“心為一身之宰、脾為万物之母。
養心養脾、摂生最要。”
(心は一身の主宰であり、脾は後天の本である。
心脾を養うことが、養生の最も大事なことである。)
黄承昊『折肱漫录』より
黄承昊<1576年~約1645年>
字:履素
号:闇斋
時は「明」の時代。
世界史で言うと科挙が行われたこの時代に、
黄洪宪という官僚の次男として秀水(現在の浙江省)に出生。
父親と同じく
黄承昊自身も1616年に官職(現在の法務省)に就くが、
師事していた人物が党の陰謀で失職しかけた時に
彼を助け、その代わりに自らが失職。
しかしその後に復職(現在の海上保安庁や警察等)し、
海賊の鎮圧に従事する。
病弱であったために体調を崩すことも多かったようだが
職を全うし、約1645年に没。
上記が黄承昊という人の経歴となりますが、
皆さん「あれ?」と疑問に思うことがありませんか?
そう、黄承昊の経歴には医を生業としたことが書かれていません。
実は黄承昊、経歴通り官僚だったのです。
では、なぜ「中医名言」に黄承昊の言葉が残っているのかというと、
経歴にも書いている通り病弱だったようで、
晩年は医書を集めては、
そこに書かれている内容を勉強したようです。
そんな黄承昊が収集した書物を元に
『折肱漫录』や『医宗撮精』といった書物を著し、
その中に”心為一身之宰、脾為万物之母。
養心養脾、摂生最要。”という言葉を記したようです。
残念ながら日本では書籍化されておりませんが、
中国では書籍化し 後世に残されているようです。
<参考文献>
『中医名言大辞典』 中原人民出版社
下野