市在住 A.Nさま 79歳女性 
主訴:長期間続く微熱、便秘
既往歴:痔、花粉症
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【来院時の依頼文】
12月末頃から、今まで微熱が続いており(便秘気味にもなり)、
病院にも通っておりますが、軽い肺炎とか、
気管支炎などと言われ薬を飲んでいますが、微熱は改善しません、
咳などの症状ははじめからまったくなく、微熱のみですが、
微熱が出ると、痔の症状がでてきます。
微熱が出ても、食欲はあり、寝込む程のしんどさは、ありませんが、
やはり、不快で、体が重いですし、微熱が長期、続いているためつらいです。
この様な症状です、よろしくお願いいたします。
(本文ママ)
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当院の患者さまである
娘さんからのご紹介で、
一鍼堂へ来院される。

【微熱】
2011年12月から現在(2012年3月18日)まで、
昼~夜にかけて、37~37.3℃の微熱が出る。
病院にて軽い肺炎、気管支炎などと診断され、
それらに応じた薬を服用しているが、改善には至らない。
随伴症状として、
便秘、痔 あり。

舌診:淡紅、薄白苔~白苔
脈診:細
腹診:臍下の虚
切経:三里(虚)、公孫(虚)、太谿(虚)
   心兪から腎兪にかけて(実)
弁証:脾胃の弱り
施術後:肛門の痛みが軽くなる。

2診目(3月20日)
前回施術後から、
体温:36.3~36.9℃の中でおさまり、
   37℃を超えることはなかった。
痔の痛みはあるが、兎糞便はなく、
いつもより尿の出が良くなっていた。

3診目(3月21日)
体温:36.3℃で安定。
痔の痛みましになる。
起床時の重だるさが気になる。

4診目(3月28日)
体温:36.4℃~36.8℃
排便時の痔の痛みがマシになり、
朝の重だるさが徐々に取れてくる。

お盆に山陰地方のご実家にてご用事があるが、
体調不良のため、思案されているとのこと。
目標として、
お盆までに移動や用事の負担に耐えられるような状態を目指す。

その後、週に一度のペースで診させて頂き、
9診目(5月2日)の時点で、
・体温が36℃代で安定
・排便時の痔の痛みが軽減
・朝のだるさが改善
・初診時から体重が400g増加
など状態が宜しいので、
ゴールデンウィークから一度帰省されるとのこと。

10診目(5月23日)
3週間ぶりに御体を診させて頂くが、
体温の上昇は無く、調子が宜しいとのこと。

12診目(6月13日)
調子宜しいので、本日にて御卒業して頂く。
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【担当鍼灸師の新川より】
脾胃の弱りからくる微熱ととらえ、
気を補い、脾気を伸びやかに動かすように致しました。

施術中から温もりとともに爽快感を感じ、
回数を重ねていくことで、
体温の上昇も抑えることが出来ました。
痔に関しましても、
気陥によるものと診立て脾胃を補うことで、
同時に改善しておりました。

(2014年 5月 29日 更新)




咽喉の腫れ・発汗

大阪府豊中市在住 N.Kさま 32歳女性 自営業
主訴:咽喉の腫れ、発汗
既往歴:アトピー性皮膚炎
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【来院時の依頼文】
二週間続く喉の腫れ、脈拍が早い、発汗が続く、
ひどく疲れやすい、痙攣のような鼓動、という症状を感じます。
喉の腫れはすぐに耳鼻咽喉科にかかり、
抗生物質の処方もらいましたが、あまり改善しませんでした。
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9月18日一鍼堂来院
特に、
●咽喉の腫れ
→2011年9月から、
咽喉の腫れを感じ、
・咽のつまり感
・咽の熱感
・発声しづらい
などの症状あり。
●発汗
→9月16日から
上半身を中心に発汗がきつくなる。
仕事が忙しくなると、動悸を伴う。
の症状が気になるとのことで、問診を行う。

生活環境:
御仕事は自営の販売業。
その他にも掛け持ちで御仕事をされており、
日々多忙とのこと。

舌診:淡紅、胖、白苔
脈診:弦
腹診:腹部全体に邪実がきつく、同範囲に拒按あり
考察:肝気上逆
施術後、弦脈が緩み、腹部の拒按がましになる。

2診目(9月21日)
・咽の熱感、つまり感が緩解する。
・発汗は続く
(その他の変化)
・肩甲骨から左腕にかけての重さを感じる。
脈診:弦脉なし
腹診:邪実の範囲が腹部中央と肝の相火に限局するが、拒按あり
施術後、腹部中央の邪実が緩む。肩の重さ⑩→⑤へ
腹部の変化に重点をおき、施術をすすめる。

3診目(9月24日)
・咽の熱感、つまり感が前回より緩解し、口渇感もましになるが、
発声のしにくさは残る。
・発汗感じにくくなってくる
(その他の変化)
・肩甲骨の重さはなくなり、腕に限局する。
・胃腸の状態がよくなる。

御仕事で接客をする際や仕事後に動悸あり。
自営でのお仕事の為、ご自分で行う仕事量の負担は多いとの事。

腹診:邪実全体的に薄くなってくる。
拒按大分ましになり範囲も肝の相火部分に狭くなる。

4診目(10月4日)
・咽の熱感、つまり感が大分緩解し、発声し易くなる。
・肩甲骨から腕の痛みは③で留まる。
・御仕事等の負担があっても動悸がしなくなる。
上半身の汗も感じなくなってきた。

暫く症状の経過をみて頂きましたが、
その後調子宜しいのでご卒業して頂きました。

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【担当鍼灸師の新川より】
以前診させて頂いておりました
お姉様からの紹介で来院されました。

御仕事の負担により、
肝気が上逆することで、肺や心に負担をかけ
今回の症状が出てきたと考察致しました。
気をしっかり降ろすことで、咽の症状や発汗、
肩甲骨や腕の痛みに効果が出ておりました。

(2014年 5月 2日 更新)




冷え性

兵庫県宝塚市在住 K.Kさま 56歳男性 営業職

主訴:冷え性
既往歴:痛風

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50歳になったあたりから冷えを感じ始める。
初めの頃は靴下を履いたり、
運動をすると冷えは改善したが、
今年(2014年)に入ってからは
冷えが急激にきつくなり、
それと同時に夕方以降に頭痛、吐き気、気力が出ない
といった症状も出てくる。
カイロを貼ったり、サウナに入ったりするも
日々悪化していくため、当院での施術をご希望なさる。

2014年1/15、初診。
舌診:紅舌やや暗く、少黄苔。
脈診:浮緩枯脈。
腹診:下脘穴、関元穴が虚、心下部に熱感。
切経:内関(左)虚中ノ実で熱感きつい、外関 (左右)凹む、
三里(左右)虚、陰陵泉(左右)凹んで自汗、
   臨泣(左)虚中ノ実で枯れ、太衝(左右)実。
弁証:心火亢盛。
取穴:手厥陰心包経、足陽明胃経、足太陽膀胱経の経穴。
施術後:手足が温もる。

1/22、2診目。
初診施術後は体が熱く感じ、
今までにないくらいの発汗があった。
それ以降は冷えを感じなくなり、
夕方以降の不調も出なくなった。
舌診:紅舌やや色あせ、少白苔。
脈診:寸口にやや細脈。
腹診:下脘穴、関元穴が虚はマシ。
   心下部に熱感は消失。
弁証:初診時同様。
取穴:初診時同様。

1/29、3診目。
この一週間は寒い場所での仕事だったが、
継続して冷え、夕方以降の不調はなし。
舌診:淡紅舌、少白苔。
脈診:枯脈。
腹診;季肋部にうっすらと邪を診る。
弁証:同様。
取穴:手厥陰心包経、足陽明胃経、督脈の経穴。

2/5、4診目。
仕事で色々とストレスがあり、
その時に手足の冷えを感じるが
すぐに温かくなる。
舌診:やや暗紅で色あせ、少白苔。
脈診:緩枯脈。
腹診:季肋部、両肝相火にうっすらと邪を診る。
弁証:同様。
取穴:手厥陰心包経、足陽明胃経、足太陽膀胱経の経穴。

2/12、5診目。
来院3日前から体調が優れない。
主な症状は、全身の冷え、頭痛、軽い眩暈があり、
特にきっかけはないとのこと。
舌診:紅舌きつく、ほぼ無苔。
脈診:緩やや滑脈。
腹診:全体的に熱感きつく、特に心下部~胃土が顕著。
来院以来一番きついと話され、
イライラされているのも感じ取れる。
話を伺うと、
ストレスがきつく、それを発散させるために
暫く控えていた激辛カレーを食した。
その翌日から症状が出ていたことが分かる。
弁証:同様。
取穴:手厥陰心包経、足陽明胃経、督脈の経穴。
施術後:初診時同様に発汗があり、体が温まる。

2/19、6診目。
前回施術後からは冷えはあるものの
随分とマシになってきた。
舌診:紅舌マシ、簿白苔。
脈診:緩脈。
腹診:熱感はマシ。
弁証:同様。
取穴:前回と同様。

6診目以降冷えはなくなり、体調良く過ごされております。
現在も体調維持のために、
週1回のペースで診させて頂いております。

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【担当鍼灸師の下野より】

K.Kさんの場合、
日々のストレスと、そのストレスを食事、
特に辛い物を多く食べて発散するといった
ことの積み重ねが原因となっておりました。
そちらを徹底して捌くことと、
一度約束を破られましたが
辛い物の摂取を制限したことが
比較的早い改善に繋がったと思います。

(2014年 4月 16日 更新)

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