下積み修行中の大原さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。
修行生の大原です。
前回(滑肉門・天枢・大巨 その1)の続きです。
前回は、臍周辺の3穴(滑肉門・天枢・大巨)が
診断点として、とても重要であるということについて
述べました。
では、これらの経穴を治療点として用いた場合、
どのような効果があると
考えられているのでしょうか?
<滑肉門>
・沢田流では「骨肉門」といい、
骨と肉の門であることから
腎と脾の病を治すのに大切な穴である。
腎臓炎、腎盂炎、消化不良、胃下垂、十二指腸潰瘍等を治する。
人身における「天」すなわち臍以上の病気の診断点であり、
かつ治療点でもある。(『鍼灸治療基礎学』より)
・肝鬱があり、同時に正気が弱って
肝鬱だけを瀉すことができない場合に使われる。
同様に、天枢や章門なども用いるが、
本穴は、加えて腎虚がある場合に、より効果が高い。
(『経穴解説』より)
<大巨>
・大腸の病を主る。
下痢、便秘、腸炎、腸結核等に効く。
また、腎臓炎、腎臓結核、腎盂炎等の腎疾患にも
必須の穴であり、子宮内膜炎、帯下、不妊症などの婦人科疾患、
膀胱炎、淋疾等の下腹部の病気に大切な穴である。
(『鍼灸治療基礎学』より)
・大巨と滑肉門は相対し、
滑肉門は身体の上半分を主り、
大巨は相対的に下半分を主り、腎を支配する。
(『経穴解説』より)
<天枢>
・大腸の病を主る。
下痢、便秘、赤痢、腸チフス、腸炎等に効く。
別名を長谿、谷門、穀門、循際、長谷、大腸募という。
素問の天元紀大論にある司天在泉の説より
天枢は、天気と地気の交錯する枢要の処である。
・腸と脾胃が相互に影響しあっておこる病証、
およびそのほかの原因による腸腑病は
すべて本穴の治療範囲に入る。
さらに、傷寒病中の陽明腑病、太陰病と、
温病中の気分証侯である熱結腸道型の場合も、
本穴の治療範囲に入る。
(通腸導滞、腸道の温通、積滞の温散、
温陽固腸、温陽駆邪、寒積の温散)
(『臨床経穴学』より)
・上下を分ける中間であり、
緊張性からきた肝鬱が関与すると、
天枢に出てくる。肝と大きく関わる。
(『経穴解説』より)
以上、3穴の治療効果についての
記載がみられる主な書籍から、
内容を抜粋してまとめてみました。
滑肉門・天枢・大巨は別々のツボですが、
3穴の診断上の意義を考えた場合、
治療点としても
それぞれの関連が深いことが分かります。
参考文献:
『黄帝大経 素問 下巻』 東洋学術出版社
『鍼灸治療基礎学』 医道の日本社
『臨床経穴学』 東洋学術出版社
『経穴解説』 メディカルユーコン
*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。
大原