どうも下野です。
これは先日 雪が降った日の朝の写真です。
朝から冷えるなぁと思っていたところ、
外に出るとこんな感じでした。
これが駅まで続くものだったので、
途中で足を滑らしかけてヒヤヒヤものでした^.^;
まぁ案の定、電車は大幅にダイヤが乱れており、
自然には勝てないことを 再認識しました。
では『難経』に参ります。
【原文】
七十二難曰、経言能知迎随之気、可令調之、調気之方、
必在陰陽、何謂也。
然。
所謂迎随者、知栄衛之流行、経脈之往来也。
随其逆順而取之、故曰迎随。
調気之方、必在陰陽者、知其内外表裏、随其陰陽而調之、
故曰調気之方、必在陰陽。
【現代語訳】
医学経典には、
「経脈の気の迎随を知れば 病変を調えることができ、
その方法の根本は陰陽にある」
と述べられているが、どういった道理によるものなのか。
答え。
いわゆる迎随とは、営衛の流れ・経脈の往来を明確にし、
その流れに対して順に取るのか、逆に取るのか決定することであり、
故に迎随と呼ぶのである。
調気の方法の根本は陰陽にあるとは、
病変には内外表裏があるということを理解し、
その陰陽に基づいて治療を行うのである。
故に調気の方法の根本は、陰陽にあると言うのである。
【解説】
当難では補瀉迎随の刺鍼法について論じている。
※ここでは補瀉迎随という手技であり、
補瀉の手技に関しては数多くの種類がある。
営は脈中を、衛は脈外を流れ、経脈の流れには方向性がある。
そして経脈はみな調和し、陰陽のバランスを維持しているが
これが崩れると疾病が発生する。
その治療方法として補瀉迎随を運用する事が出来ると考えられており、
「迎」には「逆(むか)える」という意味があり、
その方法は実証に用い(=瀉法)、
反対に「随」には「順う」という意味があり、
こちらは虚証に用いる。(=補法)
当難で書かれている補瀉迎随の方法を
右画像の肺経・尺沢取穴を例に説明すると、
肺経の経脈は矢印の方向へと循行する。(赤矢印)
実証(瀉法)の場合は、この流れと逆になるように
青矢印の方向(上腕の方向)に鍼尖を向けて刺し、
反対に虚証(補法)の場合は、流れに随うように鍼を
橙矢印方向で刺入する。
※画像が小さくてすみません。
クリックして頂くと大きく表示されます。
また、僕の体の反応による取穴ですので、教科書的な経穴の位置とは異なります。
上記の方法で調気を行うのであるが、
ここで重要となるのが本文中に出てくる
「根本は陰陽にある」という言葉が示すように、
病の陰陽・表裏・虚実の状況を鑑別する点にあり、
補瀉迎随を用いて改善させるのである。
<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『経絡経穴概論』 医道の日本社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野