解熱の療法として、
豆腐パスター(湿布)がある。
豆腐の水分を取り、
小麦粉を混ぜ、
少量のおろし生姜を加えたものである。

大豆はカリウムを非常に多く含み、
ナトリウムが少ないため、
極めて陰性である。
そのため、
陽(熱)を化学的に吸収するのである。

陰が陽に移ったということであり、
『無双原理・易』に、
”火が必ず間接、または直接に、
大気の陰に吸収される身近な現象(熱の伝播)。
これは、夏が来れば必ず冬が訪れ、
夜が明けた後には昼が来るという現象に同じく、
定理十一(陰極まりて陽生じ、陽極まりて陰生ず。)
を証拠づける。”
という文章があり、
陰陽論に基づいた先人の知恵であることが分かる。

舌診で、
熱の所見として黄苔がみられるが、
豆腐パスターを行った後は、
その豆腐が黄色くなることからも、
熱を奪ったことを確認できる。

胡麻油を目薬として利用したり、
消化器の弱りに梅醤番茶や塩茶を利用するなど、
科学が絶対的な権力を持つ現代においては、
昔から伝わる民間療法というものを、
なにか信憑性にかけた奇術のように捉えがちだが、
これらは陰陽の視点を持つことで
「効く仕組み」を理解することができるのである。

つまり、
古くから伝わる民間療法は、
陰陽バランスを調整する手段なのである。

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