弁太陽病脈証并治(上)

一章

太陽之為病、脉浮、頭項強痛而惡寒。

和訓:太陽経に病を為すや、脉浮にして、頭項強痛して悪寒す。


太陽之為病
太陽位においての病。
太陽とは陽気が旺盛で充実しているという意で
身体の最も外層に位置しており、全身の表を主り、
営衛を統括するとともに、病邪の侵襲を防御する機能がある。

脉浮
脉位は浅く、軽く取ると得られる。
病が表(浅い部位)に存在することを示す。

頭項強痛
頭痛して項(うなじ)が強張ること。


而の上の句を主とし、下の句を従となすため
「脉浮、頭項強痛するが故に悪寒す」という意になる。

悪寒
悪寒とは、寒さをにくむ、嫌うという意。
厚着したり暖房器具の近くにいても寒さを感じられる自覚症状を指す。

提要:
「脉浮、頭項強痛、悪寒」
これが太陽病の脉と証の特徴であり
太陽病というのは、この脉と証を包括したものである。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『増補 傷寒論真髄』 績文堂

為沢

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