宮村です。
今回は臓腑弁証の肝・胆病弁証の
肝気不疏について勉強した内容を書いていきます。
肝胆について
肝は疏泄機能を主り、
筋膜や爪、目などを栄養している。
肝の生理機能の内、
中心的なものは疏泄機能であり、
その機能によって胆、目、筋膜などの
器官の生理機能が保たれ
気・血・津液などの基礎的な物質の
生化と流通が調節されている。
肝気が疏泄条すれば気・血・津液は
全身を巡ることができ、
五臓六腑の気機は滞ることなく全身に広がる
そのため疏泄は肝胆系統に影響を与えるだけでなく
各臓腑の協調と統一にも深く関与する。
肝気不疏
肝気不疏とは肝気の条達疏泄機能が失調することで
気鬱、気滞などが現れる病理変化を表している。
肝の疏泄機能が失調すれば一般に
胸のつかえ、太息などの
症状が現れ、ついには気滞となり
胸脇部、乳房、少腹、腰、
仙骨部などが脹痛し、
月経不調、月経痛が起きる。
進行すれば外からの刺激に対する反応を
コントロールすることが出来なくなり
ついには肝気が上逆し激怒、
急激な厥証などが出る。
また気が滞れば血流も滞り
顔色が悪い、体が痩せる、
胸脇脹満して刺すように痛むなど
瘀血病変が現れる。
瘀血が形成されれば
肝気を塞ぎさらに気を滞らせてしまう。
このように肝鬱と瘀血は
影響しあい一方が起きれば
必ずもう一方を引き起こす
原因になるという関係にある。
肝の疏泄作用は
脾胃の受納運化機能を調節するので、
肝気不疏になれば、
脾の運化機能や胃の和降機能が
失調するという病変を誘発し、
肝脾不和や肝胃不和という
病理になることもある。
参考文献:
『東洋医学概論』 医道の日本社
『針灸学 基礎編』 東洋学術出版
『中医病因病機学』 東洋学術出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
宮村