宮村です。
今回は書籍紹介をしていきたいと思います。

『オーデュボンの祈り』新潮社
『オーデュボンの祈り』新潮社

紹介させて頂くのは
伊坂幸太郎先生作
『オーデュボンの祈り』(新潮社)

これは伊坂幸太郎先生のデビュー作品なり、
推理小説に分類されていますが、
その枠にとらわれない独特の世界観と
終盤にかけて物語が収束していく疾走感は
一気に読めてしまう面白さです。

この話は伊藤という男が
地図にない外界から遮断された島に
たどり着くと事で動き出します。
嘘しか言わない画家、
殺人が許された男、
など島に住む奇妙な人間たち
そして人の言葉を話す
「未来が見える案山子」
推理小説とは思えない奇妙な登場人物ですね。

“「未来は神様のレシピで決まる。」
錯覚ではあったが、カカシはうなずいたように見えた。
「神様のレシピにはとても多くの
材料が並んでいて、贅沢です。」
僕はそれをとてもいい響きの言葉だ、と思った。”

上は自分の中で特に印象に残っている一文です。
先程紹介した「未来が見える案山子」は
本の中では鳥の声や風、天候の変化など
森羅万象の変化が未来を教えてくれると
説明しています。
「易」の思想に近い考え方だなと感じました。
現在が過去の積み重ねによる必然なら
未来も現在の積み重ねによる必然、
がんばれば未来が見えるかも?

まさに神様のレシピの様に
豊富なキャラクター達が
織り成す先が読めない展開、
そして読み終えた後の不思議な爽快感を
ぜひ楽しんでいただきたいです。

宮村

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