宮村です。
今回は臓腑弁証の肺・大腸病弁証の
大腸湿熱について勉強した内容を書いていきます。
大腸湿熱
大腸湿熱の病理は大腸の気血の鬱滞と
伝導機能の無力化が基本となる。
原因は主に、湿熱汚濁の外邪によるものと、
食生活の不摂生から内傷になったもの
との二種類がある。
外邪に損傷されたものは
通常長夏に発生することが多い。
長夏、天には暑満ちて下降し、
地には湿が満ちて蒸発するので、
人は陽気が外に漏れ出し、
湿熱の邪気を感受しやすくなる。
内傷によるものは脂っこいものや
甘い物、味の濃いものばかりを
平素から食べていたために湿熱が作られ、
湿熱が体内で蒸発して大腸に集まったものである。
これらは内外の違いはあるが
互いに誘発しあい疾病を引き起こす。
感受した湿熱の強さや
湿と熱の結合具合によって
さらに病理変化は二種類に分けられる。
・湿熱下注、熱迫津泄
湿熱が下降して大腸に流れ込んだために、
腹痛、泄瀉、黄濁し粘った大便が出る、
水っぽいが悪臭のする便を下すなどの症状が現れる。
また腸内に湿熱が集まって清濁が混じり合うので、
発熱、口渇、尿が赤い、肛門の灼熱感、
舌苔黄膩、脈滑数などの症状もともなう。
・湿熱膠着、毒傷気血
湿熱疫毒が口から入って腸道を犯したもので、
湿と熱がしっかりと結びついて腸内を塞ぎ、
気機を停滞させ伝導機能を無力化する。
悪化すれば、熱毒が体深部を蒸し焼きにし、
津液や血を腐敗させるので、
ついには腹痛、裏急后重、膿血を下す
他に小便が減少して赤い、発熱、口渇、
舌紅、脈数などの症状を起こす。
湿邪が強い場合は腸道の気分を損傷して白痢になるが、
熱邪が強い場合は血分を損傷して赤痢になる。
参考文献:
『東洋医学概論』 医道の日本社
『針灸学 基礎編』 東洋学術出版
『中医病因病機学』 東洋学術出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
宮村