下積み修行中の奥村のお勉強記事です。
勉強中でまだまだ至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。
こんにちは。
奥村です。
今回は、桂枝加厚朴杏仁湯証について学んだことを、
書かせて頂きます。
以前の記事で書かせて頂いたように、
太陽中風証は、表邪と太陽の気が戦っている状態です。
表邪によって侵された衛気と営気を扶け、
表邪を取り去るために、桂枝湯を用います。
その際、状況に合わせて、
太陽中風の兼証の治療のために、
桂枝湯に手を加えて用いる場合があります。
このことを、桂枝湯の加減証といいます。
桂枝湯加減証の一つである桂枝加厚朴杏仁湯証について説明します。
◎桂枝加厚朴杏仁湯証
これは、太陽中風証に肺気虚を兼ねた症候のことであり、
桂枝加厚朴杏仁湯を用いて治療する。
本方は、桂枝湯に厚朴と杏仁を加えたものであり、
厚朴と杏仁は、肺気を扶ける働きがある。
以下に本方の適用例を示す。
①平素から持病で喘息のある人の場合
肺気虚の可能性がある。
肺気虚の人が太陽中風証になると、
肌表から侵入した風邪が肺を侵し、
肺気不利となる。
すると、肺の粛降作用が失調するために、
上焦に昇った気を下に降ろせず、
咳という形で発散されてしまう。
このように、喘息の発作が起こる。
この場合、
桂枝湯で表邪を解除しただけでは、
発作を抑えることができない。
そこで、桂枝湯によって、
肌表の風邪を解除すると同時に、
肺気を補うことで、
粛降作用を扶け、
平喘させる。
②太陽病の治療を誤った場合
太陽病は発汗して、表邪を解除し治療する必要がある。
ところが誤って、瀉下法を行った場合は、
桂枝湯だけでは治療できない。
瀉下法では腹を下して、
裏に入った邪を便として排出する。
表邪が解除される前にこれを行うと、
表邪が裏に入る。
裏に入った邪が肺を侵すと、
肺気不利となり、喘が起こる。
この場合は、表邪も解除されていないまま、
表邪が裏に入り込んでしまっている。
桂枝加厚朴杏仁湯を用いることで、
桂枝湯で表邪を解除し、
厚朴杏仁で肺気を利する。
③上記の①②以外でも、太陽中風で喘がある場合
もともとの肺気の弱りもなく、
瀉下法も行っていなくても、
肺気が弱められることがある。
その際の症候として、
太陽中風の基本症候以外に、
気喘がある場合がある。
この場合も、
肺の宣発と粛降機能が失調しているため、
桂枝加厚朴杏仁湯で、肺気を利する。
参考文献:
『中国傷寒論解説』
『中医学の基礎』
『中医診断学ノート』東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
奥村