下積み修行中の宮村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。
梅雨入りしたそうです。
早速雨が降ったり、止んだり・・・しばらくジメジメした日が続きそうです。
今回は診察方法の一つの脈診について勉強したことを書いていきます。
脈診とは東洋医学で用いられる診断法の一つで、
「切脈」「候脈」「按脈」「持脈」とも言われます。
脈を按じて、脈象を調べえ、病状の変化を知る診断法です。
脈診には大きく分けて脈の状態を主に見る「脈状診」と、
拍動する部位を異にしている脈の状態を比較して診る
「比較脈診」の二つに大別されます。
脈状診
脈状診は手首の左右橈骨茎状突起の内側で橈骨動脈拍動部で
脈の状態を診ます。
示指が触れた所を寸口、中指が関上、環指が尺中と呼び、
これらを総称して寸口ともいいます。
平脈
一般に、無病で健康な人の脈を「平脈」「常脈」といいます。
平脈の至数(一呼一吸の時間内に脈拍が拍動する回数)は
四至で、脈象は緩和で有力、リズムがあり、
速くも遅くもない特に目立った点のない脈です。
平脈には主に三つの特徴があり、
一、「有神」 脈象が緩和なだけでなく有力がある。
二、「有胃気」脈の去来に余裕があり平均している。
三、「有根」 尺部を沈取した時にも一定の力がある。
脈象は人体内外の状況と密接な関係にあり、
年齢、性別、体質および精神状態の違いで変化が生じます。
またその時の季節に応じた脈象を少し兼ねるほうがよいとされ、
臨床ではこれらの脈象の変化を注意して病脈と鑑別する必要があります。
五季と季節に応じた脈象
病脈とは、疾病により変化した脈象です。
主な病脈は、
浮脈、沈脈、遅脈、数脈、洪脈、微脈、細脈、散脈、虚脈、実脈、
滑脈、渋脈、長脈、短脈、弦脈、芤脈、緊脈、緩脈、革脈、牢脈、
弱脈、濡脈、伏脈、動脈、促脈、結脈、代脈、疾脈
の28種類あり、脈位、回数、形状と
脈の気勢の四つから観察する。
「難経」の一難に脈診について何故寸口で脈を取るのか解説されています。
(原文)
「一難曰、十二経皆有動脈、独取寸口、以決五臓六腑死生吉凶之法、何謂也。
然、寸口者脈之太会、手太陰之脈動也。
人一呼脈行三寸、呼吸定息脈行六寸。
人一日一夜凡一万三千五百息、脈行五十度周於身、漏水下百刻、
栄衛行陽二十五度、行陰亦二十五度為一周也。故五十度復会於手太陰。
寸口者五臓六腑之所終始、故法取於寸口也。」
(訳)
「正経十二経脈にはみんなそれぞれ脈動部があるのに、
手の太陰肺経の脈動部、つまり橈骨動脈の所だけを取り上げてみることで、
五臓六腑の疾病の良・不良等が診断できるってのはどういう理由なのか?」
「栄衛の血と気は、正経十二経脈の経脈に従って全身を循るが、
手の太陰肺経はその出発点である。
脈気は一呼吸で六寸進む。
人は一日で一万三千五百回呼吸をする。
したがって脈気は一日で身体を50周する。
陽つまり昼に25回、陰つまり夜に25回、合計50回全身を循環して、
又、手の太陰肺経 の寸口部に戻ってくる。
この寸口部は、五臓六腑をめぐる脈気の循環する始まりであり終わりといえる、
ゆえに寸口の脈だけで、身体全体をみることができる。」
[引用 難経ハンドブック 医道の日本社]
上記の様に脈気は全身を循り寸口に戻ってきます。
また肺は呼吸によって気を循らす元であり、
それに続く肺経から脈気は循りはじめます。
その為、脈診は寸口で取ります。
次回から各病脈について解説していきたいと思います。
参考文献
『東洋医学概論』 医道の日本社
『難経ハンドブック』 医道の日本社
『針灸学 基礎編』 東洋学術出版
『脈診 基礎知識と実践ガイド』 東洋学術出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
宮村