宮村です。
今回は臓腑弁証の脾・胃病弁証の
脾虚湿盛について勉強した内容を書いていきます。
脾虚湿盛
脾虚湿盛とは脾の陽気が不足することで
運化機能が低下し働かなくなったために
水湿が停滞するという病機変化である。
脾陽の温煦運化、昇盛機能は、
肺、腎、三焦、膀胱などの臓腑と
関係しており、
協力して水液の昇降出入と新陳代謝を行う。
したがって食生活の不節制や
冷たいものばかり飲む、
雨に濡れる、川や湖を渡る、
湿潤な土地に長く住むなどすれば
寒湿の邪を感受し脾陽不足となる。
脾陽が不足すると脾は水液を温めて
散布することが出来なくなるので
水液は停滞して水湿となる。
ひとたび水湿が停滞すれば、
三焦の水道を通って
あらゆるところへ流動するので
状況によっていくつかの変遷をたどる。
寒湿困脾
脾の運化機能が失調し、
寒湿が停滞することで
寒湿困脾という病理が起きる。
湿は陰邪であり、その性質は凝滞であり、
中焦を塞ぐので、脘腹脹満、げっぷ、
胃酸過多、食欲不振などの症状が起きる。
湿が下焦に流れ込めば泥状便になり、
胃濁が上昇して溢れれば悪心嘔吐が起き、
怠惰で寝てばかりいるといった状態になる。
湿が肌肉に停滞すれば体が重だるくて痛み、
湿濁が上昇して溢れれば
舌苔が厚くなり白膩となる。
寒飲内停
湿が集まって飲となる。
飲が胸脇に停滞すれば気機の流れを遮るので
胸脇部が膨満し、飲が気とともに逆上すれば、
清陽を閉ざし頭眩、目眩する。
また水気が心を襲えば動悸がし、
飲邪が肺を犯せば喘息、息切れ、
水っぽい痰が出るなどの症状が現れる。
脾虚水泛
脾が虚して湿を制御することが
できないという病理であり、
悪化すれば蓄積した水湿が皮膚に溢れ、
皮膚の腫脹が現れる。
また食欲不振、息切れ、懶言、冷え性、
悪寒、泄瀉、泥状便、四肢や全身の浮腫、
体が重い、尿閉塞などの症状もともなう。
参考文献:
『東洋医学概論』 医道の日本社
『針灸学 基礎編』 東洋学術出版
『中医病因病機学』 東洋学術出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
宮村