下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。
こんにちは、冠木です。
先日、JR灘駅の近くにある
「横尾忠則現代美術館」に行って来ました。
現在、横尾忠則 どうぶつ図鑑が開催されています。
動物の剥製も置いてあり、面白かったです。
*写真の掲載は許可を頂いています。
桂枝
[性味] 新・甘・温
[帰経] 肺・心・脾・肝・腎・膀胱
[効能と応用]
①発汗解肌
●風寒表証の頭痛・発熱・悪寒・悪風など
●表虚で自汗がみられるとき(風邪に外感 して発病)
☆桂枝湯
[効能] 解肌発表・調和営衛
[主治] 風寒表証
[病機] 風寒の邪を感受し、風邪偏盛で開泄するために表疏営泄を呈する病態。
《傷寒論》では、太陽病中風と称している。
太陽中風証を「桂枝湯証」とも呼ぶ。
太陽中風は、風邪が外襲し、営衛不和となった状態である。
傷寒論では、「栄弱衛強」としている。
☆栄弱
営陰が衛陽の固摂作用の失調によって外に泄れることで、正気不足をあらわす。
☆衛強
風邪が衛陽を犯し、邪気が盛んなことをあらわす。
太陽病「脈は浮、頭項強痛して、悪寒す」+発熱、汗出、悪風、鼻水、脈緩などが加わった太陽表証の一つである。
●発熱
風邪が体表にあたり衛気と抗争し、邪正闘争の反映として現れる。
●汗
体表の衛気が風邪に傷害される結果、
表衛は営陰を守り固めることができず営陰は弱って異常な汗を発する。
●鼻水(涕)
肺は皮膚と連なっているため、
体表の不和はすぐ肺に波及して肺の宣散作用が損なわれるため
涕が出てすすり上げるようになる。
つまり、太陽中風証は、
発熱悪寒、悪風、微かに汗ばむ、涕、鼻づまりがあり、
時には軽い嘔吐がみられる。
日常生活での鼻風邪のような症状である。
【要点】
営衛を和し、気血を調え陰陽の調和を回復させる。
●表実で無汗を呈するとき(寒邪に傷められて発病)
☆麻黄湯
[効能] 発汗解表・宣肺平喘
[主治] 風寒表証
[病機] 風寒の邪を感受し、寒邪偏盛のために凝斂して表閉営鬱を呈した病態。
《傷寒論》では、太陽病傷寒と称している。
太陽病傷寒証を「麻黄湯証」ともいう。
太陽病傷寒は、寒邪に外感 して、
太陽病「脈浮、頭項強痛して、悪寒す」+無汗で喘、頭痛、身痛、腰痛、骨節疼痛、脈緊などが現れた太陽表証である。
●無汗、身体疼痛、腰痛、全身の関節痛など
寒邪に外感 すると、営衛の気が凝渋して流通が不利となり、
皮毛腠理は斂縮して閉塞する。
●喘
皮毛や汗腺が寒邪によって閉塞されると、
肺気は宣発作用が障害され、粛降作用も失調するため、
上逆して喘が現れる。
寒邪に傷めれると、衛陽が圧迫されるので
太陽傷寒では常にまず悪寒が現れ、引き続いてすぐに発熱する。
【要点】
寒邪の侵襲によって衛気が閉塞させられてしまうこと。
そのため、辛温 で発汗作用のある麻黄湯を用いて、
寒邪を解表散寒させること。
②温通経脈
●風寒湿痺の関節痛
☆桂枝加附子湯
[効能] 解肌発表・回陽実衛
回陽の附子で陽気を扶助し、実衛固表して汗をとめ、
同時に津液の産生と布散を促進するとともに、桂枝湯で解表・調和営衛を行う。
●営衛不足で生じる血痺の痺れ
☆黄耆桂枝五物湯
[効能] 益気温経・和営通痺
[主治] 血痺による肢体の痺れなど
「血痺」とは、営衞虚弱で腠理不固のものが風邪を感受して、
肌表の血絡が阻滞されたために生じた皮膚の痺れや知覚麻痺である。
●脾胃虚寒の腹痛
☆小建中湯
[効能] 温中補虚・和裏緩急
[主治] 中焦虚寒・脾虚肝乗
[病機]
中焦虚寒で営衛気血が不足し、脾虚に乗じて肝気が横逆する状態である。
●血寒瘀滞による月経周期延長・無月経・月経痛
③通陽化気
●脾陽不運による痰飲内停で背部の冷え・息切れ・眩暈など
●蓄水証すなわち膀胱の気化不行で水湿が内停し小便不利を呈するとき
☆五苓散
[主治]
①蓄水証
頭痛・発熱・口渇が強く水分を欲するあるいは水を飲むとすぐに吐くなど
②霍乱
突然の嘔吐・下痢など
③水湿内停
浮腫あるいは下痢で尿量減少をともなう
④痰飲
臍下の動悸・水様物の嘔吐
[病機]
いずれも水湿内停による病変であるが、病機が異なっている。
★蓄水証
風寒の邪が侵襲して太陽表証と同時に、太陽経脈を通じて邪が膀胱に入り、
気化を阻害して水湿を停滞させる。
水湿が下焦に内停し、口渇が生じて水分を欲するが、
飲水は津液に化生されないままに体内に内停する。
★霍乱
夏に生冷物を暴飲暴食して脾胃を損傷し、
湿邪が昇清降濁を失調させたために上吐下瀉である。
★水湿内停
脾虚で水湿の運化が低下したために生じる。
★痰飲
膀胱の気化不足で水湿が排出されずに臍下に停滞したために生じる。
④平衡降逆
●心気陰両虚で脈の結代・動悸がみられるとき
●下焦の陰寒が心陽虚に乗じて上焦する奔豚気で、
臍下から塊状のものがつき上がるように感じるとき
桂枝は辛温で助熱して傷陰動血しやすいので、
温熱病・陰虚陽盛・内熱による口舌乾燥・出血などには禁忌である。
妊婦・月経過多には慎重にしようすべきである。
参考文献:
『傷寒論を読もう』
『中国傷寒論解説』
『中医臨床のための中薬学』
『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版
『読みもの 漢方生薬学』 たにぐち書店
『神農本草経解説』 源草社
『生薬単』 NTS
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是非参考文献を読んでみて下さい。
冠木