神庭一穴 直鼻の上髪の際より五分上
承霊二穴 目の上直に髪際に入こと四寸
承泣二穴 目の下七分直に瞳子のとおり
青霊二穴 肘の上三寸臂を挙げてとるべし
絡却二穴 玉枕の前一寸五分
顱顖一穴 額の上おどりという処なり
石門一穴 臍下二寸一名は丹田女に忌
合谷二穴 手大指と食指との岐の間、
推せば肘にこたゆる処、
一名虎口、女忌
陰交一穴 臍の下一寸妊娠にいむ、
此穴に針灸すれば子を孕まず
鳩尾一穴 肋骨の真中のはづれより一寸下
〜『鍼灸重宝記』より〜
引き続き「禁鍼の穴」の続きです。
今回で「禁鍼の穴」は終了になります。
今回に禁鍼穴としてでている経穴には
妊娠や出産に関係するものがいくつかあります。
石門、合谷、陰交がそうです。
石門、陰交などは原文にも記載があるように
不妊と関係が深いとされます。
また合谷は妊婦には流産の危険があるので
注意する必要があると言われています。
これらの経穴は十分注意する必要がありますが
絶対的なものではなく施術者の技術や
患者さまの状態によっては
治療穴として使用する場合があります。
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〜林より。〜
禁鍼穴とありますが、
通常と同様、しっかりと弁証をした上で
上記の穴を使うのであればまず問題などありません。
問題あるとすれば、それは弁証が誤っているからで、
原因の見立てと処置が合ってないからに他なりません。
この経穴はどのような時に使い、
どのような時には使用してはならないという考えは
止めた方が宜しいです。
臨床的にはほぼ役に立ちません役に立つとすれば、
書かれている内容には一理あるのか、
或いは、捨て去っても良い内容かを
自分自身で一度考えてみるということに尽きるかと思います。