「武士道とは、
日本の象徴である桜花と同じように、
日本の国土に咲く固有の華である。」

どうも下野です。
上の文章は新渡戸稲造さんの著書
『武士道』の始めの一節です。
「武士道」という題を見ると、
世間一般的に言われる
体育会系のような
イメージを持たれる方もいるのでは?
と思いますが、
(すみません。私自身そう思っていました。)
実際の内容は全く違い、
内容の捉え方は様々だと思いますが、
私にとっては非常に良書となりました。
御興味のある方は、
一度手にとってみて頂ければと思います。

では『万病回春』の記事に参ります。


【原文】
百病昼則増劇、夜則安静、
是陽病有余、乃気病而血不病也。
夜則増劇、昼則安静、
是陰病有余、乃血病而気不病也。
昼則発熱、夜則安静、是陽気自旺於陽分也。
昼則安静、夜則発熱煩燥、
是陽気下陷入陰中也。名曰「熱入血室」。
昼則発熱煩燥、夜亦発熱煩燥、是重陽無陰也。
當急瀉其陽、峻補其陰。
夜則悪寒、昼則安静、是陰血自旺於陰分也。
夜則安静、昼則悪寒、是陰気上溢於陽中也。
夜則悪寒、昼亦悪寒、是重陰無陽、
當急瀉其陰、峻補其陽也。
昼則悪寒、夜則煩燥、飲食不入、
名曰陰陽交錯者死也。

火多水少、為陽実陰虛、其病為熱也。
水多火少、為陰実陽虛、其病為寒也。

白者肺気虛、黒者腎気足也。
肥人湿多。瘦人火多也。

<第二十一に続く>


【現代語訳・解説】
百病、
昼は増劇し、夜になると安静になるものは
陽病有余であり、気病んで血は病まず。
夜は増劇し、昼に安静になるものは
陰病有余であり、血病んで気は病まず。
昼は発熱し、夜に安静になるものは
陽気が陽分に旺である。
昼は安静で、夜に発熱・煩躁するものは
陽気下陥して陰中に入る。
熱が血室に入るという。
昼も発熱・煩躁して、夜もまた発熱・煩躁するものは
重陽で陰なしである。
すみやかに陽を瀉し、陰を峻補すべし。
夜は悪寒し、昼は安静になるものは
陰血が陰分に旺である。
夜は安静で、昼に悪寒するものは
陰気が昇って陽中に溢れている。
夜も悪寒して、昼もまた悪寒するものは
重陰で陽なしである。
すみやかに陰を瀉し、陽を峻補すべし。
昼は悪寒し、夜は煩躁し、飲食が摂れないものは
陰陽が交錯した状態で死を向かえる。

火多く、水が少ないものは陽実陰虚であり、
その病は熱証である。
水多く、火が少ないものは陰実陽虚であり、
その病は寒証である。

白き者は肺虚し、黒き者は腎が不足している。

肥えた者は湿が多く、痩せた者は火が多い。
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ここで書かれていることは、
中医書 『医宗金鑑』
四診心法要訣に記載されており、
その内容は、
病の陰陽、気血、生死を問診より知る
ということである。

内容を簡単に説明をすると、
陰陽寒熱より体を診ると、
昼は陽・熱の時間であり、
夜は陰・寒の時間となる。

ただ昼に熱の症状があるのは
陽が旺盛になった状態であり、
夜に寒の症状があるものは、
陰が旺盛になった状態である。

反対に、
昼に寒の症状があるものは
陰気が上り陽に溢れた状態で、
夜に熱の症状があるものは
陽気が陰中に下陥したものである。

昼夜とも寒がきつい場合は
重陰無陽であり、
昼夜とも熱がきつい場合は
重陽無陰となる。

また昼は寒、夜は熱と
陰陽が交錯し、
飲食が摂れないものは
死に向かうと書かれている。

ただ、問診を鵜呑みにしてしまうと
病の本質を見失ってしますので要注意です。
しっかりと四診より
総合的に判断しなければいけません。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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