小柴胡湯②
図の如く、苦満見えずして胸肋ふくれ張りたるものなり。
俗に是れを 蝦蟆腹という。小児に此の證多し。即ち此の方の證なり。
外形を以って察すべし。もし知れ難き時は、
指頭の横はらを以って肋骨の間をいろい・圧して見るべし。
必ず痛むものなり。又、此の證に以て胸高くはり出たる者あり。
是れは大小・陥胸湯 の證なり。誤るべからず。
又、胸肋膨張して、胸高く張出たるは、
二證相合したるなり。此の時は、先ず小柴胡湯を用いて後、
時時、陥胸丸をもって攻むべし。もし又、
胸肋膨張結実して解し難きものは、鶴家の滅毒丸・知足斎の玉丹の
類、考え用うべし。
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『腹証奇覧 正編2巻』
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00004913