下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。
五味子
〈収渋薬〉
主に収斂固渋の効能をもつ薬物をいい、「収斂薬」「固渋薬」ともよぶ。
大多数は、酸味・渋味であり、斂汗・止瀉・固精・縮尿・止滞・止血・止咳・平喘などの効能があり
久病体虚・元気不固などによる自汗・盗汗・久瀉・脱肛などの滑脱不禁の症候に有効である。
チョウセンゴミシの成熟果実
[性味] 酸・温
[帰経] 肺・心・腎
五味、味は酸・温。山谷に生ず。
気を益し、欬逆上気、労傷、不足を補い、陰を強め、男子精を益す。
[効能と応用]
①斂肺止咳・定喘
●肺虚あるいは肺腎両虚の慢性咳嗽・呼吸困難
☆五味子湯(ごみしとう)
効能:益気生津・斂肺止咳
主治:肺虚久咳
久咳による肺気陰両傷に対し、斂肺止咳の五味子と宣肺降気の杏仁を配合し
収渋しすぎないように抑制するとともに止咳の効果を強め
人参・麦門冬・大棗で気陰を補うと同時に、
陳皮・生姜で滋滞を防止する。
●肺寒の咳嗽
☆苓甘五味姜辛湯(りょうかんごみきょうしんとう)
効能:温肺化飲
主治:寒飲内停
脾陽不足で運化が低下して生湿成飲し、伏飲が外寒や生冷物によって飲動され、
寒飲になって肺に内停して宣降を阻害した状態である。
②固表斂汗
●陰虚の盗汗あるいは陽虚の自汗
☆柏子仁丸
③益腎固精
●腎虚の遺精・滑精・頻尿・尿失禁
☆桑螵蛸散(そうひょうしょうさん)
効能:調補心腎・固精止遺
主治:心気不足・腎虚不摂
心気不足と腎虚不摂による心腎不交である。
心気が不足して神を養えないので、心神恍惚・健忘がみられる。
腎虚不摂で膀胱の機能が失調すると頻尿・遺尿・尿失禁が生じ、
精関を固摂できないと遺精・滑精があらわれる。
④渋腸止瀉
●脾腎陽虚の五更泄瀉や慢性の下痢
☆四神丸(ししんがん)
効能:温補脾腎・渋腸止瀉
主治:脾腎陽虚・五更泄瀉
脾腎陽虚による五更泄瀉である。
「五更」とは夜明け前にあたり、陰気が最盛になり陽気が萌芽するが、
腎陽が虚衰すると陰気が極まって下行し、この時間だけ下痢をする。
⑤益気生津・止渇
●気陰両傷の口渇・疲労感・元気がない・動悸など
☆生脈散(しょうみゃくさん)
効能:益気生津・斂陰止汗
主治:気津両傷・肺気陰両虚
暑熱による気津両傷、あるいは慢性の咳嗽による肺の気陰両虚である。
暑熱が津液を外迫して発汗過多になると傷津し、
津液とともに気も外泄するので気津両傷になる。
慢性の咳嗽により肺気が消耗し、気が虚したために陰津の化生が不足し
次第に気陰両虚を引き起こす。
●気陰両虚の消渇
☆黄耆湯・麦門冬飲子・玉液湯
【要点】
五味子は五味を備えているが、酸味が最も勝っている。
上は肺気を収斂して咳喘を止め、下は腎陰を潤し渋精止瀉し、
内は益気生津して安神・止渇し、外は汗をおさめ止める。
*禁忌
酸斂のため,熱邪の喘咳・外寒の咳嗽で表裏倶実のとき・麻疹の初期などには
用いてはならない。
参考文献:
『新装版 中医臨床のための中薬学』
『新装版 中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版
『読みもの 漢方生薬学』 たにぐち書店
『神農本草経解説』 源草社
『生薬単』 NTS
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是非参考文献を読んでみて下さい。
冠木