タグ: 厥
【古医書】雑病第二十六
<近日開催予定のイベント>
①【学生向け勉強会のお知らせ】東洋医学概論をモノにしよう!
→(第1回:6/16(土)15:30〜(金曜日も受付中))
②【学生向け勉強会】「素問を読もう!」申込み受付中です
→毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜 (途中からの参加も可能です。)
こんにちは盧です。
学生時代は山のように本を読んでいたのですが
ここ最近めっきり読まなくなってしまいました。
本不足による禁断症状?が出だしたので
ひさびさに梅田のマルゼンへ
小説もあり、新書もあり、
どれを読もうか迷ってしまいますね。
厥.挾脊而痛者.至頂.頭沈沈然.目䀮䀮然、腰脊強.
取足太陽膕中血絡.
厥.胸滿面腫.脣漯漯然.暴言難.甚則不能言.取足陽明.
厥.氣走喉而不能言.手足青.大便不利.取足少陰.
厥而腹嚮嚮然.多寒氣.腹中士士.便溲難.取足太陰.
厥して、脊を挟みて痛む者は、頂に至り、頭沈々然とし、
目硯硯然として、腰脊強きは、足太陽の膕中の血絡に取る。
厥して、胸滿し面腫れ、唇漯漯然として、暴かに言うこと難く、
甚だしければ則ち言うこと能わず、足陽明に取る。
厥して、気喉に走りて言うこと能わず、手足ひえ、
大便利せざるは、足の少陰に取る。
厥して、腹嚮嚮然として、寒気多く、腹中穀穀として、
便溲難きは、足太陰に取る。
䀮䀮然・・・ぼんやりとしてはっきり目がみえないさま
漯漯然・・・唇が腫れてよだれが垂れるさま
嚮嚮然・・・腹が張り、弾くと音がするさま
穀穀・・・水が流れる様子
「挾脊而痛者、至頂、頭沈沈然、目䀮䀮然、腰脊強、取足太陽膕中血絡.」
鍼灸甲乙経では
「腰痛みて脊挟み、頭に至りて几几然、目䀮䀮、委中これを主どる」とある。
「暴言難.甚則不能言」
張志総が
「喉嚨は、気のもって上下する所なり。陽明の脈は喉嚨を循り、
逆すれば気機不利、ゆえににわかに言うこと難く、
甚だしければ言うこと能わずなり。」と述べる。
「厥、氣走喉而不能言、手足青、大便不利」
同じく張志総が
「これ邪、足少陰の気病みて、厥逆するなり。足少陰腎脈、喉嚨循りて、
舌本を挟み、厥気喉に上逆し、ゆえに言うこと能わず。
腎は正気の原、気逆する故に手足ひえる。
腎は二陰に開竅する故に大便不利す。」とある。
「厥而腹嚮嚮然.多寒氣.腹中穀穀.便溲難」
張介賓は
「腹嚮嚮然、寒気 脾に滞るなり。
穀穀然、水穀分かたざるの様子なり。
便溲難、脾脈 陰気に集まるためなり。」と述べる。
---------------------------------------------------------------------------------
参考文献
「現代語訳 黄帝内経霊枢 上」東洋学術出版
「霊枢講義」学苑出版
素問を読む:其ノ三②
【生気通天論篇 第三】②
前回の記事 素問を読む:其ノ三①
今回は
陽気の変調について
以下に主だった症状を列挙していく。
▲喘喝
「喘」:呼吸困難 「喝」:呼吸困難によって発せられる声音
夏の暑さにより汗が出て、
煩燥状態になると、呼吸困難になって
息が粗くなりはあはあという音が出る。
さらに暑熱の邪が内攻すると、神明に影響して、
多言多語の症状を現し、身体は盛んな炭火のように熱くなる。
過度に煩労すると、
陽勝則陰病(ようしょうそくいんびょう)となり、
緊張が亢ぶり陰精の衰耗を引き起こし、
それが続くと以下の症状が出現する。
▲煎厥
→病因:陽実陰虚の状態で、さらに夏の暑熱に影響
症状:目がぼんやりとしてはっきりしない、耳が塞がって聞こえない
ちなみに「煎」とは、
強い火力を与え、植物などの成分を煮出すこと という意味があるが、
何かの力が働いて結果的に出現するといった経過を意味すると考えられる。
▲薄厥
→病因:陽実陰虚の状態で、大怒により陽気の逆乱が起こる
症状:昏厥
張景岳の説によると、
「薄」とは、互いに迫ること を指す。
●「厥」 とは、卒倒、人事不省、四肢が氷のように冷たい状態を指す。
実証:肝陽上亢、食物の停滞−気機が逆上−上部に鬱滞−清竅が閉塞
虚証:気虚、気血の損傷−清竅不養
▲痤疿
「痤」は一種の小セツ(※やまいだれに節)「疿」あせもの一種。
汗が出た後に湿邪の侵襲を受けると、
小セツ(※やまいだれに節)と汗疹が発生する。
新川
参考文献:『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』 東洋学術出版
『鍼灸治療 内経気象学入門—現代に甦る黄帝内経による気象医学』 緑書房