こんにちは、下野です。

先日10日 地元のえびす祭り(十日戎)に行ってきました。

十日戎
十日戎

今年も10日の本戎が金曜日と平日だったために
参拝者の数は少なかったようですが、それでも多くの方が訪れておりました。
ただ 係のおじさん曰く、
明日(残り福)になると参拝者は倍近くになるだろうと話されていました。

では『難経』に参ります。


【原文】
七十一難曰、経言刺栄無傷衛、刺衛無傷栄、何謂也。

然。
針陽者、臥針而刺之、刺陰者、先以左手摂按所針滎兪之処、
気散乃内針、是謂刺栄無傷衛、刺衛無傷栄也。


【現代語訳】
医学経典には、
営を刺すときには衛を傷つけてはならず、
衛を刺すときには営を傷つけてはならない、
と述べられているが、これはどういった意味なのか。

答え。
陽に鍼を施す際は、営気を損傷する恐れがあるため、
鍼をねかして刺入しなければならない。
陰分に行う際は、衛気を損傷する恐れがあるため、
先ず左手で鍼を刺す滎・兪穴などの部位を摂按し、
衛気を散じてから刺入する。
これが営を刺すときに衛を傷つけず、
衛を刺すときに営を傷つけない方法である。


【解説】
当難では営衛への刺鍼法について論じている。

ここで先ず頭に入れておかないといけないのが、
衛気は陽に属し、脈外を走行している。
営気は陰に属し、脈中を走行している。
という点である。
(衛気・営気に関してはこちら☞【古医書】古医書を読み解く:『難経』第三十難
でも説明しております。)

このことから、
衞分に鍼(施術)をする際に
鍼を垂直に入れてしまうことで変調の起きていない営分を損傷し、
その結果 営分の病を引き起こす恐れがあると考えられたからである。
これを避ける為にも、鍼はねかして刺しなさいと述べている。

同じことが営分の箇所にも述べられており、
こちらは刺鍼部位を按じ、局所の衛気を散じてから
刺鍼すると衛分の損傷を避けることが出来る。

当難の刺鍼法と同じ道理の事が
『黄帝内経 素問』「刺斉論」に記載があり
「刺骨者無傷筋。刺筋者無傷肉。刺肉者無傷脈。
刺脈者無傷皮。刺皮者無傷肉。刺肉者無傷筋。刺筋者無傷骨。」
(「骨を刺す場合には、筋を傷つけてはならず。
筋を刺す場合には、肉を傷つけてはならず。肉を刺す場合には、脈を傷つけてはならず。
脈を刺す場合には、皮膚を傷つけてはならず。皮膚を刺す場合には、肉を傷つけてはならず。
肉を刺す場合には、筋を傷つけてはならず。筋を刺す場合には、骨を傷つけてはならず。」)
と書かれている。


<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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