あけましておめでとうございます。
下野です。
お正月休みはいかがでしたでしょうか?
僕は約1週間程お休みを頂きましたので
ゆっくり過ごそうかと考えておりましたが、
1年間 家の事がほとんど手付かずの状態でしたので
大掃除と足らない収納グッズや家具等の買い出しと
ほぼ毎日出ており、ゆっくりと過ごすことが
出来なかったように思います(^_^;
まぁそのお陰か、食べては寝てをすることがなかったので
体調はすこぶる良い状態です!
今年も良い仕事が出来るように、頑張って参ります!!
では『難経』の記事に参ります。
【原文】
七十難曰、春夏刺浅、秋冬刺深者、何謂也。
然。
春夏者、陽気在上、人気亦在上、故当浅取之、
秋冬者、陽気在下、人気亦在下、故当深取之。
春夏各致一陰、秋冬各致一陽者、何謂也。
然。
春夏温、必致一陰者、初下針、沈之至腎肝之部、得気引持之陰也、
秋冬寒、必致一陽者、初内針、浅而浮之至心肺之部、得気推内之陽也。
是謂春夏必致一陰、秋冬必致一陽。
【現代語訳】
鍼を春夏には浅く刺し、秋冬には深く刺すとあるが、
どういった道理によるのか。
答え。
春夏には陽気は上がり、人身の陽気もまた皮肉の表層にあがるので、
このような時は刺鍼は浅く行う。
反対に、秋冬は陽気は下にあり、人身の陽気も肌肉の深い所にあるので
このような時は刺鍼は深く行うのである。
では、春夏は一陰の気に至り、秋冬は一陽の気に至るとは
どういった道理なのか。
答え。
春夏は温暖な気候なので、
肝・腎の部位(筋骨)まで深く刺鍼し、鍼下に得気が起こるのを待った後に
鍼を引き上げる。
秋冬は寒冷な気候であるので、
心・肺の部位(皮膚)で浅く刺鍼し、鍼下に得気があるのを待った後に
再び鍼を推し入れる。
これが春夏には一陰に至り、秋冬は一陽に至るという意味である。
【解説】
当難では、春夏秋冬(四時)によって刺鍼方法を
分けることの原理を論じている。
当難と同様の事が『黄帝内経 霊枢』の「終始篇」に書かれており、
そこには
「春気在毛。夏気在皮膚。秋気在分肉。冬気在筋骨。
刺此病者、各以其時為斉。
(春の気は皮毛に、夏の気は皮膚に、秋の気は肌肉に、
冬の気は筋骨にある。
それぞれの季節に鍼治療を行う場合、季節の変化に応じて
刺鍼の深度を変えなくてはならない。)」とある。
また当難では
「取陰養陽、取陽養陰」(陰を取って陽を養う、陽を取って陰を養う)
という時候に適した手技が記載されている。
そこには、
・春夏は陽気は外に浮遊し、陰気は内に在している。
手技は陰気の在している筋骨まで刺鍼し、得気の後に外に向けて引き上げる。
・秋冬は陽気は緻密で、陰気は内に蔵されている。
手技は陽気の部分である皮毛に刺し、得気の後に内に刺入していく。
といった手技が説明されており、
これは春夏は浅く刺し、秋冬は深く刺すという基礎のもとになっている。
<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻』 東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野