下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


 

黄連

黄連
黄連

黄連.一名王連.味苦寒.生川谷.治熱氣.
目痛眥傷泣出.明目.腸澼腹痛下利.婦人陰中腫痛.久服令人不忘.

黄連、一名王連、味は苦、寒。川谷に生ず。
熱気、目痛、眥傷、泣出で、目を明らかにし、腸澼腹痛下痢、
婦人陰中腫痛を治す。
久しく服せば、人をして、忘れざらしむ。

*「眥傷」=目じりの傷。
「腸澼」=血性の下痢便を生ずる急性腸炎や潰瘍性大腸炎様の疾患。
「陰中腫痛」=陰部が腫れて痛む(感染症や悪性腫瘍と思われる)


[性味] 苦・寒
[帰経] 心・脾・胃・肝・胆・大腸

[効能と応用]
①清熱燥湿
●大腸湿熱の下痢・裏急後重
☆芍薬湯
[効能] 調和気血・清熱解毒
[主治] 湿熱痢
[病機] 大腸湿熱の湿熱併重である。
湿熱の邪が腸中に停滞して気機を阻滞し、腹痛・裏急後重を呈し、
熱毒が気血を壅滞して膿血下痢がみられる。
[方意] 湿熱壅滞による気血不和に対し行血調気し、
清熱化湿と行気導滞により湿熱を除く。

●腸胃湿熱による上腹部の痞え・腹満・嘔吐・悪心・下痢
☆枳実消痞丸
[効能] 消痞除満・健脾和胃
[主治] 脾虚気滞・寒熱互結
[病機] 脾虚不運で湿痰・食積が生じ、脾胃の気機を阻滞して化熱し、
脾胃の昇降が失調して痞満を生じた状態である。
[方意] 消補兼施により昇降を調節し痞満悪い。

②清熱瀉火
●熱入心包の高熱・意識障害・うわごと・煩燥など
☆牛黄清心丸

●火盛迫血妄行による吐血・鼻出血など
☆三黄瀉心湯(瀉心湯)

心気不足、吐血、衄血、瀉心湯主之。

吐血、衄血の原因はたくさん考えられるが、
熱の亢進によるものであれば、瀉心湯を用いる。
心気不足は心中の陰気の不足を指す。
陰が不足すると陽は相対的に亢進し、血も熱によって妄行し出血も止まらなくなる。

[効能] 清心瀉火・解毒・泄熱化湿
[主治]
①心火
五志過極などで心火が上炎すると、心神を乱し焦燥感・不眠・多夢、
顔面紅潮・口内炎・舌尖のしみるような痛みがあらわれる。
②血熱妄行
邪火内盛で脈絡を灼傷して迫血妄行すると、
鼻出血・吐血などが生じる。
③三焦熱毒積滞
上部では目の充血や腫脹・口内炎が、
中部では煩燥・腹部の痞満が、下部では尿が濃い・便秘が生じ
皮膚に鬱滞すると、全身的には熱感が生じる。
④湿熱が内にこもる
瘀熱が外に出ることができずに湿とともに燻蒸するので
黄疸が生じ、湿熱が気機を阻滞するために胸があつ苦しい・上腹部の痞えなどもみられるが
熱邪が湿邪よりも強いので火熱の症候の方が顕著である。
[方意] 清熱瀉火・解毒・化湿の効能をもつが、降火に特徴がある。

●心火上炎の焦燥感・不眠・口内炎など
☆朱砂安神丸
[効能] 鎮心安神・瀉火養陰
[主治] 心火亢盛・陰血不足
[病機] 五志過極あるいは外邪が入裏化火熱により、
心火が亢盛になって次第に陰血を消耗し、心神不寧を呈している状態。
[方意] 心火を瀉して心神を鎮静させると同時に、陰血の不足を補う。

●胃火の勢いが強く食べても飢餓感がある・歯齦出血・歯痛など
☆清胃散
[効能] 清胃涼血
[主治] 胃中積熱・火気上攻
[病機] 胃熱が経脈を循って上攻する状態。
[方意] 胃中の積熱を清瀉する。

●肝火胃犯による胃痛・嘔吐・吞酸
☆左金丸
[効能] 清肝瀉火・降逆止嘔
[主治] 肝火犯胃
[病機] 肝鬱化火し、肝火が横逆して胃気上逆を引き起こした状態である。
[方意] 肝胃の熱を清するとともに、疏肝と降逆止嘔を併施する。

●肝火上炎による目の充血・腫脹・疼痛など

③清熱解毒
●熱毒による高熱・煩燥・目の充血・腫痛など
☆黄連解毒湯
[効能] 瀉火解毒
[主治] 熱毒壅盛三焦
[病機] 実熱火毒が上中下の三焦に影響している状態。

[使用上の注意]
苦寒であるから、多量を用いると胃を損傷するので、
湿熱・実火でないものや脾胃虚寒には用いてはならない。


参考文献:
『金匱要略解説』
『中医臨床のための中薬学』
『中医臨床のための方剤学』
『神農本草経解説』

※画像や文献に関して、
ご興味がおありの方は 是非参考文献を読んでみて下さい。

冠木

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