- 後漢時代の名医、張仲景が『傷寒雑病論』を著す。
いわゆる傷寒論のオリジナル。またの名を『傷寒卒病論』 - 。
- 『傷寒雑病論』のオリジナルは書かれてすぐに散逸し、
完全な形で見る事は出来ない。 - しかし、『傷寒雑病論』は「傷寒」と「雑病」の二つからなるうちの
傷寒の部分を西晋時代の医家、王叔和が集め、整理して『傷寒論』として世に出す。 - 再び長らく世に埋もれ、その内容は「不伝の語」となる。
(秘方として公開されず。) - 孫思邈が『千金要方』に引用し、『千金翼方』に大部分を公開。
- 北宗の開宝年間(967~976)、
高継沖が秘蔵していた『傷寒論』を編集して宗政府に献上した。 - さらに1064年に校正医書局の林億、高保衡らによってまとめられて刊行される。
これが元に流伝し今日にいたる。
【傷寒論とは何ぞや】
- 宋版本:オリジナルはなくなっているが、1599年に趙開美が復刻した。(趙刻本)
- 成注本:金代の医家、成無己が傷寒論に注解を加えたもの。
宋版本の傷寒論がよく反映されていると考えられている。
【現在流布している2種の版本】
参考文献:『中国医学の歴史』/東洋学術出版社