【原文】
”門人問曰、花ニ青黃赤白アリテ獨黒色ノ無ハ何ヤ
曰黒ハ北方水ノ色也。水ハ草木万物ノ母タリ。
故ニ其気本ニ留リテ本ヲ養●●
人ノ母ハ常ニ家ニ在テ内ヲ守テ外ヲ勤ズ。
其子出テ外ヲ勤ルガ如ク。
水ハ其根ヲ守テ外枝葉ニ出見セズ。
故二水ノ黒色獨花葉ニ見ワレズ。”
【現代語訳】
門人が聞いて言った。
花に青黃赤白があって、
黒色だけないのはどうしてでしょうか?
答え。
黒は北方水の色で、
水は草木万物の母である。
ですからその気が本に留まって
本を養います。
例えば人の母は家に居て内を守り
外に勤めに出ないが、
その子どもは外で勤めます。
同じように水はその根を守り
外の枝葉には出現しない。
ですから、水の黒色は花や葉にあらわれないのである。
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下野です。
僕が無知なのかもしれませんが、
黒い花ってみたことないなと思っていました。
実際、農林水産省のHPには
この「黒い花」に対する質問があり、
現代の考えでは「花の色素にがない。」とのことですが、
まさか東洋思想の五行論より説明されていたとは。
思わず記事にしてしまいました(笑)
<参考文献>
・『医学切要指南』岡本 一抱著 京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫目録
・『医学切要指南』岡本 一抱著 伴 尚志現代語訳 たにぐち書店
下野
園芸店で「黒いビオラ」と表示のある花を見ました。
近くで観察してみると、黒と言うよりは「濃くて暗い紫」でした。
ここまで黒に近づけたメーカーさんの努力は称賛したい!のですが、やはり「真黒の花」となると難しいようですね。
パンジーの寄せ植えをするとき、「薄い紫と白」「エンジと白」などで組み合わせるとなぜかいつも白の花が負けてしまいます。色の付いている花の株のほうが勢いがあります。
私の育て方に問題があるだけなのかもしれませんが、白子やアルビノと呼ばれる色素の薄い動物の子供たちは体が弱い場合が多いと聞いたので、花もそうなのかな・・・と思ったりもします。
品種改良を重ねたものはあまり強くなかったり、上手く育てられないことが多いです。
コメントありがとうございます。
この記事を書いてから、園芸店や植物図鑑なんかで
黒○○というものをみてみましたが、
おコメさんが仰る様に「黒っぽい紫」や「黒っぽい暗い紅色」でした。
うちのスタッフが薔薇や百合に黒の品種があると書いていたのですが、
やはり”限りなく黒に近い”といった色で、純粋な黒ではないようです。
あと色付きの株と白色の株や品種改良のお話、
これらを東洋医学で考えると・・・と
すぐにそちらに置き換えてしまいます(笑)