心の位において
偏陽し暴れるさまは
まさに剛気でありまして、
患者自身でもなかなかコントロールが出来なくなってきます。
怒りやすく易く、
感情が顕わになりやすいので、
一時お付き合いするのは宜しいものの、
時に周囲を破壊しながら進みますので
近い人間は、実に苦労します。
この陽火を治める方として
表裏関係にある場所からアプローチする手として、
後谿を使ったりですとか、
直接、心兪を用いる、
心包からひっかける方法など
多々あります。
なにも水をひっかけ鎮火させるような表現だけではなく、
陰分をしっかりと湧かせておさめてやる。
陰陽和合するように事静かに和してやる方法など
いくらでも手はあります。
穴性に求めてもいいですし、
一手のうちに含みを与えることも可能です。
そこが非常に重要で、
今朝もその重要性を身をもって感じました。
心は君主の官でありますから、
君主を説き伏せ、示し与えるにしろ、
いろいろなアプローチがあり、
繊細さを欠き、
やれどうだと鍼をもって命じても彼は
そうやすやすと動じるものでもありませんし、
軋轢を生む場合もあります。
そういう軋轢を多く見て参りました。
鍼をもち
ひとつ、
兵法がいるわけです。
また、徳というものが関わってくる場合もあるかもしれません。
多くを教わります。
鍼師 林