ついつい山に目がいってしまう。
むしろ自分から山の方へ向かっていっているのか。
そんなことを考えながら撮影した一枚です。
今回は、四時刺逆従論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。
【四時刺逆従論篇 六十四】
【原文】
厥陰有余、病陰痺。
不足、病生熱痺。滑則病狐疝風。濇則病少腹積気。少陰有余、病皮痺隠軫。
不足、病肺痺。滑則病肺風疝。濇則病積溲血。太陰有余、病肉痺寒中。
不足、病脾痺。滑則病脾風疝。濇則病積、心腹時満。陽明有余、病脈痺、身時熱。
不足、病心痺。滑則病心風疝。濇則病積、時善驚。太陽有余、病骨痺身重。
不足、病腎痺。滑則病腎風疝。濇則病積、善時巓疾。少陽有余、病筋痺脇満。
不足、病肝痺。滑則病肝風疝。濇則病積、時筋急目痛。
是故春気在経脈、夏気在孫絡、長夏気在肌肉、秋気在皮膚、冬気在骨髄中。
帝曰、余願聞其故。
岐伯曰、春者、天気始開、地気始泄、凍解冰釈、水行経通、故人気在脈。
夏者、経満気溢、入孫絡受血、皮膚充実。
長夏者、経絡皆盛、内溢肌中。秋者、天気始收、腠理閉塞、皮膚引急。
冬者蓋蔵、血気在中、内著骨髄、通於五蔵。是故邪気者、常随四時之気血而入客也。
至其変化、不可為度。然必従其経気、辟除其邪。除其邪則乱気不生。
帝曰、逆四時而生乱気、奈何。
岐伯曰、春刺絡脈、血気外溢、令人少気。 春刺肌肉、血気環逆、令人上気。 春刺筋骨、血気内著、令人腹脹。
夏刺経脈、血気乃竭、令人解[イ亦]。 夏刺肌肉、血気内却、令人善恐。 夏刺筋骨、血気上逆、令人善怒。
秋刺経脈、血気上逆、令人善忘。 秋刺絡脈、気不外行、令人臥不欲動。 秋刺筋骨、血気内散、令人寒慄。
冬刺経脈、血気皆脱、令人目不明。 冬刺絡脈、内気外泄、留為大痺。 冬刺肌肉、陽気竭絶、令人善忘。
凡此四時刺者、大逆之病、不可不従也。反之則生乱気、相淫病焉。
故刺不知四時之経病之所生、以従為逆、正気内乱、与精相薄。
必審九候、正気不乱、精気不転。
帝曰、善。
刺五蔵、中心一日死、其動為噫。
中肝五日死、其動為語。中肺三日死、其動為咳。中腎六日死、其動為嚔欠。
中脾十日死、其動為呑。刺傷人五蔵必死。其動則依其蔵之所変、候知其死也。
刺鍼を行う際は、
必ず四季によって血気の所在が変わるので、
それに則して刺鍼を行っていかなければならない。
この治療原則に反した場合、
さまざまな病変を引き起こしてしまう。
この篇では、それらの概念を対比して説明している。
「鍼刺において四時における経気の所在や疾病の発生状況を知らずに、
盲目的に従をもって逆とするような治療を行うと、
正気を内に乱れさせ、邪気と精気と相争ってひどい変化を引き起こしてしまうのです。
そこで診断に際しては、必ず三部九候の脈をよくみて、
発病の所在をさがし、さらに四時ごとの経気の部位にもとづいて適切に治療を行ってはじめて、
正気を乱さずにすみ、精気の逆転も起こらないのです。」
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』より
●春季
天の陽気が育ちはじめ、地の陰気もまた泄れはじめ寒冷から温暖へと向かって、
凍結していたものはとけ、水流が行って河川が通じるようになる。
したがって人身の気もまた経脈にあるということになる。
〔誤った治療〕
・絡脈に刺鍼すると気血は外に溢れるために少気となる
・肌肉に刺鍼すると、血気の循環が乱れて気喘を起こす
・筋骨に刺鍼すると、血気は内部に定着して腹脹を起こし
●夏季
経脈中の血気が充ち足りて孫絡にまで流入し、
皮膚は潤って充実する。
〔誤った治療〕
・経脈に刺鍼すると、血気は衰竭して疲倦怠惰となる。
・肌肉に刺鍼すると、血気が内に虚となり、ものごとを恐れやすくなる
・筋骨に刺鍼すると、血気は上に逆行して怒りやすくなる
●長夏
経脈と絡脈中の血気がともに非常に旺盛となるので、
肌肉の中を充分に灌漑して潤すことができる。
●秋季
天の気が収め殺すことをはじめ、
人身の腠理もまた日に日に閉塞し、
皮膚も収縮して緻密になる。
〔誤った治療〕
・経脈に刺鍼すると、気血が上逆して善くもの忘れするようになる
・絡脈に刺鍼すると、気は外を循ることができなくなるので、臥することを好み動きたがらなくなる
・筋骨に刺鍼すると、気血は内に散乱するので寒慄を起こすようになる
●冬季
閉蔵を主っており、
人身の気血は内に収蔵されるので、
冬の気は骨髄に着くようになって五蔵に通じる。
〔誤った治療〕
・経脈に刺鍼すると、気血は虚脱となり目がはっきり見えなくなる
・絡脈に刺鍼すると、体内の気は外に泄れて大痺が起こる
・肌肉に刺鍼すると陽気は竭絶して記憶力が減退する
参考文献:
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『図説 東洋医学〈基礎篇〉』 学研
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
新川
先生、ご無沙汰してます。
山、良いですよね(*^^*)
私は幼い頃、良く父親が近くの山に山登りに連れていってくれました。
山の景色が近付くにつれ、なぜか、「山に行く」というより、「帰ってきた」という感覚があったのを覚えています。
緑に癒されるから、そう思うんでしょうかね?
森林浴がしたくなってきました(*´ω`*)
haru☆ai さん
コメントありがとうございます。
誰にでも「故郷」と呼べる場所が存在するのかもしれません。
アスファルトの上にいると、気が滅入りそうになりますので
これからの季節、森林浴はうってつけですね☆