大原です。「傷寒論」について
勉強した内容をまとめていきたいと思います。
いわゆる「傷寒論」は、
成立した時代においては
「傷寒雑病論」と呼ばれ、
現代では「傷寒論」と「金匱要略」という
2冊の書物に分かれて伝えられています。
「傷寒雑病論」は、後漢の末期に
張仲景という人物が書かれたとされ、
当時は疫病が流行し、張仲景の一族の大勢も
疫病の犠牲になったことが、
医学書を残そうとしたきっかけだったようです。
そのような背景があって、
「傷寒雑病論」では外感病に関しての
詳細が記されているのですね。
さて、傷寒論の始めに書かれている太陽病は、
その原因が風邪か寒邪かで
「太陽中風証」と「太陽傷寒証」に分かれます。
太陽中風証は、風邪によって衛気が損傷され、
表の正気が弱ることから、「表寒虚証」とも呼ばれ、
脈は緩脈となり、ダラダラと汗をかきます(自汗)。
また、風邪に侵されているので、
風にあたるのを嫌がります(悪風)。
太陽傷寒証は、寒邪によって
衛気と営気が閉塞することから
「表寒実証」とも呼ばれ、
脈は緊脈となり、汗はかきません(無汗)。
寒邪に侵襲されているので、
寒さを嫌がります(悪寒)。
太陽中風証(表寒虚証)に対しては、
漢方の基本とされている
「桂枝湯」という方剤を用い、
発汗させることで風寒の邪を発散させ、
営陰を固めることで
衛陽(表の衛気)と営陰の不和を治します。
太陽傷寒証(表寒実証)に対しては、
「麻黄湯」という方剤を用い、
主に発汗させて寒邪を発散させることで、
閉塞した営衛を正常な状態にします。
次回に続きます。
参考文献:
『基礎中医学』 燎原
『傷寒論を読もう』 東洋学術出版社
『中医臨床のための方剤学』 神戸中医学研究会
*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。
大原
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