【鍼灸重宝記】五臓の色脉証候虚実の例 腎
腎
腎は精を蔵して、志を舎す、
骨髄と歯と寒とを主る、
北方の水に属し、冬に旺して、
其脈は石の如くにして沈なり、
外候は耳に在り、
其色は黒し、其味は鹹し、
其志は恐る、其声は呻、
其臭は腐し、その液は唾、
その変動は慄く、
その経は足少陰、
其府は膀胱、その積は賁豚、
臍の下にあり。
腎気盛なれば腹脹、飧泄、
小便黄に、澁り、体腫喘咳、
汗出で風を憎み、面目黒し、
宜しくこれを潟すべし。
不足すれば厥す、
腰背冷、胸内痛み、
耳鳴、苦しきときは聾えず、
歯動き、腰背痛み、唾血、
足の心熱して痛み、
善んで恐る、
宜しくこれを補うべし。
(鍼灸重宝記より)