春夏は陽気上るゆえに人の気浮ふ、
針をあさく刺すべし、
秋冬は陽気下る故に人の気沈む、
針を浅く刺すべし、
陳氏が云、
春は気、毛の分にあり、
夏は気、皮の分にあり、
秋は気、肉の分にあり、
冬は気、骨髄にあり、
是浅深の応なり、
陽分に針するときは針を伏て刺す、
陰分に針を刺すときは
先づ左手にて針する処の
栄兪を按し摩でて気を散じ、
すなわち針を刺す、
此を栄を刺すに
衛を傷ることなく
衛を刺すに栄を傷ることなしと云なり。
〜『鍼灸重宝記』より〜
※原文の秋冬の項における「浅く」は「深く」の誤りと思われが、
原文のままで載せさせて頂きました。