下野です。
早いもので もう4月です。
自宅近所の桜もそろそろ
咲き始める時期となりました。
(写真ですが、スマホで撮ったのでぶれてしまっております。)
では『薬性の歌』に参ります。
【原文】
栀子性寒、解郁除煩、吐衄胃痛、火降小便。
清上焦鬱火、用慢火炒黒、清三焦実火、生用。
連翘寒苦、能消癰毒、気聚血凝、湿熱堪逐。
去心。
石膏大寒、能瀉胃火、発渴頭疼、解肌立妥。
滑石沈寒、滑能利竅、解渇除煩、湿熱可療。
知母味苦、熱渇能除、骨蒸有汗、痰咳皆舒。
去皮毛、生用瀉胃火、酒炒瀉腎火。
<第五に続く>
【解説】
栀子は寒。
鬱熱を捌き、煩を除く。
血熱による吐血、下血、胃痛に用いる。
火を清して小便で出す。
上焦の鬱熱を清すには、弱火で黒くなるまで炒める。
三焦の実火を清すには生を用いる。
連翘は寒、苦。
皮膚の化膿症や丹毒に効果があり、
気聚、血凝、湿熱を散す。
芯を去るように。
石膏は大寒。
胃火をよく瀉して、
高熱や頭痛に効果がある。
肌の創傷や潰瘍の治りが悪いものに用いる。
滑石は沈寒。
滑で竅を通し、暑邪による煩渇を除く。
湿熱の治療に用いる。
知母は味苦。
熱病の口渇や骨蒸盗汗を取り除く。
肺熱の咳嗽や痰にも用いる。
皮毛を去る。
生で用いれば胃火を瀉し、酒で炒めると腎火を瀉す。
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◉栀子
栀子、又は山栀子と言う。
アカネ科のクチナシ。
形が球形の物を山栀子、
細長い物を水栀子と言う。
性味:苦・寒
帰経:心・肺・肝・胃・三焦
効能:
①清熱瀉火
・外感熱病で起こる胸中鬱熱で胸が熱苦しい、不眠などを呈する時に。
方剤例→栀子豉湯。
・三焦の実火による高熱、意識障害を呈する時に。
方剤例→黄連解毒湯
・肝火による目赤、疼痛、口苦、胸が苦しい等を呈する時に。
方剤例→竜胆瀉肝湯
②清熱利湿
・湿熱の黄疸に。
方剤例→栀子柏皮湯
・膀胱湿熱の排尿痛、排尿困難を呈する時に。
方剤例→五淋散
③清熱涼血
・血熱による各出血に用いる。
方剤例→栀子金花丸
④清熱解毒
・熱毒による皮膚の化膿症に。
方剤例→清上防風湯
◉連翘
モクセイ科のレンギョウなどの果実。
性味:苦・微寒
帰経:心・小腸
効能
①清熱解毒、清心瀉火
・外感風熱や温病の初期の発熱、悪風など。
方剤例→銀翹散
・営分に熱入したときの夜間発熱、不眠など。
方剤例→清営湯
・心包に熱入したときの高熱、意識障害など。
方剤例→清宮湯
②消癰散結
・皮膚の化膿症、丹毒に。
方剤例→連翹解毒湯
③清熱利小便
・熱結尿閉や排尿困難、排尿時痛に。
方剤例→麻黄連翹赤小豆湯
◉石膏
含水硫酸カルシウム鉱石。
性味:辛・甘・大寒
帰経:肺・胃
※本多先生による解説はこちら→風引湯/腹證奇覧
石膏は、中国全土は勿論、
日本でも産出される鉱物である。
◉滑石
滑石(かっせき)
加水ハロサイトを正品とする。
性味:甘・寒
帰経:肺・胃・膀胱
※本多先生による解説はこちら→風引湯/腹證奇覧
色は白く、光沢があり、
少し甘味があり軟らかい物が良品とされる。
◉知母
ユリ科のハナスゲの根茎。
性味:苦・寒
帰経:肺・胃・腎
※為沢先生による解説はこちら→
【古医書】傷寒論: 弁陽明病脈証并治 二百二十二章・二百二十三章
薬草取りの老婆が
親切にしてくれた木こり夫婦に
「母の心を知る息子にめぐり合えた」と
ハナスゲの根が薬草であることを教えたことに
由来するとされている。
<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『まんが漢方入門』 医道の日本社
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
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是非参考文献を読んでみて下さい。
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