下積み修行中の小堀のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


ヒヤシンス
ヒヤシンス

小堀です。
今回も引き続き、邪気蔵腑病形篇の続きになります。

黄帝問於岐伯曰、余聞之、見其色、知其病。命曰明。
按其脈、知其病。命曰神。
問其病、知其処。命曰工。
余願聞見而知之、按而得之、問而極之。
為之奈何。
岐伯荅曰、夫色脈与尺之相応也、如桴鼓影響之相応也。
不得相失也。此亦本末根葉之出候也。
故根死則葉枯矣。
色脉形肉不得相失也。故知一則為工、知二則為神、知三則神且明矣。

≪提要≫
病人の顔色で病状を知ることを「明」という。
脈状を診て病状を知ることを「神」という。
問診で病状を知ることを「工」という。

樹木の根と葉のように、顔色と脈、皮膚の様子は
ちぐはぐではなく、一致しているものである。


日と月の会意文字と考えられるが、
古代の字形は、明り取りの窓と月との
組み合わせで成り立っている。
窓からさしこむ月光によって、暗闇の中の
「見えないものを見えさせる力」を現す。
患者の病の状態を見えさせる光が「明」といえる。


神の「申」の部分は電光の屈折して走る形で、
神威の表れと考えられる。
易・繫辞伝に「陰陽はかられず、之を神という」とあり、
人力でどうにもならない自然の力に順応して
はじめて人は幸福を得るという東洋人の考え方があり、
その偉大な自然の力を神とした。
人の脈状の変化も自然の力によるものであり、
故に脈で病態を診ることを神という。


古代字形からも、開いた穴に
棒を突きさしたような象形文字である。
ものに穴を開けるのは古代では容易ではなかったため、
人が工作することの難しさをいわれたと思われる。

黄帝曰、願卒聞之。
岐伯荅曰、色青者、其脈絃也。
赤者、其脈鈎也。
黄者、其脈代也。
白者、其脈毛。
黒者、其脈石。
見其色而不得其脈、反得其相勝之脈、則死矣。
得其相生之脈、則病已矣。

≪提要≫
肝は木を主り、その色は青で、脈は弦となる。
心は火を主り、その色は赤で、脈は鈎となる。
脾は土を主り、その色は黄で、脈は代となる。
肺は金を主り、その色は白で、脈は毛となる。
腎は水を主り、その色は黒で、脈は石となる。

顔色と脈が一致しなかったり、
色と相克関係の脈が現れたりすると
予後不良となる。

黄帝問於岐伯曰、五蔵之所生、変化之病形何如。
岐伯荅曰、先定其五色五脈之応、其病乃可別也。
黄帝曰、色脈已定。別之奈何。
岐伯曰、調其脈之緩急小大滑濇、而病変定矣。
黄帝曰、調之奈何。
岐伯荅曰、脈急者、尺之皮膚亦急。
脈緩者、尺之皮膚亦緩。
脈小者、尺之皮膚亦減而少気。
脈大者、尺之皮膚亦賁而起。
脈滑者、尺之皮膚亦滑。
脈濇者、尺之皮膚亦濇。
凡此変者、有微有甚。故善調尺者、不待於寸。
善調脈者、不待於色。能参合而行之者、可以爲上工。
上工十全九。行二者、為中工。中工十全七。
行一者、為下工。下工十全六。

≪提要≫
脈の緩急・小大・滑濇を診れば病変は確定できる。
急:尺部の皮膚が緊張している。
緩:尺部の皮膚が弛緩している
小:尺部の皮膚が痩せている
大:尺部の皮膚が大きく隆起している
滑:尺部の皮膚が潤滑
濇:尺部の皮膚が枯れてざらついている

尺膚を捉えれれば寸口を必ずしも診る必要はなく、
脈をうまく診れれば色を診なくても病状がわかる。
色・脈・尺膚を総合して診れれば
診断はさらに確実になる。


参考文献:
『現代語訳黄帝内経霊枢』東洋学術出版社
『鍼灸医学体系⑭』雄渾社
『字通』平凡社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

小堀

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