宮村です。
今回は臓腑弁証の肺・大腸病弁証の
大腸虚寒について勉強した内容を書いていきます。
大腸虚寒とは陽気不足の為に大腸が暖まらず、
伝導機能に支障をきたすという病理変化である。
病位は大腸にあるが、病の本質は脾腎にあります。
虚と寒どちらに重点があるかによって、
大腸が暖まらないという病理と滑脱という病理
の二種類に分けられる。
大腸が暖まらないもの
寒傾向があり大腸が暖まらないものは
脾腎陽虚であり、
寒湿が停滞し脾胃を犯したり、
以前から陽虚の傾向があったり、
長患いで真陽が欠損して体内に寒が
発生するというのが実態である。
病勢は次のように発展していく、
1.
陽虚が続いたために寒湿が大腸に流れ込み、
洞泄が起きたもので、
手足の冷え、舌苔白滑、
脈沈遅などの症状をともなう。
2.
気虚下陥して下痢が止まらなくなり、
息切れ、小復下垂、脱肛などの症状が現れる。
3.
腸道を温める力がなくなったために濁陰が集まり、
それが陽気を阻み、津液が巡らなくなって
糟粕を伝送できなくなったものであり、
虚寒便秘が現れる。
滑脱
虚の傾向が強く、
長患いが治らず腎にまで損傷が及び、
腎陽が不足し、命門の火が衰え、
脾腎ともに陽虚となるので、
腎気は脆弱になり脾の昇清機能や
運化機能が失われる。
そのために水穀は化生されず、
滑脱、失禁、常習的下痢、
脱肛、温められたり、
揉まれたりするのを好む、
舌淡舌苔白、脈微無力などの症状が現れる。
参考文献:
『東洋医学概論』 医道の日本社
『針灸学 基礎編』 東洋学術出版
『中医病因病機学』 東洋学術出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
宮村