こんにちは、小堀です。
先日、モクサアフリカという
イギリスのチャリティ団体の方のお話を聞く機会がありました。
恥ずかしながらほとんど知らなかったのですが、
すばらしい取り組みなのでここで紹介させて頂きます。
日本で結核(TB)というと、昔は大変な病気だったけど、
今はそうでもない、みたいなイメージじゃないでしょうか。
現在、日本での発病率は10万人に22人。
ウガンダでの発病率は10万人に228人。
南アフリカでの発病率は10万人に971人。
アフリカでは、毎日数えれるだけでも
2千人以上の方が結核でなくなっているそうです。
すさまじい数です。
アフリカでは、死亡原因1位のHIVに次いで、結核は2位となってますが
HIVとの複合感染が多く、HIVの患者が結核で亡くなったとしても
死亡原因はHIVとなります。
主な治療としては、毎日20錠の薬を6~8か月飲み続けること。
強い副作用があり、関節痛が強くなりトイレにいけない、病院までいけない、
食欲低下、便秘、鬱病などで、薬を途中でやめてしまう人も多いそうです。
また、薬自体が圧倒的に不足しており、治療の継続が難しく、
その間に菌が薬に対する耐性を作ってしまい、
MDR-TBという多剤耐性結核に発展してしまいます。
そうなると、2年間の隔離病棟での治療が必要となり、
施設での再感染など、悪循環も問題となっています。
そこでHIVとMDR-TBを併発していた患者に
足三里にお灸を左右続けたところ、
1週間ほどで効果がみられ、食欲も上がり、
家まで歩いて帰れるようになったそうです。
鍼治療を行っている団体もたくさんあるようですが、
衛生面で不安な地域ということもあり、
この団体は安全で安価にできるお灸に落ち着いたようです。
また電気など設備がいらず、薬との併用もできる、
何より患者さんの希望になる、というのが大きいと思います。
現在は看護師にお灸を学んでもらい、
看護師から患者本人に伝え、自分で自分を
治療するというやり方をとっています。
アフリカでは結核自体がタブーとされていて、
発症を隠して生活し、感染が広がるということもあります。
そこで看護師や、村の理解者にお灸を教え、
そこから患者に伝えてもらうと受け入れてもらいやすく、
また、現地で艾の栽培を進めることによって
仕事もつくることができます。
この取り組みは、アフリカだけではなく、
ネパールやパキスタンなどたくさんの地域に広がっています。
なんと現在たった5人の活動家の方でされているそうで、
本当に頭が下がります。
ウガンダのマケレレ大学の研究によると
TB患者のお灸の効果として、免疫力UP・副作用の改善により
食事がおいしく食べられ、体力がつくことで外出できるなどの
生活の質の向上が認められたそうです。
学術的な裏づけができると、社会の受け止め方も変化すると思うので
新たな広がりが期待できそうです。
こちらのサイトでは、結核検査の改善の署名もされているので、
ご興味のある方はぜひみてください。
Test Me, Treat Me
では、”なぜ足三里のみで効果があがったのか?”
次回より検証していこうと思います。
小堀