下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


こんにちは、冠木です。
昼間は、汗ばむことが多くなってきました。
すでに、熱中症も出始めているのだとか・・・
気を付けないといけませんね(^^;)

今回は、今年風疹が大流行しているのは、
何でだろうと?思い、調べてみました。

風疹は「風痧」とも呼ばれ、≪麻科活人全書≫には「風癮」と記載されている。

①衛分邪熱の風疹
伝染性の病邪が侵入して気・血とともに肌腠に鬱したために発疹を生じるが、
邪毒が弱いときには衛分を障害するのみである。

【弁証の要点】
発熱の1~2日以内に発疹が出現し、通常24時間以内に出て、
発疹は細小で粒状の淡紅点でまばらであり、
頭部から次第に拡がり全身に及び、手掌・足底部には発疹がみられない。
また、同時に皮膚に痒みが生じ、発疹は出そろってから1~2日で次第に消退しはじめる。
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②気分邪熱の風疹
熱毒が強いために気分に侵入して発生する。

【弁証の要点】
高度の発熱・発疹が淡紅から鮮紅色に変化し密集する・口渇があり水を飲みたがる・
煩燥・便が硬いなどが起こる。
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『方剤例』
≪消風散 しょうふうさん≫
[組 成] 当帰・生地黄・防風・蟬退・知母・苦参・胡麻仁・
荊芥・蒼朮・牛蒡子・石膏・生甘草・木通

[効 能] 疏風養血・清熱除湿・止痒

[主 治] 湿疹・風疹(風湿熱毒)
紅色の膨疹・湿疹が反復して出没し瘙痒が強い。

[病 機] 風湿熱毒の邪が深く血分に入り、気血と結びついて邪正を相争し、
内に泄路がないため三焦を通じて肌膚に外氾し、
全身の皮膚病変を生じる病態で、反復し多彩な反疹がみられることが多い。

『掲載古書 外科正宗』
1617年(明) 沈実功によって書かれた。
治風●浸淫血脉到生瘡●搔痒不絶及大人小皃風●癮疹遍身雲●斑●乍有乍無並効。
(●は解読できませんでした。)

京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫セレクト 『外科正宗』 [v. 4, pp. 88-89]


 

≪衛分病機≫
温病の邪気が衛表に現れる病理過程である。
その病機には
①衛気およびその機能が病邪に襲われたために起きるもの
②衛気と病邪の相互作用によって発生するもの
以上のものが、含まれる。

主な病理としては、外邪が人を損傷する時には、
まず肌表から侵入するので、
衛気が初めに攻撃を受ける。
温は陽邪であり、邪が肌表を襲い、
衛陽が損傷されて鬱滞し、衛気と病邪が争う。
症状は、悪寒・発熱・無汗か出てもあまり出ない。

熱(湿邪をともなわない)病邪の場合は、
主に衛陽が抑鬱され、損傷程度があまり重くないので、
悪寒は軽く短期間である。
しかし温は陽邪であるので、
衛気と病邪の争いが激しいため、発熱は強い。

湿熱病邪の場合は、
衛陽の鬱滞が強く、また湿は陰邪であるので、
悪寒は強いが発熱は軽い。
その他、湿は清陽を遮ったり筋肉に鬱滞したりするので、
頭や目がぼんやりし、脹痛して重くなったり、
筋肉・四肢が重だるく痛むなど。
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⑴温熱病邪が人体に侵入するときは、
①肌表から侵入するもの
②口鼻から入って肺を犯すもの
この2種類がある。

衛気は肺に連絡し、肺は気を主って衛に属し、
外では皮毛を主るので
どちらの場合も、相互に影響しあう。
そのため、衛気が抑鬱されると、肺気も宣発機能を失うし、
肺気が宣発できなければ、衛気も鬱滞する。

⑵ 衛気が激しく損傷あるいは消耗されたために、
一時的に肌表を暖めることができなくなるもの。

⑶もともと陽気が虚弱な人の疾病が長引いたり、
繰り返し発汗したために衛陽が欠損し、
皮膚を温めることができず、
腠理の緻密さがなくなり、
外邪から防御する機能が低下した時に多発する。

*衛気
体表を保護し外邪の侵入を防御する気である。
活動性が高く、動きが速いという性質があるため
その運行は滑らかかつ、迅速に経脈の拘束を受けることなく
経脈の外側をめぐり、全身に行きわたる。
また、肌肉を温め、汗孔を開閉する機能がある。


≪≪気分病機≫

ほとんどは、衛分から発展・伝変していくが、
病邪が直接気分に侵入して発生することもある。
病理変化として、
①気およびその機能の異常
②気と病邪との抗争から発生するものがあり、
邪熱が燃え上がる一方、
正気もまた盛んなので、正邪が激しく争う。

邪熱が裏に入れば、裏熱が強くなり、
気と熱がぶつかって蒸発し、内外に充満し
熱が勢力を増すため
肺を塞いだり、肺と胃の両方の熱が強くなったりする。
主に肺を塞いだ時は、肺気の粛降機能が失われるが、
一般には熱邪が肺胃両経に達し、両方の熱が強くなることが多い。

熱邪には、気を損傷・消耗する特性がある。
暑邪や湿熱病邪が人体を襲えば、元気を毀損する。
●肺気の損傷
粛降機能の失調
●心気の損傷
動悸・息切れ・精神疲労・などが現れる。
●腑気の損傷
伝導機能が失調し、便秘になる。

津液の消耗は、熱邪によって起こり、
●熱邪に直接焼かれる
●津液が外に出る
●脾胃が蒸される
●胃腸や肝腎が焼かれる
すると、津液は消耗し陰精が欠損する。
また、熱邪には津液を煮詰め、津を焼いて痰に変える特徴がある。

温熱病には、気を消耗したり陰を損傷したりする特徴がある。
●気と陰が同時に消耗する
●液の損傷が気に波及する
●気が損傷され、津を化生することができない
いすれも気陰両傷病機である。

少陽は体の中枢であり、三焦は「諸気を主宰する」。
また三焦は気や水、そして気機が昇降出入するための通路である。
そのため、湿熱に痰飲水湿が加われば、少陽を鬱滞させると、
●三焦の気化機能の失調
●気機の鬱滞
●少陽の気機の不利になる。
そして、病邪は出入ができなくなり、少陽三焦のなかをめぐりだす。

衛気同病とは、衛分・気分が同時に邪を感受するか、
病変が衛分と気分に同時に波及するものである。
発病時に衛・気ともに損傷されるか、
病邪が裏から表、気分から衛分へ出るさいにみられる。

【考察】
今年は、風疹の発症率が昨年に比べ30数倍だそうです。
ワクチンを受けていない年代が多く発症しているとのことですが、
今年だけ発症数が急激に増えていることから
ワクチンはあまり関係ないのではと感じました。
それよりも今年は、気温の変化が激しかったために、
衛気の温煦・防御作用が失調し肌表を守れず、
邪気が侵入し、発症が多くなったのではと考えます。


風疹の感染情報(2013年)
NIID 国立感染症研究所


参考文献:
『やさしい中医学入門』
『中医病因病機学』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『中医臨床のための中薬学』
『中医臨床のための方剤学』 神戸中医学研究会
『症状による中医診断と治療 下巻』 燎原書店 

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

冠木

2 コメント

  1. 確かに今年はいつまでも寒かったり、かと思えば急に気温が上がったりで春らしい感じがあまりしなかったです。
    やはり不順な天候は病気を呼びやすいんですね。

    ちょっと話がずれますが、風疹の予防接種のことを。
    うちの子供は二人とも追加接種の案内が来て受けに行きました。
    ある年齢の子供は小さい時に受けただけでは不十分なのでもう一度受ける必要があるそうで、二人とも該当していたのです。
    上の子は高3だったので学校から、接種しておかないと医療、保育系の受験ができなくなる可能性もあるとの手紙もきました。
    病院ではお宅の子供さんはこれでまず大丈夫だろうけれど、今25~30歳くらいの人たちはちょうど法律改正の谷間にいて、公費負担での接種がないから発症する可能性があると聞きました。
    実際に風疹の流行の話が出てきたころ、主人の後輩は奥さんが妊娠したとわかったとたんに両方の実家から「すぐ風疹の予防接種に行け」と電話がはいり、あわてて受けに行ったとか。
    年代によって救済措置があったりなかったりって不公平だと、もやもやした気分になりました。

    • おコメさん

      コメントありがとうございます。
      そうですね〜、
      春らしさはなかったように感じます。
      今年は気温の差が激しく、
      ダウンジャケットを着る程寒いかと思えば、
      汗ばむような暑さになったりと大変でした。

      お子さんの二人ともが追加の予防接種に該当していたのですか!!
      高校3年生だと、受験する学校によっても違うんですね・・・
      ややこしいです(T_T)

      おコメさんも書かれていますが、
      年代・年齢によって違いがあることに驚きました。
      25〜30歳ぐらいの方の発症数が多いと、ニュースでもしていましたね。
      法律の改正で発症する・しないとなってしまうのは、どうかと・・・
      公平な救済措置があればと思います。

      そうなんですか?!
      確かに、妊婦さんが発症すると胎児にも影響するようです。
      異様な大流行で、過敏になってしまいますよね・・・

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