或る時私が
「どうも患者が迷つて困ります」と云つた時、
先生は真赤になつて叱られ
「患者が迷うのではありません。あなたが迷つているのです。
自ら信ずることの出来ないような人に、
どうして大切な生命があずけられるものですか」
と申されました。
私もはじめて患者を迷わせものは、
自分であつたという事に気づいたのであります。
(『鍼灸治療基礎学』澤田 健先生校訂 代田 文誌著 医道の日本社
第四篇 活用篇 第一章 沢田流鍼灸道の基本概念 二,先生の信念と経歴
より抜粋)
『弁釈鍼道秘訣集』や『鍼灸重宝記』、
そしてこの『鍼灸治療基礎学』など、
日本の古書には治療家としての姿勢が
書かれているのを目にします。
勉強になります。