ここ最近、
知人からおめでたい報告をよく聞きます。
そんな彼らに この曲を贈ります!
(特におめでたいというのを表している曲ではありませんが(^_^;)
では『難経』の記事に参ります。
【原文】
六十四難曰、十変又言、陰井木、陽井金、
陰滎火、陽滎水、陰兪土、陽兪木、
陰経金、陽経火、陰合水、陽合土。
陰陽皆不同、其意何也。
然。
是剛柔之事也。
陰井乙木、陽井庚金、陽井庚、
庚者、乙之剛也、陰井乙、乙者、
庚之柔也、乙為木、故言陰井木也、
庚為金、故言陽井金也、金皆仿此。
【現代語訳】
医学経典の『十変』には
「陰経の井穴は木に属し、陽経は金に属す。
陰経の滎穴は火に属し、陽経は水に属す。
陰経の兪穴は土に属し、陽経は木に属す。
陰経の経穴は金に属し、陽経は火に属す。
陰経の合穴は水に属し、陽経は土に属す。」
と記されているが、どういう意味なのか。
答え。
陽の性質は剛であり、
反対に陰の性質は柔である。
陰に属する井穴は乙木であり、陽の井穴は庚金である。
陽の井穴である庚金は、陰の井穴である乙木の剛であり、
反対に 陰の井穴である乙木は、陽の井穴である庚金の柔である。
乙木の天干は陰木であるため、陰経の井穴は木に属すると述べ、
庚金の天干は陽金であるため、陽経の井穴は金に属すると述べているのである。
その他の兪穴に関しても、同様に考えることができる。
【解説】
当難では、
井・滎・兪・経・合穴の陰陽五行の属性について、
「十干」(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸に陰陽・五行を結びつけたもの)と
結びつけて説明をしている。
本文中の「陰」は陰経を、「陽」は陽経を指し、
「剛」「柔」は五兪穴の陰経、陽経上における区別で
陽経を「剛」、陰経を「柔」としている。
また井穴を例に説明をしているが、
陽の井穴は「庚金」、陰は「乙木」とは下表の
十の天干より出されたものである。
木 |
火 |
土 |
金 |
水 |
|
陽 |
甲 |
丙 |
戊 |
庚 |
壬 |
陰 |
乙 |
丁 |
己 |
幸 |
癸 |
十干の中の
甲-己、乙-庚、丙-辛、丁-壬、戊-癸の干については、
それぞれ2つの干の間に密接な関係があるとされており、
陰経の井穴は木、陽経の井穴は金というのは
一つの理論的方法だと『難経解説』では説明されている。
<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『鍼灸学[経穴篇]』東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。