近くの橋の崩落で
ここしばらく関係者以外は
車や歩行者が入れなくなっている。
すると、不思議と人の匂いも薄まり、
緑が溌剌と開いて
森たちも実に楽しそうであります。
明らかに振る舞いが変わった。
こんなんなら、
車なんか一切通らなければいいのに。。
などと思いながら誰もいない道を歩く。
この世から人がいなくなったような不思議な気分に浸る。
虫たちの宴。
水の音。
鳥のさえずり。
緑がパチパチ鳴らす音。
土を踏む音。
水面で屈曲する光の煌めき。
風。
山の音。
本当の色彩とはなんであるか。
本当の音楽とはなにかを教わる気がしている。
また、豊かさとはなんであるかという問いも、
都市とのコントラストの中から思うことが
多くある。
ただし、
この場所に来るのも、
鉄の塊に乗り、そいつに化石燃料をぶち込んで
ガタガタ揺らせながらでないと能わないという
一種のジレンマを抱えている私ではあるのだが。
兎にも角にも多くを教わります。
林