紅葉(11月 観心寺にて)
紅葉(11月 観心寺にて)


下積み修行中の大原さんのお勉強記事です。

勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


修行生の大原です。
さて今回は、
温病の主な治法について述べていきます。
ただし、これらの治法は、
決して温病のみに適用されるものではなく、
あらゆる外感病の症侯に用いられます。

・解表法
表邪を駆除し表証を解除する治法で、
腠理を疏泄して邪を外出する。
温病初期の邪在衛分に用いる。

具体的には、
風熱には疏風泄熱、暑熱には透表清暑
湿熱には宣表化湿、燥熱には疏表潤燥
といった解表法がある。
効果があれば中止し、
発泄による傷津を防ぐといった注意が必要である。

・清気法
気分の邪熱を清泄する。
温熱の邪は気分を犯しやすいため、
温病ではよく使用される。

病位の浅深・病邪の性質などにより、
異なる治法を用いる。

軽清宣気(けいせいせんき)
邪が気分に入ったばかりで胸膈に鬱している場合、
熱邪を透泄して気機を宣暢する。

辛寒清気
陽明気分の邪熱熾盛の場合、
気分の邪熱を清泄する。

清熱瀉火
気分の熱が鬱して化火した場合、
裏熱を直清して邪火を外泄する。

邪が気分にはいっていないときに用いると、
寒涼により邪気を鬱遏する恐れがあるために、
早期から使用してはならない
といった注意が必要である。

・和解法
邪が表にもなく裏にも結しておらず、
少陽や三焦、膜原に鬱しているときに、
邪熱を透解し気機を宣通して外解和裏させる。

(※膜原(まくげん):胸膜と横隔膜の間の部位を指す。
ここでいう「邪が膜原にある」とは、
病邪が半表半裏の位置にあることをあらわす。)

清泄少陽
少陽半表半裏の邪熱を清泄する。
湿熱の邪が少陽枢機を阻滞し、
胃気の和降にも影響が及ぶ場合に用いる。

分消走泄
三焦を通利して湿熱を分消走泄し、三焦気分の邪を除く。
湿熱の邪が気機を鬱阻しているときに用いる。

開達膜原
膜原の湿濁の邪を疏利透達する。

・祛湿法
湿邪を祛除する。気機を宣通し
運脾和胃して水道を通利し化湿泄濁に働き、
湿熱の病変に用いる。

宣気化湿
温病の初期で、湿熱の邪が衛分を鬱遏した場合、
気機を宣通して湿邪を透化する。

燥熱泄熱
湿邪が化熱し中焦に遏伏して気機を阻滞した場合、
辛開苦降により燥湿泄熱する。

分利湿邪
湿熱が下焦を鬱阻した場合、
滲湿利小便により邪を尿から排泄する。

湿邪と熱邪の軽重と邪の存在部位を把握し、
津液不足の体質には慎重を期するなどの
注意が必要である。

次回に続きます。


参考文献:
『中医臨床のための温病学』 東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 燎原

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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