こんにちは、本多です。
今回は腹證奇覧に記載している、
梔子豉湯の證の記事を掲載致します。
梔子頭湯
【梔子豉湯:組成】
山梔子(さんしし)
アカネ科のクチナシ、
またはその他同属植物の成熟果実。
性味:苦・寒
帰経:心・肺・肝・胃・三焦
主な薬効と応用:
①清熱瀉火・除煩:
外感熱病の胸中欝熱で
胸中が熱苦しく不快・不眠などの症候時に用いる。
方剤例⇒梔子豉湯
②清熱利湿:
湿熱の黄疸時に用いる。
方剤例⇒五淋散
③清熱涼血・止血:
血熱妄行の吐血・鼻出血・血尿・皮下出血などの症候時に用いる。
方剤例⇒梔子金花丸
④清熱解毒:
熱毒による瘡癰(皮膚化膿症)に用いる。
方剤例⇒柴胡清肝湯
備考:生用すると清熱瀉火、炒用すると涼血止血に働く。
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香豉(こうし)
マメ科のダイズの成熟種子を蒸して醗酵加工したもの。
性味:辛・甘・微苦・微温
帰経:肺・胃
主な薬効と応用:
①疏散解表:外感風寒の発熱・悪寒・頭痛・無汗などの症候時に用いる。
方剤例⇒葱豉湯
②宣欝除煩:熱病後の胸中余熱残存で胸が熱苦しく気分が悪い・不眠などの症候時に用いる。
方剤例⇒梔子豉湯
備考:欝熱を宣散するが清熱の作用はもっていない。
【梔子豉湯:主治】
傷寒に発汗・催吐・瀉下などを行い、
あるいは、温病の衛分証・気分証が消失したのち、
余熱が胸郭に欝した場合に用いる。
【古医書】傷寒論を読む: 弁太陽病脈証并治(中)七十六章
↑こちらに梔子豉湯の記事を記載しておりますので、
ご参照下さい。
参考文献:
『生薬単』 NTS
『腹證奇覧 全』 医道の日本社
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会
画像:
『腹証奇覧 正編2巻』
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00004913
本多