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【古医書】霊枢:厥病 第二十四④
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こんにちは盧です。
今日も霊枢を読んでいきましょう。
厥心痛、与背相控、善瘈、如従後触其心、傴僂者、腎心痛也、
先取京骨崑崙、発鍼不已取然谷。
厥心痛、腹脹胸満、心尤痛甚、胃心痛也、
取之大都、太白。
厥心痛、痛如以錐鍼刺其心、心痛甚者、脾心痛也、
取然谷、太谿。
厥心痛、色蒼蒼如死状、終日不得大息、肝心痛也、
取之行間、太衝。
厥心痛、臥若徒居、心痛間動作痛益甚、色不変、肺心痛也、
取之魚際、太淵。
厥心痛、背と相ひきて、よく瘈(けい)し、
後よりその心に触るる如くにして、
傴僂(くる)する者は、腎の心痛なり、
まず京骨・崑崙に取り、鍼を発すれば立ちどころに已む
已まざれば然谷を取る。
厥心痛、腹脹り胸満ち、心尤も痛むこと甚だしきは、
胃の心痛なり、
これを大都・太白に取る。
厥心痛、痛み錐鍼(すいしん)を以て、その心を刺すが如く、
心痛むこと甚だしき者は、脾の心痛なり、
これを然谷、太谿に取る。
厥心痛、色蒼蒼として死せる状のごとく、終日大息するを
得ざるは、肝の心痛なり、
これを行間・太衝に取る。
厥心痛、臥しもしくは徒居すれば、心痛間(い)え動作すれば
痛みますます甚だしく、色変ぜざるは、肺の心痛なり。
これを魚際、太淵に取る。
●厥心痛とは何であろうか?
難経六十難には
「五臓気相干、名厥心痛。」とある。
参考:難経六十難
五臓が病んだために起こるものであるとする。
また楊玄操は
厥心痛のとき、五臓の病み方について
「諸経絡皆属於心、若一経有病、其脈逆行、逆則乗心、乗心則心痛、故曰厥心痛。」
と述べ心が自ら病むのではなく
他の四臓や経絡が病むことで
結果として
心に症状が起こることを述べている。
傴僂とは、またの名を「せむし」と言い、
背中が弓なりに曲がっていく病である。
現代で言う骨粗鬆症やくる病によって起こるもの
と考えられる。
●また脾の心痛に対してなぜ
腎経の経穴を使うのだろうか?
楊上善は
「脾是土、腎為水、土当剋水、水反乗脾、脾乃与心為病、故遠療腎輸也。」
といい、通常は五行で考えれば、土剋水であるところを
水が暴走したために「水侮土」の関係となる。
(相剋の逆の関係が起こる)
そのため水邪をさばくことで脾を建てるのである。
また古医書では「腎邪」という表現がよくみられるが、
この「水」が暴走したものを
述べているものであると思われる。
参考文献
「現代語訳 黄帝内経霊枢 上」東洋学術出版
「霊枢講義 上」学苑出版
「易経と難経」宝栄出版