『特別展 図面でひも解くEXPO'70テーマ館』EXPO'70パビリオン H.Pより
『特別展 図面でひも解くEXPO’70テーマ館』EXPO’70パビリオン H.Pより

こんにちは、為沢です。
万博記念公園内で魅力的なイベントがあるので御紹介します。
個人的に図面とか見ると心躍ってしまう癖があるんですが、何でかは不明です。
…なんでやろ??(笑)


ここからは、張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。

今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(下)百五十章・百五十一章。
百五十章では太陽と少陽の併病で、誤下により逆証となった場合の証治について。
百五十一章では痞証の病理と症状について詳しく述べております。


弁太陽病脈証并治(下)百五十章

太陽少陽併病、而反下之、
成結胸、心下鞭、下利不止、水漿不下、其人心煩。

和訓:
太陽少陽の併病、而るに反って之を下し、
結胸を成し、心下鞭く、下利止まず、水漿下らず、其の人心煩す。


太陽少陽併病
太陽病がまだ解けていないときに少陽病を併発し
症状が両経にまたがって現れた。
太陽は開を主り、少陽は枢を主るため、
治療は治療原則に従い邪を外(太陽)へ至らせていく。

而反下之、成結胸、心下鞭
しかし誤って下法を用いたため、内のバランスが崩れ、
邪がその虚に乗じて心窩に内陥し、水飲と衝突・結合して結胸証となり
「心窩硬」が現れた。

下利不止
結胸証で下痢は起こらないが、いま下痢が止まらないのは
正気が邪気に勝てず、下焦の陰が下方へ脱したからである。

水漿不下
同時に中焦で邪実となっているため、水を飲んでも下に降りない。

其人心煩
心煩は陰と陽が交流せず、上焦で火が昂ぶったことにより起こっている。

提要:
太陽と少陽の併病で、誤下により逆証となった場合の証治について。

訳:
太陽病の表証が去らないうちに少陽の病証が出現し、
これを誤って攻下法で治療すると結胸証が発生し、心下部が硬くなり、
下痢は止まらず、水分摂取ができなくなるばかりか、いらいらして不穏となる。


百五十一章

脉浮而緊、而復下之、緊反入裏、則作痞。按之自濡、但氣痞耳。

和訓:
脉浮にして緊、而るに復た之を下し、緊反って裏に入れば、
則ち痞を作す。之を按じて自ら濡なるは、但だ気痞するのみ。


脉浮而緊
「脉浮而緊」は太陽病傷寒証の脉証である。

而復下之、緊反入裏、則作痞
無汗のものに下法を行ったために裏が虚し、寒邪が虚に乗じて内陥する。
痞は、邪気が虚に乗じて内陥し、心窩を痞塞した状態を指し、その影響は気機の昇降に現れる。
心窩は上下・陰陽・水火の気が交流し通過する要所であり
気痞(心窩痞)というのは、気の昇降が変調をきたし、心窩部がつかえ塞がった状態をいう。

按之自濡、但氣痞耳
心窩痞は結胸や陽明腑病のように
痰飲とか宿食といった有形の邪と結びついて生じた邪ではなく
脾胃の働きを阻害し、気が痞えているだけなので、
押圧しても柔らかいのである。

提要:
痞証の病理と症状について。

訳:
脉浮で緊であるものに、誤って攻下法を用いると、かえって表邪を裏に入らせ、
その結果、痞証が現れる。痞証の特徴は手で押さえると柔らかで何も触れず、
ただ気が詰まって動かないだけである。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here