大阪府吹田市在住 T.Kさま 46歳 会社員
主訴:ぎっくり腰、野球肩
既往歴:扁桃腺摘出、盲腸、花粉症
2010年4月18日
ソフトボールの練習中に腰部にハリを感じ、
帰宅後の夕方より左腰部から臀部にかけて
痺れと鈍痛が出現する。
2010年4月21日
鍼灸治療を求め、一鍼堂来院
腹臥位が困難なので仰臥位で治療。
舌診:やや老
腹診:季肋部の浮きがあり、腹部全体的に実あり
ここ数ヶ月において仕事のストレスがかかっており、
先週においては知人結婚式や出張などで
多忙だったとのこと。
考察:気滞証
足の厥陰肝経の経穴を瀉法にて刺鍼後、
仰臥位での右脚の挙上がし易くなり、
動き出しが楽になった。
2診目(4月22日)
腰の痛みは変わらず残る。
弁証論治を再構成すべく、
問診と切診を徹底して行う。
問診にて、18日のソフトボール後に、
雨の中を原動機付きバイクで帰ったとのこと。
切経にて、大腸兪に熱感を感ず。
雨天の中バイクで走った事で
湿邪が大腸に滞り、
痛みを起こしていると診立てる。
陽明経大腸経の湿邪を捌いた結果、
大腸兪の熱感が緩解する。
3診目(4月24日)
前回治療後、
腰部の痛み⑩→⑤へ。
切経にて、大腸兪の熱感消失。
元々の患部の位置より痛みが遠位に移る。
出張で新幹線に乗るも負担はなかったとのこと。
4診目(4月30日)
ソフトボールの試合に出場したが
腰痛を感じることなくプレーが出来た。
今回より主訴を切り替え、
2年前の夏から発症した
右肩の痛み(オーバースロー時に顕著)を診させて頂く。
考察:気滞証
治療後、肩関節の可動範囲が広がる。
肩甲骨付近で両手を斜めに繋ぐストレッチが出来る様になる。
その後
7診目(5月22日)まで診させて頂き、
肩の可動範囲が発症前と同程度広がり、
ピッチャーゴロをオーバースローで処理出来るようになる。
この間、腰痛が発症することはなかったとのこと。
調子宜しいので本日にて卒業して頂きました。
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施術担当者(新川)より
初診時に、気の滞りの反応が多く診られたため
気滞証と診立てましたが、
実際は、風(寒)湿邪が陽明経に入り
気血の運行を阻害し着痺を起こしたことが
腰痛の原因となっておりました。
元々の御体の状態も重要ですが、
それが症状の原因とならない場合もあります。
その後、腰痛は消失し、
気滞から来る右肩の痛みに主訴を切り替えて診させて頂きました。
T.Kさん、
発汗後は速やかに汗の処理を行い、
雨天時のバイクの運転にはくれぐれも気を付けて下さい。
普段からストレスを溜めないように
趣味のソフトボールを思う存分楽しんで下さいね。 |