山道にて(10月末 大阪)
山道にて(10月末 大阪)

下積み修行中の大原さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


修行生の大原です。
10月上旬まで夏の陽気に覆われていた大阪ですが、
この約1ヶ月で急に気温が下がりました。
急な冷え込みで、体調を崩したりしてませんでしょうか。

私は、ここ1週間ほど、
咳や痰、喉の痛みが続くなど、
体調を崩してしまっておりました。

体調が悪いときこそ
自分で鍼の効果を試す
良い機会だとプラスに考え、
自分の体調はどんな状態なのか、
そしてどんな治療が効くのか、
自分なりに考え、鍼治療を施してみました。

今回の症状の経過を、時系列で追ってみます。

1日目
症状:右頸〜肩に痛み、やや畏寒
(畏寒:厚着や暖めることで緩解する寒さ、虚寒による)

2日目
症状:やや畏寒、鼻汁(透明)・鼻閉、
やや自汗、喉の強い痛み

昨日はやや薄着だったこともあり、
風寒の邪気が体表に侵入したと考え、
表虚寒証(桂枝湯証)だと考えました。

表虚寒証(桂枝湯証)の治法は、
身体を暖めることで体表に
鬱滞している寒邪を排出させます。
これを辛温解肌といいます。
辛温解肌の効果がある経穴を本で調べるなどして、
自分に鍼治療を行いました。

3日目、4日目
症状:鼻汁(黄)・鼻閉、やや自汗、
喉の強い痛み、咳、痰(黄)、発熱、
息苦しさ、倦怠感

畏寒は取れましたが、
逆に熱証が出てきてしまいました。
この時点で、2日目に考えた
表虚寒証(桂枝湯証)は
間違いだったと気付くべきでした。
息苦しさや倦怠感を
「肺気不宣」によるものだと思い、
肺気を補う鍼治療を行いました。
一時はマシになったように感じましたが、
すぐに戻ってしまいました。

5日目
先生方に診ていただき、
「熱証」と診断され、
熱を瀉する治療を施して頂きました。
およそ20分ほどの治療でしたが、
身体の熱がひいたせいか少し楽になり、
咳や痰の量が減りました。
また、視界がしっかりとした感じがあり、
治療前と比べて物が見えやすくなりました。

その後
日を追うごとに
体調は回復していきました。

まとめると、寒証と熱証を勘違いし、
熱証である身体を温めてしまい、
自分で病状を悪化させてしまって
いたと思います。

例えると、熱が原因の風邪に、
葛根湯を服用するようなものです。

体調がおかしくなる直前、
自分の舌の苔が黄色くなっていたことを
治りがけに思い出し、
「もっと早く熱証だと気づくべきだった」
と思いました。

今回の症状を分析すると、
身体内部の熱の鬱滞が、津液を痰濁に変化させ、
咳や鼻汁・鼻閉の症状が出たのだと思います。
また、脾・胃の弱りもあり、
それらが痰の形成を手伝っていたのでしょう。


参考文献:
『基礎中医学』 燎原
『中医病因病機学』 東洋学術出版社

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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