【生気通天論篇 第三】①
生気:人間の生命活動
通天:自然界
この篇では、「人間の生命活動と自然界は密接に関係し合っている」
ことを論じている。
そのことは、
『夫自古通天者、生之本、本於陰陽』
→昔から、人の生命活動と自然環境には、極めて親密に相い通じる関係があり,
生命の根本は陰陽にもとづくと考えられている。
と表されております。
『陽気者、若天与日。失其所、則祈寿而不彰』
→ 人体の陽気は、ちょうど天体に太陽が存在しているようなものである。
もし太陽が正常さを失えば、自然界の万物は生存出来ない。
人の身体も自然界の流れの一部である。
人間にとって太陽=陽気の存在は必要不可欠である。
『蒼天之気、清浄則志意治。順之、則陽気固。』
→人の生気は天の気と関連があるため、天の気が清浄であれば
人の意志は平静なのである。この道理に順えば、
陽気に護りの役目を果たせることができる。
自然に順応し、生活していくことは陽気を大切にしていくことに深く結びつく。
次回は陽気の変調について
新川
参考文献:『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』 東洋学術出版
『鍼灸治療 内経気象学入門—現代に甦る黄帝内経による気象医学』 緑書房