将棋・舟囲い
将棋・舟囲い

こんにちは、為沢です。
先日 緑地公園の昼下がりに、
本多さん大原さんと青空将棋をしまして

将棋ファンの大原さんより
戦略面など御教授承りました。(代わりに彼にギターを教えてました笑)

駒の個性や相性とか把握できると面白いです。
実戦では俯瞰して棋盤の状況を把握していないと、
たった一手で形成逆転なんてよくあります。

将棋でも望診で診なあかんなと思うわけです。
まず、駒と将棋盤買って特訓します(・ω・)


ここからは、張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。

今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(下)百四十一章。
この章では、表証に対して誤って冷水をかけたり、吹いた結果おこる、
煩熱、口渇および寒実結胸の治療法について詳しく述べております。


弁太陽病脈証并治(下)百四十一章

病在陽、應以汗解之、反以冷水潠之、
若灌之、其熱被劫不得去、彌更益煩、

肉上粟起、意欲飮水、反不渇者、服文蛤散。
若不差者、與五苓散。寒實結胸、
無熱證者、與三物小陷胸湯、白散亦可服。

文蛤散方
文蛤 五兩

右一味爲散、以沸湯和一方寸七服、湯用五合。

五苓散方
猪苓十八銖、去黒皮 白朮十八銖
沢瀉一兩、六銖 茯苓十八銖 桂枝半両、去皮

右五味爲散、更於臼中杵治之、
白飮和方寸匕服之、日三服、多飮煖水汗出愈。

白散方
桔梗三分 巴豆一分、去皮心、熬黒研如脂貝母三分
右三味爲散、内巴豆、
更於臼中杵治之、以白飮和服、強人半銭匕、羸者減之。

病在膈上必吐、在膈下必利、
不利進熱粥一杯、利過不正、進冷粥一杯。

身熱皮粟不解、欲引衣自覆、若以水潠之、洗之、
益令熱却不得出、当汗而不汗則煩。
仮令汗出已、腹中痛、与芍藥三兩如上法。

和訓:
病陽在れば、応に汗を以て解すべきに、
反って冷水を以て之を潠し、

若しくは之を灌し、其の熱劫かされて去るを得ず、彌更に益煩し、
肉上に粟起し、意水を飮まんと欲するも、
反って渇せざるものは、文蛤散を服せ。

若し差えざるものは、五苓散を与う。
寒實結胸、熱証なきものは、三物小陷胸湯を与う。
白散も亦服すべし。

文蛤散方
文蛤 五両
右一味を散と為し、沸湯を以て一方寸匕を和して服し、湯は五合を用う。

五苓散方
猪令 十八銖、黒皮を去る 白朮 十八銖
沢瀉 一両六銖 茯苓 十八銖 桂枝 半両、皮を去る
右五味を散と為し、更に臼中に於て之を杵し、
白飮にて方寸匕を和し之を服し、日に三服す。多く煖水を飲み汗出でて愈ゆ。

白散方
桔梗 三分巴豆 一分、皮心を去る、黒く熬りて脂の如く研る貝母 三分
右三味を散と為し、巴豆を内れ、更に臼中に於て之を杵し、
白飲を以て和して服し、強人は半銭匕、羸者は之を減ず。

病膈上に在れば必ず吐し、膈下に在れば必ず利し、
利せざれば熱粥一杯を進め、利過ぎて止まざれば、冷粥一杯を進む。

身熱皮粟解せず、衣を引き自ら覆わんと欲するに、若し水を以て之を潠し、

之を洗わば、益熱をして却って出ずるを得ざらしめ、当に汗すべきに汗せざらば則ち煩す。
仮令汗出で已わり、腹中痛まば、芍薬三両を与うること上法の如し。


病在陽、應以汗解之、反以冷水潠之、
若灌之、其熱被劫不得去、彌更益煩

病が太陽の表にあれば、汗法を行って解いていくのだが、
医者はこの表熱だけとらえて、
冷水を頭身体全体に吹きかけたために汗が外に出られず

表熱は内に閉じ込められて身体にこもり、煩が生じたのである。

肉上粟起、意欲飮水、反不渇者、服文蛤散
熱を寒冷で急激に冷やしたので、皮膚に鳥肌がたつ。
また陽が鬱滞して熱盛となるために、
水を飲みたいという気持ちは強くなるが

この熱盛は表だけに限ってのことで、
津液が傷ついた訳ではないので
強い口渇は生じない。
この場合は文蛤散で水熱の気を通したり、散じたりするとよい。

若不差者、與五苓散
文蛤散で良くならなければ、太陽経表だけでなく
病が膀胱を気化に対しても影響が及んでいるということだから
五苓散で散寒利水を行い、表裏を解くとよい。

寒實結胸、無熱證者、與三物小陷胸湯、白散亦可服
結胸証は熱邪と痰飲の熱実結胸証であるのに対して、
寒実結胸は寒邪と痰飲が上焦に於いて結実して形成されるものであるので
熱実結胸のように熱症状は出現しない。
条文中の「與三物小陷胸湯」は歴代の多くの研究書が
これは誤りによるもので、削除して「三物白散」と続け
その後の「亦」の字も不要としている。

文蛤散

文蛤
基原:
マルスダレガイ科のハマグリ(タイワンハマグリ)等

薬用部位は貝殻を粉末にしたもので主成分はカルシウムからなる。
気味は苦寒平、帰経は肺腎に属す。
効能は清熱利湿、化痰散結、止渇利尿で、
牡蛎に似るが胸中の水飲を下降して胃気を潤すので、止渇の効能がある。

五苓散

こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む: 弁太陽病脈証并治(中)七十章・七十一章


白散

 

桔梗
桔梗

桔梗
基原:
キキョウ科のキキョウの根

桔梗は肺経気分薬で、辛散苦泄し質軽で昇浮し、
肺気を開堤し胸膈を開宣し、
咽喉を利し祛痰止咳に働き

外邪犯肺による咳嗽・喀痰・鼻塞・
胸悶・咽喉腫癰吐膿・癰疽腫毒にも使用できる。

なお、肺と大腸は表裏をなし、
肺気の壅滞を宣通すれば

腸胃を疎通することができるので、
痢疾の腹痛・裏急後重に有効である。

さらに、肺気を宣通すれば
水道が通暢し小便が通利するために、

小便癃閉に有効であり、
「病は下にあればこれを上に取る」の例である。

このほか、古代から桔梗は諸薬の舟楫といわれ、
昇浮の性質をもとに胸膈以上の病変に引経薬として使用される。
下陥の病に対しては昇浮に作用する。

巴豆
基原:
トウダイグサ科のハズの成熟種子。

巴豆は辛熱で、
生用すると峻下寒積に働き、

腸胃の沈寒痼冷・宿食積滞を
蕩滌するだけでなく

攻痰逐湿・利水退腫にも働き、
通便利水の薬力が剛猛であるため、

腸胃寒積の脘腹冷痛・大便秘結や
痰飲腹水の腸満不通に用いる。

炒黒した焦巴豆あるいは
圧搾して油を除去した巴豆霜は

薬力がやや緩和であり、
温通祛積・推陳致新の効能をもつので、

小児の痰壅・乳食積滞に使用する。
外用すると解毒療瘡・蝕腐肌肉に働き、
悪瘡疥癬に有効である。

 

貝母
貝母

貝母
基原:
ユリ科のアミガサユリ属植物各種の鱗茎。
きわめて多種基原の生薬で、
川貝・松貝・青貝・西貝などと称されるもの。
浙貝・大貝・象貝などと
称されるものはアミガサユリに由来する。

現在の日本市場品は後者である。

貝母は苦寒で、
清化熱痰・止咳および泄熱散結の効能をもち

熱痰・燥痰の咳嗽や
癰腫瘡毒・瘰癧痰核などに有効である。

川貝母は苦甘・微寒で滋潤性が強く、
肺熱燥咳・肺虚労咳に適するのに対し、

浙貝母は苦寒で開泄の力が強く、
外感風邪・痰熱欝肺の咳嗽に適する。

すなわち、川貝母は虚証に、
浙貝母は表邪の実証に、それぞれよく用いられる。

清熱散結の効能はほぼ同等であり、浙貝母の用途の方が広い。

提要:
表証に対して誤って冷水をかけたり、吹いた結果おこる、
煩熱、口渇および寒実結胸の治療法について。

訳:
病が表に在れば、発汗法によって
表邪を解除せねばならないのに、誤って冷水を吹きかけたり、

或いは水を浴びせたりすると、
邪熱は水寒によって鬱滞させられ外に出られなくなり、

その結果、煩熱はいっそうひどく、
皮膚表面には粟状の隆起を生じて鳥肌状になり、

水を飲みたいという気はするが、
口に水は含みたがらないものには、文蛤散を服用させる。

もし病情が改善しないなら、五苓散で治療する。
もし寒実の結胸証で、陽熱の症状がなければ、
三物小陥胸湯で治療してよい。

白散もまた服用させてもよい。

文蛤散方
文蛤五両
右の一味を散にして、一方寸匕の量を沸湯によく混ぜて服用し、湯は五合を用いる。

五苓散方
猪冷十八銖、黒皮を除く 白朮十八銖沢瀉一両六銖 茯苓十八銖 桂枝半両、皮を除く
右の五味を散にして、さらに臼の中でつきまぜ、その方寸匕の量をおも湯とよく混和して服用し、
一日に三回服用するが、温水を多目に飲めば、汗が出て治癒する。

白散方
桔梗三分 巴豆一分、皮を除く、黒く焙ってから脂状になるまでする合わせる。貝母三分
右の三味を散にして、脂状にすった巴豆を加え、これらをさらに臼の中でよくつきまぜ、
それをおも湯にといて服用するが、身体が頑強な人は半銭匕を、きゃしゃな人は減量する。

病が横隔膜より上にある場合は嘔吐が、下にある場合は下痢がおこる。
もし下痢がみられない場合は、熱い粥一杯を飲む。もし下痢がひどくて止まらない場合は、冷たい粥を一杯飲む。
身熱があって、皮膚が鳥肌になったままであれば、患者は衣を身にまといたがる。
これに水を吹きかけたり水で身を洗ってやったりすると、熱はますます去りにくくなる。
発汗して治療すべきものを発汗しないので熱で煩躁するようになる。
発汗させたあと、もし腹が痛む場合は、芍薬三両を前に述べた方法で与えればよい。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

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