下積み修行中の奥村のお勉強記事です。
勉強中でまだまだ至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。
こんにちは。奥村です。
今回は脾について学んだことを書かせて頂きます。
脾の生理機能は以下の通りです。
①運化を主る
飲食物を精微に化し、全身に輸送する。水穀と水液の運化。
②昇清を主る
脾気による昇清作用によって、水穀の精微と津液は心肺に昇る。
上昇した栄養物と水液は心肺によって全身を巡る。
③統血を主る
脾気は固摂作用により、血が脈外へ漏れ出るのを防ぐ。
④気血生化の源である
気と血が生成されるのに必要なものは腎中の精気と水穀の精微である。
水穀の精微は脾によって作られる。
⑤肌肉と四肢を主る
全身の肌肉は脾胃で運化された水穀の精微によって滋養される。
⑥口に開竅する
味覚は脾胃の運化・昇清機能に関係するため、
運化・昇清機能が正常であれば、味覚は正常となり、食欲が増進する。
ここで、脾の昇清機能についてもう少し見てみます。
海水が蒸発することで上昇し、雨として下降するように、
人体においても、気血津液は上昇と下降を繰り返しつつ巡っています。
その中で、体内に取り入れられた飲食物は清と濁に分別され、
清は上焦に昇り、全身に届けられます。
濁は下焦に降り、排泄されます。
同様に、脾は気血生化の源であるので、
生化した気血を脾気の昇清作用で上焦まで上昇させます。
上昇された気血は肺の粛降作用により全身に降りていきます。
下焦まで降りてきた気血は肝の昇発を受け上昇します。
このように、気・血・津液は、昇降出入により体内を巡ります。
脾の病症には次のものがあります。
①脾気虚弱
飲食の失調や肉体疲労などから脾気が損傷し脾気虚になると、
脾の運化機能が失調する。
食欲減退:脾は口に開竅し、運化機能の失調により味覚が異常となり起こる。
腹部膨満:脾気虚によって昇発機能が失調し、気血津液が上昇できず滞る。
泥状便:津液が昇発できず、下焦に滞る。
疲労倦怠:気血が生成不足により全身が滋養されない。
舌淡、舌白苔:気血不足のため頭部、舌部も滋養されない。
脈緩:血不足のため血脈を満たせない。
②脾気下陥
脾気虚弱が進展して起こる。昇を主る脾気が下陥した状態。
眩暈:栄養物質が上部に昇発されずに起こる。
内臓下垂、久瀉脱肛、便意頻繁:昇の力を失い降りていく。
③脾不統血
鼻出血、皮下出血、血便、血尿:脾気の統血作用が失調し、易出血となる。
④脾陽虚
脾気虚が進展して起こる他に、
冷たい物や生ものの過食で脾陽を直接損傷しても起こる。
手足が冷たい:陽虚による温煦機能の失調
水様性の下痢:脾陽虚による昇発機能の失調
排尿困難:運化機能の失調により水湿が滞り排泄できない。
舌淡嫰、苔白滑:水湿の内停を表す。
脈沈細弱、遅弱:血の生成機能が落ちる。寒象を表す。
⑤寒湿困脾と脾胃湿熱
寒湿困脾:寒湿の邪が脾陽を束縛する。
苔白膩:寒湿内盛を表す
皮膚が暗黄色:湿邪の阻滞により脾が気血を生化する機能が衰え、
皮膚に十分に血が行き渡らずに起こる。
脾胃湿熱:湿熱の邪が脾にこもる。
舌黄膩:湿熱内盛を表す
汗出、発熱:湿邪が熱邪をこもらせているため内熱がある。
●上記二つの共通の症状には次のものがあります。
頭が重い:湿邪が上焦に滞り栄養物質が上部に行きわたらない。
口が粘る:粘性である湿邪のため起こる。
食欲減退:中焦の湿によって脾の運化機能が失調する。
身体が重い:湿邪が経絡を阻体する。
参考文献:
『中医基本用語辞典』
『中医学の基礎』
『中医診断学ノート』東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
奥村